COMIC

最近読んだコミック:『九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー』『アンダーニンジャ (12) 』『男おいどん (1-6)』

九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー / 九井諒子 九井諒子ラクガキ本 デイドリーム・アワー (HARTA COMIX) 作者:九井 諒子 KADOKAWA Amazon 九井諒子が『ダンジョン飯』執筆中に描き溜めた同作品のショートコミック、イラスト、スケッチ、さらにデビュ…

諸星コミック最新作を始めとして最近読んだコミックあれこれ

諸星大二郎劇場 第5集 アリスとシェエラザード~仮面舞踏会~ / 諸星大二郎 諸星大二郎劇場 第5集 アリスとシェエラザード~仮面舞踏会~ (ビッグコミックススペシャル) 作者:諸星 大二郎 小学館 Amazon 「諸星大二郎劇場」は諸星氏の多彩な新作短編コミックを…

望月ミネタロウ作品その他最近読んだコミックあれこれ

没有漫画 没有人生(ノーコミック ノーライフ)(2) / 望月ミネタロウ 没有漫画 没有人生(2) (ビッグコミックススペシャル) 作者:望月ミネタロウ 小学館 Amazon 望月ミネタロウの”空想エッセイ漫画”『没有漫画 没有人生』第2巻。内容は作者と思しき漫画家…

2023年まとめ:今年面白かった本とコミック

【目次】 今年面白かった本 今年面白かった本まとめ 今年面白かったコミック 今年面白かったコミックまとめ 今年面白かった本 今年読んだ本は約70冊、だいたい5日に1冊のペースで読んでいたことになるでしょうか。なんだか前よりペースが上がっていて、年を…

最近読んだコミック:その2 『ROCA:吉川ロカ ストーリーライブ』その他

ROCA:吉川ロカ ストーリーライブ/いしいひさいち ROCA: 吉川ロカ ストーリーライブ 作者:いしいひさいち Amazon ポルトガルの国民歌謡「ファド」歌手を目指す天然女子高生と、その親友である乱暴者の同級生との友情を描く物語で、いしいひさいち氏が4コマ…

最近読んだコミックあれこれ:その1『ダンジョン飯 (13)(14)』『雨と君と(6)』

ダンジョン飯 (13)(14) (完結)/九井 諒子 ダンジョン飯 13巻 (HARTA COMIX) 作者:九井 諒子 KADOKAWA Amazon ダンジョン飯 14巻 (ハルタコミックス) 作者:九井 諒子 KADOKAWA Amazon 九井諒子のファンタジー&モンスターグルメコミック『ダンジョン飯』、1…

ワケノワカラナイフシギナ物体に満ち溢れたカオスでビザールでモンドなコミック/逆柱 いみり『New! ケキャール社顛末記』

New! ケキャール社顛末記/逆柱 いみり 日本の漫画界でも稀有の才能を持つ異能の漫画家・イラストレーターである逆柱いみりのコミック『New! ケキャール社顛末記』である。これは1999年に青林堂より出版されたコミック『ケキャール社顛末記』を新たに全編描…

バットマン誕生秘話を描くシリーズ2作:『バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街』『バットマン:ゼロイヤー 暗黒の街』

バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街 /スコット・スナイダー(著)、グレッグ・カプロ他(イラスト)、高木亮(訳) まだスーパーヒーローが世間に知られていない時代、ゴッサムシティの放蕩息子ブルース・ウェインは、数年間行方不明になっていた。だが、これは闇の…

『ベルセルク』第42巻を中心に最近読んだコミックなどなど

ベルセルク(42) / 原作:三浦健太郎 漫画:スタジオ我画 監修:森恒二 超弩級ダークファンタジー大河巨編『ベルセルク』の作者、三浦健太郎の死は衝撃的だった。そして作者亡き後、『ホーリーランド』作者であり三浦の大親友であった森恒二が監修、三浦のア…

従来的なバットマン像を刷新した「バットマン2.0」とも呼ぶべき物語/DCコミック『バットマン:カワードリー・ロット』

バットマン:カワードリー・ロット / ジェームズ・タイノンIV (著)、ホルヘ・ヒメネス (イラスト)、中沢俊介(訳) アーカム・アサイラムで襲撃事件が発生。 誰もがジョーカーの仕業だと思い込んだその背景には、死んだはずのスケアクロウが関係していた。 一…

14ヶ国のアーチストが描くバットマン・ストーリー/『バットマン:ザ・ワールド』

バットマン:ザ・ワールド / ブライアン・アザレロ・他(作)、リー・ベルメホ・他(画)、中沢 俊介(訳) 世界各国から選ばれた最高峰の作家陣が、自らの国を舞台にバットマンの過去、そして現在を語る画期的アンソロジー。日本からは、江戸を舞台にバット…

あまりにも凄惨なスーサイド・スクワッド・ストーリー/DCコミック『スーサイド・スクワッド:ゲット・ジョーカー!』

スーサイド・スクワッド:ゲット・ジョーカー! /ブライアン・アザレロ(著)、アレックス・マリーブ(イラスト)、吉川 悠(訳) 減刑を条件に政府の汚れ仕事を担う、犯罪者たちによる特殊部隊スーサイド・スクワッド。 同部隊の指揮官アマンダ・ウォーラーが、…

最近読んだコミックなどなど/『ドリフターズ (7)』が面白かったぞ

ドリフターズ (7)/平野 耕太 ドリフターズ(7) (ヤングキングコミックス) 作者:平野耕太 少年画報社 Amazon 平野耕太の『ドリフターズ』7巻が出たんですけどね。「いやちょっと待て出たのは嬉しいけど前巻からいったい何年空いたんだ?」と思って調べたら6巻…

悲痛な愛の物語 /DCコミック『バットマン:インポスター』

バットマン:インポスター / マットソン・トムリン (著)、アンドレア・ソレンティーノ (イラスト)、高木 亮 (訳) 自警活動を始めてから約一年経ち、ゴッサムシティの守護者としての地位を築きつつあるバットマン。 しかし、活動が目立つようになったことで…

最近読んだコミックなどなど(その2)

艮(うしとら)/山岸涼子 艮(うしとら) (モーニングコミックス) 作者:山岸凉子 講談社 Amazon 山岸涼子のこれまで単行本未収録だった短編4作を収めた短編集。表題作となる「艮(うしとら)」とは「鬼門」の意味で、”方角の悪い家”に住んでしまった女性が…

最近読んだコミックなどなど(その1)

プリニウス(12・完)/ ヤマザキマリ、とり・みき プリニウス 12巻(完) (バンチコミックス) 作者:ヤマザキマリ,とり・みき 新潮社 Amazon 『プリニウス』遂に最終巻。主人公ガイウス・プリニウス・セクンドゥスについてはコミック刊行時ざっと調べてはい…

望月ミネタロウの『没有漫画 没有人生(ノーコミック・ノーライフ)』を読んだ

没有漫画 没有人生(ノーコミック・ノーライフ)(1) / 望月ミネタロウ 望月ミネタロウはとても好きな漫画家で、作品は殆ど読んでいるのだが、時々どこが面白いのかまるで分らない作品を描く漫画家でもある。『バタアシ金魚』『お茶の間』『座敷女』『ド…

最近読んだコミックなどなど

ダニッチの怪(3) ラヴクラフト傑作集/田辺剛 ダニッチの怪 3 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス) 作者:田辺 剛 KADOKAWA Amazon ラヴクラフト作品を素晴らしいクオリティでコミカライズしている田辺剛のラブクラフト傑作集、その新刊は『ダニッチの怪』…

2人の女性の心の旅路/グラフィック・ノベル『are you listening? アー・ユー・リスニング』

are you listening? アー・ユー・リスニング / ティリー・ウォルデン (著)、三辺律子 (翻訳) アイズナー賞(ベストグラフィックアルバム賞 2020年)受賞作! 注目の作家 ティリー・ウォルデンが描く、トラウマと悲しみを乗り越えて旅をする2人の女性の物語…

ニール・ゲイマンのダークファンタジーコミック『サンドマン 序曲』を読んだ

サンドマン 序曲 /ニール・ゲイマン (原作)、J.H.ウィリアムズⅢ(画)、柳下毅一郎 (訳) サンドマンシリーズの前日譚。シリーズが終了した1996年から17年後の2013年に刊行された。6部構成で、銀河の誕生からドリーム(サンドマン)が魔術教団に捕らえられる…

チェコのコミック作品『ぺピーク・ストジェハの大冒険』が最高に素晴らしかった

ぺピーク・ストジェハの大冒険 /パヴェル・チェフ (著)、ジャン=ガスパール・パーレニーチェク、髙松美織 (訳) 同級生達から吃音をからかわれ、重い気持ちで学校生活を送っているペピーク・ストジェハ。 春が待ち遠しい冬のある日、彼は道端で青い小石を拾…

最近読んだコミックあれこれ

ダニッチの怪(1~2)ラヴクラフト傑作集/田辺剛 ダニッチの怪 1 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス) 作者:田辺 剛 KADOKAWA Amazon ダニッチの怪 2 ラヴクラフト傑作集 (ビームコミックス) 作者:田辺 剛 KADOKAWA Amazon 田辺剛の描くラブクラフト小説…

『マンガ家・つげ義春と調布』展に行ってきた

この間の土曜日は「調布市文化会館たづくり」で開催されていた『マンガ家・つげ義春と調布』展に行ってきました。 東京暮らしも長いですが調布に足を踏み入れたのはこれが初めて。新宿から京王線に乗って京王調布駅で下車しましたが、そもそも京王線に乗るの…

2022年まとめ:今年面白かったコミック

Photo by Boris Bučko on Unsplash 2022年まとめとして今回は「今年面白かったコミック」を紹介していきたいと思います。オレは週刊漫画を読まないので、今流行りの作品とかは全く疎いのですが、アレとかコレとかの話題作は一応入ってるかな?あとアメコミや…

最近読んだコミック/斎藤潤一郎の『武蔵野』とか

武蔵野/斎藤潤一郎 武蔵野 (torch comics) 作者:斎藤 潤一郎 リイド社 Amazon 『死都調布』『死都調布 南米紀行』『死都調布 ミステリーアメリカ』と、カラカラに乾ききった無情の世界をアバンギャルドに描き続けてきた斎藤潤一郎の新作はなんと「武蔵野紀…

アラン・ムーア版クトゥルー神話4部作の第2弾『プロビデンス Act1』

プロビデンス Act1 / アラン・ムーア (著)、ジェイセン・バロウズ (イラスト)、柳下毅一郎 (訳) 1919年、新聞記者ロバート・ブラックは自殺で友人を亡くしたショックを癒やすため、読んだ人を狂わせるという幻の奇書を求めてニューイングランドの地に旅立つ…

もしもH・P・ラヴクラフトがバットマンを描いたら?『バットマン:ゴッサムに到る運命』

バットマン:ゴッサムに到る運命 / マイク・ミニョーラ (著)、リチャード・ペイス (著)、トロイ・ニクシー (イラスト)、森瀬 繚 (訳) 時は1928年。世界各地を放浪していたブルース・ウェインは、行方不明になったゴッサム大学の遠征隊を捜索するため、南極の…

いがらしみきお作品を4作読んだ/『お猫見』『お人形の家 寿』『今日を歩く』『あなたのアソコを見せてください』

いがらしみきお作品を4作読んだ いがらしみきおの漫画は、ある時期のオレにとって聖典に近いものだった。それは誰もが知る大ヒット作『ぼのぼの』では決してなく、『ネ暗トピア』に代表される初期の、ルサンチマンとニヒリズムが全てを覆い尽くす暗黒の4コマ…

最近読んだコミックあれこれ

雨と君と(4) /二階堂 幸 雨と君と(4) (ヤングマガジンコミックス) 作者:二階堂幸 講談社 Amazon 雨の日に拾ったタヌキとどことなく気だるげな女子との心安らぐ日々。二階堂幸の『雨と君と』は凡百の動物漫画と一線を画す、静謐と孤独とが世界を覆う物語…

山野一の出産・育児コミック『大難産』がとても面白かった

大難産/山野 一 鬼畜漫画家・山野一が双子を授かって子育てに奮闘する様子を描いたコミック『そせじ』(そせじ=双生児の意味だろう)は山野一の漫画家人生を刷新する名著だったと思う。『そせじ』は電子出版のみで現在4巻まで描かれている。 この『大難産…