ロックよもやま話:オレ的ボウイ・アルバム ベストテン!

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「ロックよもやま話」と題して60過ぎのじじいであるオレがロックに関する大昔の思い出話でお茶を濁すというたわけた記事を書いてきたのだが、実は既にネタ切れである。ネタが無ければ書かなければいいのだが、そもそもブログ記事自体がネタ切れである。万事休すである。

という訳で困った時のボウイ頼み、ということで、今回はデヴィッド・ボウイの記事をなにがしかひねり出そうかと思ったのである。オレとボウイ。オレが初めて買ったロック・アルバムはデヴィッド・ボウイの『ダイヤモンドの犬』だった。あれは14歳か15歳の頃だったろうか。当時からSF好きだったオレは「ジョージ・オーウェルディストピア小説1984年』をロック化したアルバムがある」と知り、いそいそとそのアルバムを買ってみたのである。

そしてあれから今日に至るまで、オレは40年以上ボウイのファンを続けてきたのである。そんな間にも本人が亡くなっちゃう、というショッキングな出来事もあったが。その長年ボウイ・ファンを続け、ボウイの全てのアルバムを聴いたオレによる、オレ的ボウイアルバム・ベストテンというヤツを、今回作成してみようかと思ったのだ。

ただしここで一言付け加えておくと、ボウイがバンドを組んじゃった「ティン・マシーン」だけは、オレはどのアルバムも聴いていない。そのうち聴くのだろうが、なぜか興味が湧かない。だからそういったベストテンだと思ってもらいたい。また、オレのようなひねくれた人間の作ったベストテンなので、かなり偏っていることをご了承願いたい。なおランキングはカウントダウン形式で行うことにした。ではサクサク行ってみよう!

第10位:ダイヤモンドの犬

やはり「1番最初に聴いたボウイ・アルバム」としての思い入れが強い。あとアルバムジャケットがボウイアルバムの中でも最高にキモいこともベストテン入りした理由でもある。

第9位:スぺイス・オディティ [2019 Mix]

ボウイ2枚目のアルバム『スペース・オディティ』を盟友トニー・ヴィスコンティがボウイの死後となる2019年にミックスし直したアルバム。このアルバムの特異な点は、単なるリマスターではなく、ヴィスコンティが再解釈した形で『スペース・オディティ』を蘇らせた音になっているという部分。そしてこれが様々な部分でオリジナルと違う印象のMixとなっており、大いに驚かされた。

第8位:レッツ・ダンス

ボウイがメジャー入りしたアルバムで、大ヒットもしたのだけれども、当時これを聴いたオレは結構複雑な心境で、否定的でもあった。でも今聴くと、やはり楽曲が粒ぞろいでスゴイ。そしてこのアルバムを引っ提げて行ったワールド・ツアー「シリアス・ムーンライト」の日本公演は、オレの唯一目撃したボウイのライブとなった。

第7位:ハンキー・ドリー

ボウイのアルバムの中では結構地味なのだが、にも関わらずボウイを知るうえで重要な曲や名曲が粒揃いなのだ。特に「火星の生活」はボウイソングの中でもベスト中のベストだろう。

第6位:スケアリー・モンスターズ

ロバート・フリップの轟音プログレ・ハードロック・ギターが爽快極まりないアルバムだ。それぞれの楽曲も歪みまくった音で構成されていて楽しい。変な日本語が飛び出すところも忘れ難い。

第5位:ジギー・スターダスト

ボウイの最高傑作と評される『ジギー・スターダスト』がなんと5位だってぇッ!?もちろん全編一切の隙の無い完璧なアルバムなのだが、この隙の無さがちょっとオレには味気なかったのだ。ボウイはちょっとイビツなぐらいが丁度いいと思っているのだ。そういった意味ではこの時期のライブ・アルバム『ジギー・スターダスト・ザ・ モーション・ピクチャー』のほうがそのハードロック的展開の部分で好きなぐらいだ。否定的な書き方をしてしまったが、最高傑作なのは間違いないよ!

第4位:アラディン・セイン

そして『ジギー・スターダスト』を押さえて4位にランキングしたのは『アラディン・セイン』である。なにしろこのアルバム、アブストラクトなピアノがいい。そして全体的に神経症的で歪んだ音を出しているところがいい。この不安定さがオレにとってのボウイなんだと思う。

第3位:ヒーローズ

ベルリン3部作。壁崩壊前の1977年にベルリンで録音されリリースされたこのアルバムには、当時のかの地の暗さ・重さ・寒々しさがそのまま真空パックされたかのような緊張感に満ちていて、実に異様な作品として完成している。のたうつようなシンセサイザー、ひたすらヘヴィーなエレキギター、歪んだボウイのヴォーカル、どれも悪夢っぽくて最高。

第2位:ロウ

ベルリン3部作。このアルバムでは『ヒーローズ』以上に歪みまくった音が鳴らされており、楽曲はどれも2.3分の短く性急なもので、どの曲も強迫神経症のように切羽詰まった異様な構成になっている。共演したブライアン・イーノの実験的な手腕も相当加味されているのだろう。アルバム後半のシンセサイザーのみのインスト作は絶望的な美しさに溢れていて、初めてこのアルバムを聴いた10代の頃のオレの心象風景にまでになっていた。ロック・アルバムとしてだけではなく、エレクトリック・ミュージックとしても重要な作品だろう。あと、アルバムジャケットがまたいいんだ。

第1位:ステイション・トゥ・ステイション

はい、そして栄えある1位は『ステイション・トゥ・ステイション』です。ホントに好きなんですこのアルバム。好きすぎてレコード盤の他にCD3枚持ってます(下の写真参照)。まずなんといってもタイトル曲「ステイション・トゥ・ステイション」の凄まじさだろう。10分18秒というボウイ曲最長の長さを誇るこの曲は、クラフトワークの『ヨーロッパ特急』に影響を与えたのではないかと思わされる永劫回帰的なリズムとメロディに彩られ、歌詞と併せて永遠に続くかのような甘美な時間によって満たされている。これをしてニーチェ的と言いたいところだが残念ながらオレはニーチェを読んだことが無い。ボウイのヴォーカルはボウイ史上最高の艶っぽさ、カルロス・アルマ―の硬質で乾いたギターがまた心地よくてグルーヴ感もバッチリ、全6曲というタイトさも全体をキレのいいものにし、もうオレにとってのボウイNo1アルバムなのでありますよ。異論は認めぬ!

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