2023-08-01から1ヶ月間の記事一覧

スティーヴン・キング編集による航空ホラー・アンソロジー『死んだら飛べる』

死んだら飛べる/スティーヴン・キング&ベヴ・ヴィンセント (編集)、白石 朗・他 (訳) あなたはその飛行機と呼ばれる、柩のような金属とプラスチックのチューブが安全だと信じているのか? このアンソロジーを読めば考えが変わるかもしれない。 ひとたび機上…

パゾリーニ監督作『奇跡の丘』を観た

奇跡の丘 (監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ 1964年イタリア・フランス映画) 前回の『ソドムの市』に引き続きもう1作パゾリーニの作品を観ることにしてみた。タイトルは『奇跡の丘』、1964年に公開されたパゾリーニの長編第3作目の作品となる。物語は新約…

パゾリーニ監督の問題作『ソドムの市』を観た

ソドムの市 (監督:ピエル・パオロ・パゾリーニ 1975年イタリア・フランス映画) 1975年に謎の死を遂げたイタリアの映画監督ピエル・パオロ・パゾリーニの、その死の直後に公開された問題作『ソドムの市』である。マルキ・ド・サドの『ソドム百二十日 ある…

一ヶ月主夫の思わぬ顛末

Unsplash/Todd Quackenbush 今度は一ヶ月半主夫の予定だった。 7月の終わりから9月頭まで一ヶ月半ほど、横浜に住んでいる相方が東京のオレのアパートに寝泊まりすることになっていた。相方は建築関係の仕事をしており、いつもは神奈川県のあちこちの現場を拠…

しがないバイト生活してたら「キツイけどいい仕事あるからしてみない?」と誘われて行ってみると異世界で怪獣の世話をする仕事だった!?/SF長編小説『怪獣保護協会』

怪獣保護協会 / ジョン・スコルジー (著), 内田 昌之 (訳) 映画のゴジラは、並行宇宙の地球〈怪獣惑星〉からこちらの地球にやってきた巨大怪獣がモデルだった! ジェイミーはひょんなことから〈怪獣保護協会〉の一員となり、もうひとつの地球でこの怪獣たち…

マヌルネコ本2冊:『マヌルネコ15の秘密』『わたしはかわいいマヌルネコ』

オレは「世界最古の猫」と呼ばれるマヌルネコのことが大好きで、日本国内では数か所しかないマヌルネコの飼われている動物園を回ったり、部屋のカレンダーはマヌルネコだし冷蔵庫のマグネットはマヌルネコだしガラスケースに入っているフィギュアもマヌルネ…

最近読んだコミックなどなど/『ドリフターズ (7)』が面白かったぞ

ドリフターズ (7)/平野 耕太 ドリフターズ(7) (ヤングキングコミックス) 作者:平野耕太 少年画報社 Amazon 平野耕太の『ドリフターズ』7巻が出たんですけどね。「いやちょっと待て出たのは嬉しいけど前巻からいったい何年空いたんだ?」と思って調べたら6巻…

眼鏡新調した

ひと月ほど前に眼鏡を新調した。老化なのかなんなのか以前より目が見え難くなってきており、それまで使っていた眼鏡だとあれこれぼやけて見えるのである。日常生活には支障ないが、本を読むときにシンドイ。ブログを調べると以前の眼鏡を購入したのが2019年…

観念への肉体性の反逆/映画『クライムズ・オブ・ザ・フューチャー』

クライムズ・オブ・ザ・フューチャー (監督:デビッド・クローネンバーグ 2022年カナダ・ギリシャ映画) オレにとってデビッド・クローネンバーグは別格の映画監督の一人である。なにしろ1985年に日本公開された『ビデオドローム』が衝撃的だった。当時単館…

悲痛な愛の物語 /DCコミック『バットマン:インポスター』

バットマン:インポスター / マットソン・トムリン (著)、アンドレア・ソレンティーノ (イラスト)、高木 亮 (訳) 自警活動を始めてから約一年経ち、ゴッサムシティの守護者としての地位を築きつつあるバットマン。 しかし、活動が目立つようになったことで…

最近ダラ観したDVDやら配信やら

『ハート・オブ・ストーン』 ハート・オブ・ストーン(Netflix映画)(監督:トム・ハーパー 2023年アメリカ映画) うおおおガル・ガドット主演のネトフリアクション映画『ハート・オブ・ストーン』を観たがネトフリ映画らしからぬ素晴らしい出来でびっくり…

実在した破戒修道女を描く愛と闘争の物語/映画『ベネデッタ』

ベネデッタ (監督:ポール・バーホーベン 2021年フランス映画) 映画監督ポール・バーホーベンといえば『ロボコップ』『トータル・リコール』『スターシップ・トゥルーパーズ』といったSF作品で有名だが、『氷の微笑み』や『ブラック・ブック』といったエグ…

タランティーノ映画の軌跡を追うドキュメンタリー作品『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』

クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男 (監督:タラ・ウッド 2019年アメリカ映画) このブログでも何度か書いているがオレはクエンティン・タランティーノ作品が大のお気に入りである。この間はタランティーノ映画『ワンス・アポン・ア・タイム・…

世界の合言葉はピンク/映画『バービー』

バービー(監督:グレタ・ガーウィグ 2023年アメリカ映画) オレとドール 実はオレにはかつてドール=人形を集める趣味があった。フィギュアではなく着せ替え人形のドールである。着せ替え人形と言ってもタカラトミーから販売されているリカちゃん人形ではな…

子供たちだけが生き残った地球/劉慈欣のデビュー作『超新星紀元』を読んだ

超新星紀元 /劉慈欣(著)、大森望(訳)、光吉さくら(訳)、ワン チャイ(訳) 1999年末、超新星爆発によって発生した放射線バーストが地球に降り注ぎ、人類に壊滅的な被害をもたらす。一年後に十三歳以上の大人すべてが死にいたることが判明したのだ。“超新星紀…

『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Volume 3』はGoGシリーズの苦手なオレでも面白かった。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:Volume 3 (監督:ジェームズ・ガン 2023年アメリカ映画) 【物語】アベンジャーズの一員としてサノスを倒し、世界を救ったものの、最愛の恋人ガモーラを失ったショックから立ち直れないスター・ロードことピーター・ク…

ニコケイがニコケイを演じるニコケイ映画『マッシブ・タレント』

マッシブ・タレント (監督:トム・ゴーミカン 2022年アメリカ映画) おいおいおいなんだよこれ最高じゃないか。アカデミー脚本賞をあげてもいいぐらいに神技的なシナリオじゃないか。作品自体も奇跡のような完成度だ。そしてなにより主演のニコラス・ケイジ…

【ネタバレあり】映画『イノセンツ』は『童夢』だったッ!?

イノセンツ (監督:エスキル・フォクト 2021年ノルウェー・デンマーク・フィンランド・スウェーデン映画) 【今回の記事は結末に触れていますのでご注意ください】 「子供たちが超能力に目覚め、次第に恐ろしい力を行使してゆく」という北欧産サイキックス…

ちょっと小振りになったシリーズ新作『トランスフォーマー/ビースト覚醒』

トランスフォーマー/ビースト覚醒 (監督:スティーブン・ケイプル・Jr. 2023年アメリカ映画) 金属生命体トランスフォーマーが宇宙からやってきた悪の金属生命体軍団から地球を守るため熾烈な戦いを繰り広げる!というトランスフォーマー・シリーズの最新…

最近聴いたエレクトロニック・ミュージックその他はオススメだらけ

Laurent Garnier 33 Tours Et Puis S’en Vont / Laurent Garnier 33 Tours Et Puis S’en Vont COD3 QR Amazon オレがクラブ・シーンの中で最も敬愛するDJ/プロデューサーはローラン・ガルニエである。ローラン・ガルニエ、フランス生まれ、80年代後半からキ…

最近ダラ観した韓国映画

『鋼鉄の雨』 鋼鉄の雨(Netflix映画)(監督:ヤン・ウソク 2017年韓国映画) 北朝鮮でクーデターが勃発し将軍様が瀕死の重傷、さらに韓国に宣戦布告!!北の特殊工作員オムは将軍様の命を守るため共に韓国に極秘入国するが、クーデター軍はこれを執拗に追…

最近読んだ怪奇幻想不条理小説/『現代の地獄への旅』『青い蛇 (十六の不気味な物語) 』『モーリス・ルヴェル作品集』

現代の地獄への旅/ディーノ・ブッツァーティ (著)、長野 徹 (訳) 現代の地獄への旅 (ブッツァーティ短篇集) 作者:ブッツァーティ,ディーノ 東宣出版 Amazon ミラノ地下鉄の工事現場で見つかった地獄への扉。地獄界の調査に訪れたジャーナリストが見たものは…

5000日のサマー

ある日なにげなく自分のブログを確認していたら、ブログ投稿日数が5000日を超えている事に気が付いたのである。 ちなみに5000日あまりの投稿日数に対して投稿記事数が7715となっているのはちょっと変に思えるだろうが、ブログを始めた当時、1行程度の記事を…