2020-01-01から1年間の記事一覧

大いに笑わせ大いに泣かせる佳作コメディ映画『がんばれ!チョルス』

■がんばれ!チョルス (監督:イ・ゲビョク 2019年韓国映画) 筋肉ムキムキだが頭の中身がすっかりお留守な男と難病の少女とが出会い、可笑しな珍道中を繰り広げるという2019年公開の韓国製コメディ映画です。しかし実は二人の間には、とても悲しい過去が隠…

スティーヴン・キングの最新短編集『マイル81』『夏の雷鳴』を読んだ

■マイル81 (わるい夢たちのバザールI) 、夏の雷鳴 (わるい夢たちのバザールII) / スティーヴン・キング 廃墟となったパーキングエリアに駐まる1台の車。不審に思って近づいた者たちは――キング流の奇想炸裂の表題作。この世に存在しない作品が読める謎の電…

最近ダラ観した韓国映画

■暗数殺人 (監督:キム・テギュン 2019年韓国映画) 暗数殺人 デラックス版 (Blu-ray+DVDセット) 発売日: 2020/10/02 メディア: Blu-ray 収監中の殺人犯は更なる殺人を自白するがその供述は常に曖昧で不透明、犯人の目的は何なのか?という韓国映画『暗数殺…

フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド、2004年一回こっきりの復活ライヴアクト。

YouTubeを徘徊していたらフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(FGTH)の2004年ライヴ、という映像を見つけ思わず見入ってしまった。FGTH、「リラックス」のヒットで1980年代にセンセーショナルなデビューを果たしたイギリスのニューウェーヴ・バンドである…

アントニイ・バージェスの『時計じかけのオレンジ』を読んだ

■時計じかけのオレンジ / アントニイ・バージェス 近未来の高度管理社会。15歳の少年アレックスは、平凡で機械的な毎日にうんざりしていた。そこで彼が見つけた唯一の気晴らしは超暴力。仲間とともに夜の街をさまよい、盗み、破壊、暴行、殺人をけたたましく…

ターミネーターにランボーにロボコップにジョーカーにスポーン!格闘ゲーム『モータル・コンバット11』がとても楽しい!!

■Mortal KOMBAT 11 Aftermath Kollection 「ゲームで腰を痛めたのでゲームやれない」と言ったばかりのオレが、舌の根も乾かぬうちにまたもやゲームを買ってしまったんだッ!オレのバカ! バカバカバカ!そもそも『ウィッチャー3』はどうするんだよ!ホントに…

仕事ですら痛めたことのない腰をゲームで痛めたのだ

最近ゲームを全然やっていない。話題作が出るとなんとなく買ってみるのだが、長続きせずすぐやめてしまう。おかげで積みゲーがどんどんと溜まり、不経済だし心理的にも圧迫されるので(やんなきゃなーと思ってしまう)、もう新作買うのは止めようと思ってし…

道しるべを無くした全ての者たちよ/映画『スタートアップ!』

■スタートアップ! (監督:チェ・ジョンヨル 2019年韓国映画) あのマ・ドンソクが、ドンソク兄貴が、おかっぱ頭姿で映画に登場!?ドンソク兄貴にいったい何が!?予告編を観るとなにやらトッポイ兄ちゃん二人を愉快にシバキ倒しているドンソク兄貴のマブ…

ボウイの未発表セッション・アルバム『Changesnowbowie』が発表されたからファンは嗚咽し乱舞して聴くがいい!!

■Changesnowbowie / David Bowie 2016年に惜しまれながらこの世を去ったデヴィッド・ボウイの”新譜”が2020年の今発表される、というのだから古くからのファンとしてこれは壮絶に盛り上がらざるをえない。といっても未発表の新曲が発掘された、というのではな…

『古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 新生代編』を読んだ

■古生物のサイズが実感できる! リアルサイズ古生物図鑑 新生代編 / 土屋健 (著)、群馬県立自然史博物館 (監修) 「もしも既に絶滅してしまった古生物が現代に生きていたらどのぐらいのサイズ感なのだろう?」をコンセプトに、親しみやすい図説で好評を博した…

イスラエルSFの芳醇なる収穫、『シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選』を読んだ。

■シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選 イスラエルと聞いて、あなたは何を思い浮かべるだろうか。驚くなかれ、「イスラエルという国家は、本質的にサイエンス・フィクションの国」(「イスラエルSFの歴史について」)なのだ。豊穣なるイスラエルSFの世…

「愛」という名の強迫観念/ウラジミール・ナボコフの『ロリータ』を読んだ

■ロリータ / ウラジミール・ナボコフ 「ロリータ、我が命の光、我が腰の炎。我が罪、我が魂。ロ・リー・タ。…」世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、ミステリであ…

最近聴いたエレクトリック・ミュージック

Bronson ■BRONSON / Bronson BRONSON [解説・ボーナストラック2曲収録 / 国内盤] (BRC642) アーティスト:BRONSON,ブロンソン 発売日: 2020/08/07 メディア: CD グラミー賞ダンス/エレクトロニック部門ノミネート・アーチストであるODESZAとシドニーで活躍す…

ガジェットを一本化した話

Photo by Sven on Unsplash 使用している複数のガジェットを一本化したという他愛ない話である。 いつも持ち歩いているガジェットはAppleのスマートフォン、Amazonのタブレット、SonyのMP3プレイヤーの3つ。それにワイヤレスイヤホンも加わるかな? スマホは…

華文ミステリ『死亡通知書 暗黒者』を読んだ

■死亡通知書 暗黒者 / 周 浩暉 死すべき罪人の名をネットで募り、予告殺人を繰り返す劇場型シリアルキラー〈エウメニデス〉。挑戦状を受け取った刑事・羅飛は事件を食い止めようと奔走するが……果たして命を懸けたゲームの行方は? 本国でシリーズ累計120万…

最近読んだコミックあれこれ

■プリニウス(10) / ヤマザキマリ、とりみき プリニウス 10巻: バンチコミックス 作者:ヤマザキマリ,とり・みき 発売日: 2020/09/09 メディア: Kindle版 『プリニウス』第10巻、遂にあの皇帝ネロが!?というちょっとしたクライマックスを迎える巻である。と…

プリンス最高傑作アルバム『サイン・オブ・ザ・タイムズ』のスーパー・デラックス・エディションが発売されたのだ!

■SIGN "O" THE TIMES: Super Deluxe Edition / Prince プリンスといえばその最高傑作は紛れも無く『サイン・オブ・ザ・タイムズ』であると心に強く思うオレである。最高傑作どころかポピュラー音楽史に燦然と輝き永代にその名を残す超弩級のアルバムであるこ…

大病院でシコタマ検査を受けておった。

体調不良が数ヶ月続いてなんかちょっとヤヴァいんじゃないかオレ!?と戦々恐々となり大病院でゴッツイ検査してもらったのだが結局なんでもなかったという話である。 以前から何度かブログで書いていたのだが、今年は6月辺りからなにしろすこぶる調子が悪か…

バンドデシネ作品『レベティコ―雑草の歌』を読んだ

■レベティコ―雑草の歌 / ダヴィッド・プリュドム(作)原正人(訳) 『レベティコ―雑草の歌』は第2次世界大戦前夜のギリシャ・アテネを舞台に、その日暮らしの音楽家たちのダルくユルい一日を描いたバンドデシネ・コミックである。タイトルである「レベティ…

アシモフの『ファウンデーション』シリーズを読んだ

〔銀河帝国興亡史1〕第一銀河帝国は崩壊しつつあった。だが、その事実を完全に理解している人間は、帝国の生んだ最後の天才科学者のハリ・セルダンただ一人であった! 彼は来たるべき暗黒時代にそなえ、第二帝国樹立のためのファウンデーションを設立したの…

売れない漫画家は死んだ筈の特殊工作員だった!?/映画『ヒットマン エージェント・ジュン』

■ヒットマン エージェント・ジュン (監督:チェ・ウォンソプ 2020年韓国映画) 「売れない漫画家は死んだ筈の特殊工作員だった!?」という2020年公開の韓国コメディ・アクション『ヒットマン エージェント・ジュン』でございます。むさっ苦しい漫画家がいざ…

2020年:那須どうぶつ王国へマヌルネコとカピバラに会いに行ってきた!

9月になり暑かった夏もようやく終わり、秋が深まってきましたね。この間の4連休は一日ぐらいちょっと遠出をしようかと思い、21日の月曜日(敬老の日祝日)に相方さんと共に栃木にある那須どうぶつ王国へ行ってきました。 那須どうぶつ王国は那須高原にある動…

映画『TENET テネット』は小難しいことは考えずにシンプルなSF諜報活劇として観るといいのだと思う

■TENET テネット (監督:クリストファー・ノーラン 2010年アメリカ映画) オレはクリストファー・ノーラン監督作が少々苦手である。殆どの作品で絶賛される監督ではあるが、オレ自身は好き嫌いが激しい。全部観ているわけではないが、一番好きなのは『ダー…

最近聴いたエレクトリック・ミュージックその他

Duval Timothy ■Help / Duval Timothy Help [日本限定CD] アーティスト:Duval Timothy 発売日: 2020/08/07 メディア: CD Duval TimothyはUK/シエラレオネを拠点に活動するマルチアーティストだという。この『Help』は彼の4枚目のアルバムとなるが、一聴して…

最近ダラ観した韓国映画あれこれ

■ブラザー (監督:チャン・ユジョン 2017年韓国映画) ドンソク兄貴主演!親父の葬式のため堅ッ苦しい親族の待つド田舎に出向いた兄弟が出遭うとんでもない事件を描いたドタバタコメディ『ブラザー』を観た!クソな田舎といがみ合う兄弟を面白可笑しく描き…

ローランド・エメリッヒが描く熾烈なる日米大海戦/映画『ミッドウェイ』

■ミッドウェイ (監督:ローランド・エメリッヒ 2019年アメリカ・中国・香港・カナダ映画) 1941年12月8日、ハワイのアメリカ軍事拠点である真珠湾を日本軍が奇襲攻撃し、これに併せ日本軍は連合軍に宣戦布告、太平洋戦争が開戦されることとなる。緒戦に敗退…

僕らはもう負け犬なんかじゃない / 映画『きっと、またあえる』

■きっと、またあえる (監督:ニテーシュ・ティワーリー 2019年インド映画) ■人生にとって本当に大事なもの 「人生にとって本当に大事なものってなんなのだろう」。あるショッキングな事件に見舞われた別居中の夫婦の元に、二人の学生時代の友人たちが集ま…

浅き夢見し

Photo by Matheus Vinicius on Unsplash 誰も何も求めてもいないというのに「体調悪い!」とわめいていた昨日の続きを書くのである。いや、実のところ養生している効果が出て来たのか夏の暑さが引いてきたからなのか、今現在は以前よりは調子悪くない。絶好…

58の夏、あるいは生きながらはてなに葬られ

Photo by Edward Howell on Unsplash 今日9月9日はオレの誕生日だった。なんと58歳である。「ほぼ60歳」であり「お爺ちゃん」ないし「ジジイ」であり還暦のチャンチャンコの赤い色がうっすら透けて見えて来る年である。ちなみにアラサー、アラフィフなどとい…

今頃ではあるが小松左京の『日本沈没』を読んだ。

■日本沈没 / 小松左京 鳥島の南東にある無人島が、一夜にして海中に沈んだ。深海潜水艇の操艇責任者の小野寺は、地球物理学の田所博士とともに、近辺の海溝を調査し、海底の異変に気づく。以降、日本各地で地震や火山の噴火が頻発。自殺した友人を京都で弔…