2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

最近読んだコミックなどなど

■ヒストリエ(11)/岩明均 ヒストリエ(11) (アフタヌーンKC) 作者: 岩明均 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/07/23 メディア: コミック この商品を含むブログを見る 相変わらず主要人物全員死んだ目をしており、例によって寒々しい物語が展開していて今…

話題の長編中華SF小説『三体』は本当に面白かったのか?

■三体/劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン) 今SF小説界で話題沸騰中の作品といえば中国作家・劉慈欣(りゅう・じきん/リウ・ツーシン)の長編SF『三体』 だろう。なんというか化け物級の話題作なのだ。 2008年に中国で出版され人気が爆発、《三体》3…

ゴダールのSF作品『アルファヴィル』を観た

■アルファヴィル (監督:ジャン=リュック・ゴダール 1965年フランス、イタリア映画) ◆ゴダールのSF作品『アルファヴィル』を観た オレはSFが好きである。オレにとって小説といえばSF小説の事だし、映画でもまず好きなのはSFジャンルだ。オレの性格もSFだ…

京極夏彦の『今昔百鬼拾遺 天狗』を読んだ

■今昔百鬼拾遺 天狗/京極夏彦 昭和29年8月、是枝美智栄は天狗伝説の残る高尾山中で消息を絶った。約2か月後、遠く離れた群馬県迦葉山で女性の遺体が発見される。遺体は何故か美智栄の衣服を身にまとっていた。この謎に、旧弊な家に苦しめられてきた天津敏子…

やられ顔

この間の休みの日のことだ。喫茶店のトイレにスマホを置き忘れたことを後から気付き、大慌てしてしまったことがあった。 気付いたのは出てから30分ぐらい後だった。こりゃヤバイ、と店に取って返し、トイレに駆け込んだら、置き忘れた”トイレの個室”は使用中…

ディズニー実写ファンタジー『アラジン』は青いウィル・スミスが最高過ぎる映画だったッ!?

■アラジン (監督:ガイ・リッチー 2019年アメリカ映画) いつもは「マッチョがドンパチ」だったり「いろんな意味でゲロゲロ」だったり「基本的にバカアホマヌケ」だったりと不遜かつしょーもない映画ばかり観ているオレなんですが、なんとこのあいだ"夢と冒…

映画『アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲』は清々しいほどに心洗われる駄作だった

■アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲 (監督:ティモ・ブオレンソラ 2019年フィンランド・ドイツ・ベルギー映画) 世紀の極悪軍団ナチスは生きていた!?それも月の裏側で!?第2次大戦を密かに生き延びた彼らは、秘密の月面基地を築き、地球征服の機会を虎視…

最近聴いたレゲエやらダブやら

なんかもうムキになって聴いていたので相当大量の音源となり、面倒なのでアルバム毎の説明は割愛させてください……(手抜き)。 ■Derrick Harriott Reggae, Funk & Soul 1969-1975 Derrick Harriott Reggae, Funk & Soul 1969-1975 [国内盤CD] (DSRCD009) アー…

橋本治の『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない』を読んだ

■父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来ない/橋本治 今年1月に亡くなった橋本治さんの本はこの間出た『思いつきで世界は進む――「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと』が最後なのかと思ったらまだあるのらしい。この『父権制の崩壊 あるいは指導者はもう来…

冷戦下にある男女の数奇な愛の遍歴/映画『COLD WAR あの歌、二つの心』

■COLD WAR あの歌、二つの心 (監督:パヴェウ・パヴリコフスキ 2018年ポーランド・イギリス・フランス映画) 映画『COLD WAR あの歌、二つの心』は冷戦下のヨーロッパを舞台に、二人の男女の数奇な愛の遍歴を描いたドラマだ。 監督はポーランドで活躍するパ…

ホセ・ドノソ『夜のみだらな鳥』を読んだ(ラテンアメリカ文学)

■夜のみだらな鳥/ホセ・ドノソ 望まれない畸形児“ボーイ”の養育を託された名家の秘書ウンベルトは、宿痾の胃病で病み衰え、使用人たちが余生を過ごす修道院へと送られる。尼僧、老婆、そして孤児たちとともに暮しながら、ウンベルトは聾唖の“ムディート”の…

2019年上半期映画ベストを特に深く考えることなく挙げてみる

もう7月も半ばであるがここで「2019年上半期映画ベスト」などというものを書き殴っておきたいと思ったのである。 実は今までこのブログで「上半期ベスト」などというのはやったことがないのだが、万年ネタ枯渇症のブログであるが故に周囲のブロガーさんのモ…

冥界の使者たちの隠された因縁!第一章は序章に過ぎなかった!? /映画『神と共に 第二章:因と縁』

◼️神と共に 第二章:因と縁 (監督:キム・ヨンファ 2018年韓国映画) ついこの間日本でも公開された“地獄エンターテイメント”映画『神と共に 第一章:罪と罰』の続きとなる『神と共に 第二章:因と縁』を観に行ってきました。実はこの第二章、最初から2部構成を…

ヤマザキマリの『パスタぎらい』を読んだ

■パスタぎらい/ヤマザキマリ イタリアに暮らし始めて三十五年。断言しよう。パスタよりもっと美味しいものが世界にはある!フィレンツェの絶品「貧乏料理」、シチリア島で頬張った餃子、死ぬ間際に食べたいポルチーニ茸、狂うほど愛しい日本食、忘れ難いおに…

バンドデシネ・アーチスト、バスティアン・ヴィヴェス特集:その4『ラストマン(6)』

■ラストマン(6)/バラック、 ヴィヴェス 、サンラヴィル バンドデシネ作品『ラストマン』は日本では現在最新刊6巻が刊行されている現在進行形のコミックである。内容はこれまで紹介した3作と大きく異なり、日本の少年漫画誌で連載されてもおかしくないメジャ…

バンドデシネ・アーチスト、バスティアン・ヴィヴェス特集:その3『塩素の味』

■塩素の味/ バスティアン・ヴィヴェス この『塩素の味』は2008年刊、今回紹介した中でも初期の頃の作品にあたり、同時に作者バスティアン・ヴィヴェスの名を大きく世間に知らしめた作品でもある。日本でも作者の初紹介作であり、唯一の全ページカラー作品だ…

バンドデシネ・アーチスト、バスティアン・ヴィヴェス特集:その2『ポリーナ』

■ポリーナ/バスティアン・ヴィヴェス 日本では2014年に刊行された『ポリーナ』はバレエ・コミックである。幼少よりバレエの才能に恵まれたロシア生まれの少女ポリーナが、厳格なバレエ教師との間で悩み葛藤し対立しながら、あるいは友人や恋人や協力者との…

バンドデシネ・アーチスト、バスティアン・ヴィヴェス特集:その1『年上のひと』

■年上のひと/バスティアン・ヴィヴェス バスティアン・ヴィヴェスといえば新進バンドデシネ・アーチストとしてかねてから注目を浴びる作家だが、オレは格闘ファンタジーコミック『ラストマン』でしか名前を知らなかった。で、それ以外の作品にも触れてみよ…

少年少女の夏休み/映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』

■スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム (監督:ジョン・ワッツ 2019年アメリカ映画) マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)作品『アベンジャーズ/エンドゲーム』、凄まじい作品でしたねえ。『インフィニティ・ウォー』のあのとんでもないラストを…