2022-07-01から1ヶ月間の記事一覧

フランス文学探訪:その15/サルトル『嘔吐』

嘔吐 / J‐P・サルトル (著)、鈴木 道彦 (訳) 嘔吐 新訳 作者:J‐P・サルトル 人文書院 Amazon 港町ブーヴィル。ロカンタンを突然襲う吐き気の意味とは…。一冊の日記に綴られた孤独な男のモノローグ。60年ぶり待望の新訳。存在の真実を探る冒険譚。 『嘔吐…

最近聴いたエレクトロニック・ダンス・ミュージックなどなど

Kraftwerk Remixes / Kraftwerk REMIXES アーティスト:KRAFTWERK PARLOPHONE Amazon 2003年のアルバム『ツール・ド・フランス』以降新作は全然発表していないクラフトワークだが、その後はライヴアルバムやらリマスターアルバムなどいわゆる「集大成」として…

最近読んだコミックなどなど

ゴールデンカムイ(31)/野田サトル ゴールデンカムイ 31 (ヤングジャンプコミックス) 作者:野田 サトル 集英社 Amazon 明治末期の北海道と樺太を舞台に、「アイヌ民族の隠した大量の黄金の謎」を巡って巻き起こる血で血を洗う抗争の行方を描く”闇鍋ウェスタ…

アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟監督によるNetflix映画『グレイマン』が面白過ぎた!

グレイマン (監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ 2022年アメリカ映画) 『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー&エンドゲーム』を撮ったアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟がネトフリ映画を手掛ける!というアクションスリラー『グレイマン』です。…

町田市立国際版画美術館『長谷川潔 1891-1980展 ー日常にひそむ神秘ー』を観に行った

ART

先日は町田市立国際版画美術館に『長谷川潔 1891-1980展 ー日常にひそむ神秘ー 展』を観に行きました。長谷川潔、実は全然知らないアーチストだったんですが、Webで見た版画があまりにオレ好みだったので「これは是非見に行かねば」ととても楽しみにしていた…

『三体』三部作スピンオフ作品『三体X』が『三体』並みに凄すぎた!

三体X 観想之宙 / 宝樹 (著)、大森 望 (訳)、光吉 さくら (訳)、ワン チャイ (訳) アジアに初めてヒューゴー賞をもたらし、世界で2900万部、日本でも63万部を売り上げた『三体』三部作を、劉慈欣を敬愛する中国新世代のSF作家・宝樹が受け継いだ。謎のすべ…

フランス文学探訪:その14/『フランス名詩選』

フランス名詩選/安藤 元雄(編)、渋沢 孝輔(編)、入沢 康夫(編) フランス名詩選 (岩波文庫) 岩波書店 Amazon 15世紀のヴィヨンから,19世紀のボードレール,マラルメ,ヴェルレーヌ,ランボー,さらにジャム,ヴァレリー,アポリネール,そして現代に続くブ…

籠城アクション『炎のデス・ポリス』はなんだか食い足りない作品だったなあ。

炎のデス・ポリス (監督:ジョー・カーナハン 2021年アメリカ映画) 「今宵小さなポリス・ステーションに悪党たちが大集合!」という謳い文句のサバイバル・アクション映画『炎のデス・ポリス』です。いやーなかなかにアホアホなタイトルですね。アホアホな…

クーデターの中で巻き起こる南北朝鮮大使館員たちのドラマ/映画『モガディシュ 脱出までの14日間』

モガディシュ 脱出までの14日間(監督:リュ・スンワン 2021年韓国映画) 映画『モガディシュ 脱出までの14日間』は1990年にソマリアで勃発したクーデターを描く実話作品なんですね。かの国に駐留していた韓国大使館員にも命の危険が迫りますが、本国との連…

国立新美術館『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』を観に行った

ART

この間は六本木にある国立新美術館へ『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』を観に行きました。 《展覧会概要》ドイツ第4の都市、ケルン市が運営するルートヴィヒ美術館は、20世紀から現代までに特化した世界有数の美術…

ニール・ブロムカンプ監督によるサイバーホラー映画『デモニック』

デモニック (監督:ニール・ブロムカンプ 2021年カナダ映画) ニール・ブロムカンプといえば『第9地区』『エリジウム』『チャッピー』といった独特の世界観を持つSF作品を世に送り出し、一世を風靡した監督である。しかし最近ではYouTubeあたりで実験的な短編S…

ワイン作りにこだわり続ける農業生産者の矜持/バンドデシネ『ワイン知らず、マンガ知らず』

ワイン知らず、マンガ知らず/エティエンヌ・ダヴォドー (著)、大西愛子 (訳)、京藤好男 (監修) フランス北西部のロワール地方。ワイン造りに興味を持った漫画家のエティエンヌ・ダヴォドーは、ワイン生産者のリシャール・ルロワに、一年間の密着取材を依頼…

フランス文学探訪:その13/ラシーヌ 『フェードル、アンドロマック』

フェードル、アンドロマック / ジャン・ラシーヌ (著)、 渡辺 守章(訳) フェードル アンドロマック (岩波文庫) 作者:ジャン ラシーヌ 岩波書店 Amazon 恋の女神ヴェニュスの呪いを受け,義理の息子イポリットに禁断の恋を抱くアテネの女王が,自らの恋を悪…

愛と稲妻!/映画『ソー:ラブ&サンダー』

ソー:ラブ&サンダー (監督:タイカ・ワイティティ 2022年アメリカ映画) オレとマイティ・ソー オレはMCU映画の中でもマイティ・ソーのキャラ、さらにその映画シリーズが一番好きですね。マッチョで単細胞で時にコミカルなキャラ、それとは裏腹にMCUの中…

暗い現実世界と熾烈な幻想世界を交互に行き来するダークファンタジー映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』

ゴッドスレイヤー 神殺しの剣 (監督:ルー・ヤン 2021年中国映画) 誘拐された幼い娘を何年も探し続けている男がいた。彼の名はグアン・ニン。そんな彼にある巨大企業CEOが近付き、娘を見つける代わりにある男を殺してくれと依頼する。標的となるのは無名の…

フランス文学探訪:その12/ ルソー『孤独な散歩者の夢想』

孤独な散歩者の夢想 / ルソー(著)、永田 千奈(訳) 孤独な散歩者の夢想 (光文社古典新訳文庫) 作者:ルソー 光文社 Amazon 晩年、孤独を強いられたルソーが、日々の散歩のなかで浮かび上がる想念や印象をもとに、自らの生涯を省みながら自己との対話を綴った…

著名グラフィック・ノベル作家のイケテナイ日々/『長距離漫画家の孤独』

長距離漫画家の孤独 / エイドリアン・トミネ(作)、長澤あかね(訳) 洗練されたグラフィック・ノヴェルと「ニューヨーカー」誌のカバーで知られ、代表作『サマーブロンド』『キリング・アンド・ダイング』が映画化(ジャック・オディアール監督『パリ13区』4…

キング・オブ・ロックンロール、エルヴィス・プレスリーの半生を鮮烈に描く音楽映画『エルヴィス』

エルヴィス (監督:バズ・ラーマン 2022年アメリカ映画) 【目次】 オレとバズ・ラーマン、そしてエルヴィス・プレスリー 不世出の大スター、エルヴィス・プレスリーの光と影 キング・オブ・ロックンロール ”トム・パーカー大佐” アンチェインド・メロディ …

ロックよもやま話:オレと初期ブライアン・イーノ

初期のブライアン・イーノ 『ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ』(1974年) 『テイキング・タイガー・マウンテン』(1974年) 『アナザー・グリーン・ワールド』(1975年) 『ディスクリート・ミュージック』(1975年) 『ビフォア・アンド・アフター・サイエンス…