STORY

缶ビール小説 【2007年2月10日分再録】

目覚ましの音で目を覚ますと取りあえず朝の缶ビールを一個飲んだ。作業着に着替え、もう一個缶ビールを飲むと、自転車で十分ほどの場所にある職場に向かう。俺の職場は缶ビールのリングプルを作っている工場だ。タイムカードを押し、缶ビールを飲み、リング…

ホラー・ショートショート書いた

「食堂かたつむり」。薄暗くじめついたその店に知らずに来た客はここに閉じ込められたまま粘液が糸をひく粘液料理を無理矢理口に流し込まれる。逃げることは出来ない。何故なら全身の骨が溶けてしまった店主が軟体生物のように客に絡みつききつく締め付ける…

3つの願い

「こんなもんで願い事が叶う?どっかの糞宗教にでもかぶれたのかあの馬鹿?」俺はさっきまで部屋にいたかつての大学の知り合いの残していったものに眼を落しながらそう呟いた。その知り合いは文化人類学のフィールドワークとして環太平洋の島々を巡り、ボル…

邪神ポニョの啼く館

■ポニョの唄に隠された秘密 ポーニョポーニョポニョ♪魚の子!…という唄が頭から離れない。日中などはもはやヘビロテ、エンドレス状態である。そしてこの唄が頭で鳴っている時、心配もイライラも無くなってしまうんである。 ヤヴァイ。これはどう考えても洗脳…

最後のフモの惑星《フモの惑星・その6 完結篇》

昨日からの続きだ。「ぎゃはは。ここは地球だったのか。オレは帰って来ていたんだな」あまりにありがちな展開に気の抜けた笑いを交えながらオレは言った。だいたいこの後の展開といったら、喋る猿の群れに拉致監禁されたりとか、サイバーダイン社製ロボット…

渚にて 《フモの惑星・その5》

(音声記録:第4回目) 昨日からの続きです。 付近の探索も飽きたんで一回つづら型宇宙船の場所に戻った。もう一度鶏星人が言ったようにデカデンワのキーを押し「地球!」と喚いてみたがつづらはウンともスンとも言わない。出発地に戻ればいいじゃないか、と…

どこだか分かんないがどこまでも晴天なんだよッ! 《フモの惑星・その4》

(音声記録:第1回目) あっあー。テステス。取り合えず記録しておく。これでもチンピラブロガーの端くれだからな。なんでもネタにしてしまうのは悲しいサガってやつだ。最初に言うと、辿り着かなかった。地球に。いったいどこなんだここ?生き物とか全然い…

銀河暗黒帝国超時空記録#USGX-8810-B467、暗号名”ラブラブファイヤー事件”より、銀河暗黒武装親衛隊”やるやる隊”が暗黒皇帝閣下の下僕・犬・虫のフモを発見した際に収録した映像からの音声を抜粋 《フモの惑星・その3》

あーどうも。心配掛けてたみたいで。え?してない?昨日の日記のコメント?(昨日の日記を読んでいる)うっわー。みんなひでえこと言ってるなあ。いやーまあ、愛情の裏返しだということは分かっているけどね!みんなってば照れ屋さんなんだから!このぉーチ…

銀河は本日も晴天である 《フモの惑星・その2》

暗黒皇帝である。宇宙の何処かへと連れ去られた我が下僕・犬・虫のフモを捜索する為、オレ様はただちに銀河暗黒強襲宇宙艦隊を派遣し、下僕・犬・虫のフモを拉致したUFOの痕跡を追わせたのは昨日書いた通りである。そしてその発見された到着地は地球から遠く…

某日は晴天なり 《フモの惑星・その1》

某日。喫茶店に入り茶を飲んでいると隣の席に男が一人座った。奇妙に落ち着きがなくやたらきょろきょろしている。そしてオレの座っている席のテーブルに目を向けると「これ100万円するんですよね」などと言うではないか。なんだこいつは、と思って無視してい…

鼻毛

駅張りのポスターを何気なく見ていたら光線の具合でポスターの人に物凄い鼻毛が生えているように見えた。うふふ。鼻毛だ。鼻毛だぞ。うふふ。うふふふ。鼻毛だ鼻毛だ。うふふ。うふふふふ。鼻毛だ。鼻毛だ鼻毛だ。そしてオレはその場に立ち尽くし何分も何時…

オレ式アミューズメント人生 (後編)

(3) しかしそんな幸福も長くは続かなかった。オレの恩師である尾暮又市氏は実は長年に渡る覚せい剤ヒロポンの常習者だった。ヒロポン中毒が末期まで進行した尾暮氏は遂には幻覚を見るようになり、運命のその日「修行するぞ修行するぞ修行するぞ」「私はや…

オレ式アミューズメント人生 (前編)

(1) 巷には”理系””文系”がどうとかという議論があるのらしい。進学進路の違いということなのだろうか、進路というより退路ばかりを選び、まともな教育を受けておらず人間の文化や社会やマナーというものがあまりよく判っていない、いわゆる”地果て海落ち…

《屍肉のえじき》 (秋の食人賞フェア)

なんだか”食人”というお題でショートショートを書くのが流行っているらしい。という訳でオレもちょびっと書いてみる事にするから皆さんはお読みなさいよ。 ::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 《屍肉のえじき》 1. 「少佐、遂にゾンビから人類を救…