2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「自分は誰で、何に属するものなのか」という民族アイデンティティ〜映画『パプーシャの黒い瞳』

■パプーシャの黒い瞳 (監督:ヨアンナ・コス=クラウゼ/クシシュトフ・クラウゼ 2013年ポーランド映画) I. 「ジプシー」という言葉を初めて聞いたのはいつだったか、それは漫画や映画の中だったろうか。住む所を持たず、ヨーロッパの国々を馬車に乗って移…

世界26ヶ所の名だたる廃墟を収めた写真集『世界の廃墟』

■世界の廃墟 / 佐藤健寿 以前このブログで紹介した『バイコヌール宇宙基地の廃墟』を読んでからなんだか"廃墟の本"が気になり、あれこれ探したところ見つけたのがこの写真集『世界の廃墟』。監修者はベストセラーとなった『奇界遺産』を著した佐藤健寿。『奇…

バンドデシネ及びスペースオペラSFコミック不朽の名作『アンカル』が新装版となって発売されたのでまだ買ってない人は是非買うといいと思う。

■アンカル / アレハンドロ・ホドロフスキー、メビウス これを読まずしてSFは語れない。アレハンドロ・ホドロフスキーとメビウスによる、世界的ベストセラー『アンカル』。クローン手術を繰り返す大統領、ミュータント、異星人、殺し屋、階級間の争い、陰謀………

早川書房創立70周年記念コミックアンソロジーのSF篇とミステリ篇を読んだ。

赤と青のエクスタシー。早川書房が創立70周年だとかでコミックアンソロジー2冊を刊行したのである。『Comic S』『Comic M』というタイトルから判るように、一方は「サディズム篇」、もう一方は「マゾヒズム篇」である。内容は『SMスナイパー』も真ッ青なムチ…

ひたすら圧倒的な映像美を堪能できる映像ドキュメンタリー作品2作〜映画『Baraka』『Samsara』

■Baraka (監督:ロン・フリック 1993年アメリカ映画)/ Samsara (監督:ロン・フリック 2011年アメリカ映画) 映画『Baraka(日本公開タイトル『バラカ〜地球と人類の詩』)』と『Samsara』は映像ドキュメンタリー作品だ。監督を勤めたロン・フリックはかつ…

大腸の内視鏡検査した。

※注意:病院と大腸と排泄物絡みのビロウな話満載ですのでシモとキチャナイ話の苦手な方はご注意を。 さてこの間の1月18日月曜日は以前やった人間ドックで再検査が出たのでそれに行ってきたのである。内容は検便時に潜血が見つかったので大腸の内視鏡検査をす…

SF・ドロドロヌチョヌチョのウンゲロ惑星!〜映画『神々のたそがれ』

■神々のたそがれ (監督:アレクセイ・ゲルマン 2013年ロシア映画) 去年結構話題になっていたのだが観る機会のなかったロシア映画『神々のたそがれ』をやっと観た。でまあ率直な感想を言わせてもらうと…なんてババッチイ映画なんだ!?実はこれ、一応SFなん…

京極夏彦の『ヒトでなし 金剛界の章』を読んだ。

■ヒトでなし 金剛界の章 / 京極夏彦 理屈も倫理も因果も呑み込む。この書は、「ヒトでなし」の「ヒトでなし」による「ヒトでなし」のための経典である――。娘を亡くし、職も失い、妻にも捨てられた。俺は、ヒトでなしなんだそうだ――。そう呟く男のもとに、一…

最近聴いたエレクトロニック・ミュージックその他

■From My Mind To Yours / Richie Hawtin From my mind to yoursアーティスト: RICHIE HAWTIN (PLASTIKMAN / F.U.S.E.ほか)出版社/メーカー: PLUS 8発売日: 2015/12/19メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見るミニマル・テクノ皇帝Richie Hawtinが自…

放擲されたソ連宇宙計画の残骸〜『バイコヌール宇宙基地の廃墟』

■バイコヌール宇宙基地の廃墟 / ラルフ・ミレーブズ バイコヌール宇宙基地はカザフスタンに存在するロシア連邦宇宙局の管理するロケット発射場である。その広大な敷地の片隅に、半ば廃墟と化したロケット格納庫と関連施設が佇んでいる。そこには、冷戦時代の…

それはしつこく追いかけてくる!〜映画『イット・フォローズ』

■イット・フォローズ (監督:デヴィッド・ロバート・ミッチェル 2014年アメリカ映画) 『イット・フォローズ』観てきました。少年の頃からギャングに憧れ、その仲間入りを果たした一人の男の半生を描いた物語なんですが、J・ペシがいい味出してましたね。 …

絢爛たる映像に包まれたバンサーリ監督による歴史映画大作『Bajirao Mastani』

■Bajirao Mastani (監督:サンジャイ・リーラー・バンサーリ 2015年インド映画) ■インドで公開ホヤホヤの『Bajirao Mastani』を日本で観られる! 映画『Bajirao Mastani』は『銃弾の饗宴:ラームとリーラ』のサンジャイ・リーラー・バンサーリ監督、同作品…

コミック版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は想像以上にスゴイ完成度なのでファンならとりあえず買っとくべし

■マッドマックス 怒りのデス・ロード:COMICS & INSPIRED ARTISTS 映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード(以下「MMFR」)』のコミックが出るらしい、と聞いた時は「どうっしよっかなー」程度に思っていたのである。最初このコミック版『MMFR』は映画ヒッ…

『Fallout 4』と『Rise Of The Tomb Raider』をプレイしている。そしてどちらを優先すべきか迷っている。

■Fallout 4 各地で絶大な人気を誇るポストアポカリプスRPG「Fallout」シリーズ新作、『Fallout 4』が去年の暮れ発売されたので、年末進行だったにも関わらず血反吐吐きながら購入しプレイしたのである。まあ実の所年末進行とは名ばかりであり「デスマーチ」…

幽霊屋敷を舞台にしたデル・トロならではのゴシック・ホラー・ストーリー〜映画『クリムゾン・ピーク』

■クリムゾン・ピーク (監督:ギレルモ・デル・トロ 2015年アメリカ映画) 今の若い方だとギレルモ・デル・トロといえば『パシフィック・リム』の監督ということになるのだろうが、オレのようなロートル映画ファンにとっては『パンズ・ラビリンス』や『ヘル…

ボウイ逝去

ボウイが亡くなったらしい。日付は1月10日、18ヶ月に渡る癌との闘病生活の未だったようだ。1月8日に誕生日を迎え、それと同時にニュー・アルバム『Blackstar』をリリースしたばかりだった。 思えば、ラスト・アルバムとなったこのアルバムは、ボウイの置き…

お正月の反省

というわけでお正月も終わり、オレがInstagramでちまちまと載せている写真やら載せていない写真やらを並べながらお正月の反省などをしてみたいと思います。ちなみにオレのInstagramはここなのでフォローされたい方は御自由に。 12月30日 この日で仕事納め。…

お正月恒例・伊豆シャボテン公園カピバラ詣り

1月2日は相方さんと二人連れ立って、伊東にある伊豆シャボテン公園へお正月恒例のカピバラ詣でに出掛けてきました。 入り口ではシャボテン野郎がお出迎え。 伊豆シャボのお正月といえばなんといっても【元祖カピバラ温泉】!この日も大人気で黒山の人だかり…

失脚した独裁者とその孫との逃避行〜映画『独裁者と小さな孫』

■独裁者と小さな孫 (監督:モフセン・マフマルバフ 2014年グルジア/フランス/イギリス/ドイツ映画) 『独裁者と小さな孫』はクーデターにより失墜した独裁者と、彼の連れた小さな孫との逃避行を描いたドラマである。舞台は東欧と思われる架空の国、そこに人…

アイスランド発、羊をめぐる冒険(?)〜映画『ひつじ村の兄弟』

■ひつじ村の兄弟 (監督:グリームル・ハゥコーナルソン 2015年アイスランド/デンマーク映画) 遠い遠いアイスランドの国の、人里離れたある村に、二人の年老いた兄弟がおったんじゃ。兄の名はキディー(テオドル・ユーリウソン)、弟の名はグミー(シグルヅル…

ヒップホップ・グループ、N.W.A.の物語〜映画『ストレイト・アウタ・コンプトン』

■ストレイト・アウタ・コンプトン (監督:F・ゲイリー・グレイ 2015年アメリカ映画) オレはヒップホップという音楽ジャンルに関してはなんとなくザラッと聴いた程度の人間である。幾つかのアーチストの名前はうっすらと知ってはいるが、実質的には何も知ら…

銀河暗黒皇帝より新年のあいさつ

新年が明けた。 今年も完膚無きまでに侵略する。 ---銀河暗黒皇帝 銀河暗黒歴 20016年 元旦