Remixes / Kraftwerk
2003年のアルバム『ツール・ド・フランス』以降新作は全然発表していないクラフトワークだが、その後はライヴアルバムやらリマスターアルバムなどいわゆる「集大成」としてのバンドヒストリーの強化に務めているようだ。そんなクラフトワークの新しいアルバムはリミックス曲を集めた『REMIXES』である。リミックスアルバムとしては1991年にクラフトワーク自らリミックスした『The Mix』がリリースされているがそれとはベツモノで、EDMシーンで有名な様々なプロデューサーの手によるものとなる(クラフトワーク自身によるリミックスもあり)。そのメンツはというとフランソワ K、ウィリアム・オービット、エティエンヌ・ドゥ・クレシー、オービタル、アンダーグラウンド・レジスタンス、DJ ローランド、ホット・チップといったそうそうたる面々で、クラフトワークのEDM展開した曲が聴けるのだ。あの手この手の「クラフトワーク商法」といってしまえばそれまでだが、テクノミュージックの始祖ともいえる彼らの曲はどれも余さず聴かねばならないのがEDMファンの務めなのである。
Live in London Recorded at Fabric / John Digweed
コロナ禍はクラブシーンにも深刻な打撃を与えたが、徐々に規制も緩和され息を吹き返してきているようだ。この『John Digweed – Live In London』はディープハウス界ベテラン中のベテランJohn Digweedのプレイを2021年10月16日にUKの名門クラブFabricにおいてライブ録音されたもの(時折歓声が聞こえる)。CDだと4枚組全51曲、およそ4時間余りの至福のクラブミックスを聴くことができる。またアンミックス曲も含めたD/L版ではミックス曲含め11時間の大ボリューム、もちろんクオリティは最高、これはもう買いだろう。
Global Underground: Select #7/ V.A.
UKから毎回非常に手堅いDJ-Mixアルバムをリリースし続けるGlobal Undergloundの2022年最新ミックス。DJ名は不明だがD/L版ではContinuous Mixとして2曲トータル2時間半のミックスと全33曲4時間分のアンミックスが収録、実にフロアライクでカッコいいミックスが聴ける。Global UndergloundのDJ-Mixは結構間違いない。
Fabric presents Leon Vynehall / Leon Vynehall
UKの名門Fabricからの新DJ-Mixアルバムはポーツマス出身の新世代ディープハウサーLeon Vynehallによるもの。アンビエント、ヒップホップ、ブレイクビーツ、ダブなど、ボーダーレスでジャンル横断的なセレクトの曲をガシガシ繋げていくソリッドかつ痛快な1作。
Anjunadeep 13 / James Grant & Jody Wisternoff
「エモさだったら俺に任せろ」とばかりにとことんエモいトランス&ディープハウスをリリースし続けるAnjunabeatsレーベルの、そのエモさをさらに純粋培養したような生粋のエモハウスを聴かせるサブレーベルAnnjunadeepからのニューDJ-Mix。聞き込むほどに心をとろけさせメロメロにさせるエモ大爆発のミックスが聴ける。 ↓ のオフィシャル動画で2時間40分全曲聴けます。
Blomma / Minilogue
2013年にドイツの老舗レーベルCocoonからリリースされたBlommaの2枚組アルバム。20分に渡る長大なプログレッシヴ・テクノ「Everything Is All You've Got」を含めディープ極まりないダンスチューンを展開するCD1、45分に渡る「E De Nan Hemma?」を含むアンビエント・サウンドを聴かせるCD2、といったコンセプチュアルなアルバムとなっている。
Monument / Portico Quartet
あのHania Raniを擁するUKの先鋭ジャズ・レーベルGondwana Recordsから2021年にリリースされたミニマル・エレクトロニカ・ジャズ・バンドPortico Quartetのアルバム。ジャズとエレクトロニカ、両方のテイストを堪能できる部分が面白い。
Paradise Cinema / Paradise Cinema
同じくGondwana Recordsから2020年にリリースされたフューチャー・アフロジャズ・バンドParadise Cinemaのアルバム。エレクトロニカのテイストを漂わせながらミニマルで幻惑的なリズムを展開している。
GP01 / Gilles Peterson
GP02 / Gilles Peterson
Desert Island Mix / Gilles Peterson
アシッドジャズのキーパーソンであり、ワールドワイドなダンスミュージックに通じ、鬼のように膨大な楽曲を知り尽くしたDJでもあるGilles Petersonはダンスミュージック界でも神レベルのプロデューサーと言っていいだろう。オレはそんなGilles Petersonが非常に好きで、結構な数のミックスアルバムを揃えているが、この3枚もそのGilles Petersonによるもの。どのアルバムもジャズ、ラテン、アフロを網羅したいずれ劣らぬ高精度のミックスを披露し、安定のクオリティだ。