2024-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ロックよもやま話:オレ的ボウイ・アルバム ベストテン!

「ロックよもやま話」と題して60過ぎのじじいであるオレがロックに関する大昔の思い出話でお茶を濁すというたわけた記事を書いてきたのだが、実は既にネタ切れである。ネタが無ければ書かなければいいのだが、そもそもブログ記事自体がネタ切れである。万事…

カポーティの中短編集『ティファニーで朝食を』を読んだ

ティファニーで朝食を / トルーマン・カポーティ(著)、村上春樹(翻訳) 第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆…

【積ゲー消化】にゃんこ徘徊ゲーム『Stray』をクリアした

Stray (PS5,PS4,Xbox One,Xbox Series X/S,PC,Mac) 【STORY】怪我をし、ひとりぼっちになってしまった一匹の迷い猫。忘れ去られた都市から脱出するため、古代の謎を解く。 『Stray』の舞台は細部まで緻密に描写された衰退したサイバーシティ。プレイヤーは…

アフロフューチャリズムな音楽映画『サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス』

サン・ラーのスペース・イズ・ザ・プレイス(監督:ジョン・コニー 1974年アメリカ映画) サン・ラーというミュージシャンの名前はなんとなく聞いたことがあったが、音楽自体には触れたことはない。なんか怪しすぎて。しかし遠巻きに眺めていても恐ろしくデ…

スタニスワフ・レムの架空評論集『完全なる真空』を読んだ

完全な真空 / スタニスワフ・レム (著), 沼野充義・工藤幸雄・長谷見一雄 (訳) 「実在しない書物の書評を書くということは、レム氏の発明ではありません」。ゲーム理論を援用して宇宙の創造と成長を論じるノーベル賞受賞者の講演「新しい宇宙創造説」のほか…

半年でジャズCDを130枚余り購入して聴き狂っていた

去年の暮れ、突然ジャズに目覚めた 去年の暮れだろうか、オレは突然ジャズに目覚め、6月の今日この日になるまでずっとジャズばかり聴いている。というか、ジャズしか聴けない耳になってしまった。この間、ネットに出回っている「ジャズ・ベスト100」「お勧め…

ボルヘスの後期作品集『ブロディーの報告書』を読んだ

ブロディーの報告書 / J.L.ボルヘス (著), 鼓 直 (訳) 「鬼面ひとを脅かすようなバロック的なスタイルは捨て……やっと自分の声を見いだしえた」ボルヘス後期の代表作.未開部族ヤフー族の世界をラテン語で記した宣教師の手記の翻訳という構えの表題作のほ…

再検査でスーパー銭湯でビールだった

4月にやった会社の健康診断の結果が届いたのだが、尿糖が基準値より高かったため、再検査を受けることにした。 そもそも最近、どうも体がダルく頭も重く、やる気が出ない。おまけに足が攣り気味で、痺れもある。うーむ糖尿病や肝炎とかじゃないだろうなあ、…

ロマン・ポランスキーのデビュー作『水の中のナイフ』を観た。

水の中のナイフ (監督:ロマン・ポランスキー 1962年ポーランド映画) ロマン・ポランスキーは好きな監督だ。ポランスキー作品はどれも不穏さと疑心暗鬼に満ちており、どこに連れていかれるのか分からない不気味さが常に横溢し、そこに心が揺さぶられてしま…

町田市立国際版画美術館『幻想のフラヌール―版画家たちの夢・現・幻』展を観に行った

この間のお休みは町田市立国際版画美術館で開催されている『幻想のフラヌール―版画家たちの夢・現・幻』展を見に行ってました。町田市立国際版画美術館はその名の通り版画専門の美術館ですが、以前別の美術展(『長谷川潔 1891-1980展 ー日常にひそむ神秘ー …

スティーヴン・キング最新作『死者は嘘をつかない』を読んだ

死者は嘘をつかない /スティーヴン キング (著), 土屋 晃 (翻訳) ジェイミーは物心ついた頃から死者の霊を見ることができた。死者の世界にはいくつかの決まりがある。死者は死を迎えた場所の近くに、死んだときの姿で現れる。長くても数日で、次第に薄れ消…

『穏やかな死者たち シャーリイ・ジャクスン・トリビュート』を読んだ。

穏やかな死者たち シャーリイ・ジャクスン・トリビュート / ケリー・リンク、ジョイス・キャロル・オーツ(他)、エレン・ダトロウ(編)、渡辺庸子、市田泉 他(訳) 『丘の屋敷』『ずっとお城で暮らしてる』『処刑人』「くじ」など数々の名作を遺した鬼才…

幽霊屋敷ホラーの古典的名作、シャーリイ・ジャクスンの『丘の屋敷』を読んだ

丘の屋敷 /シャーリイ・ジャクスン (著), 渡辺 庸子 (翻訳) 幽霊屋敷と噂される〈丘の屋敷〉。心霊学者モンタギュー博士は三人の協力者を呼び集め、調査を開始した。迷宮のように入り組み、彼らの眼前に怪異を繰り広げる〈屋敷〉。そして、一冊の手稿がその…

ウエルベックさん、ご災難!?/ミシェル・ウエルベック著『わが人生の数か月 2022年10月-2023年3月』

わが人生の数か月 2022年10月-2023年3月 /ミシェル・ウエルベック (著), 木内 尭 (翻訳) 「私が本当に地獄に落ちたのは、一月三十一日、パリに戻ってからだった」。イスラム嫌悪の諍いの裏で、ポルノ映像出演という最悪の事態に見舞われた著者が赤裸々に描…

生きる理由、生きる意志。/映画『マッドマックス:フュリオサ』

マッドマックス:フュリオサ (監督:ジョージ・ミラー 2024年アメリカ映画) 映画『マッドマックス:フュリオサ』は荒廃した世界で巻き起こるウルトラバイオレンスを描いたジョージ・ミラー監督作『マッドマックス』サーガの第5弾である。前作『マッドマッ…