コミック版『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は想像以上にスゴイ完成度なのでファンならとりあえず買っとくべし

マッドマックス 怒りのデス・ロード:COMICS & INSPIRED ARTISTS

マッドマックス 怒りのデス・ロード(GRAFFICA NOVELS): COMICS & INSPIRED ARTISTS
映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード(以下「MMFR」)』のコミックが出るらしい、と聞いた時は「どうっしよっかなー」程度に思っていたのである。最初このコミック版『MMFR』は映画ヒットにあやかった粗製濫造の、ファン向けのおまけグッズ程度の物だとしか思っていなかったのだ。しかし実は全くそうではなかった。

左様、映画『MMFR』は最高の映画である。2015年最高の一作であるばかりか、ここ10年の最高の映画作品のひとつであると言っていいし、ひょっとしたら21世紀の、少なくとも上半期の映画史に名前を連ねるだろう作品になるやもしれない大傑作である。まあ別に名前なんぞ連ねなくとも、オレの50年にものぼる人生の、オールタイムベスト10を易々と更新してしまった作品であることは全く疑いがないのである。この作品には脈打つ血と焼けつくような魂の存在を感じる。素晴らしいフィクションとは、素晴らしい映画とか何か?それは『MMFR』を観れば全ての回答が用意されている。そんな映画なのだ。

『MMFR』監督ジョージ・ミラー直々の原作により(本編脚本家との共同執筆であるらしい)『MMFR』世界を補完する形で描かれたサイド・ストーリーだ。いや、よく出来たサーガにはアナザーストーリーなりスピンオフなりが作られることはままある。それはサーガの持つ世界観が強固であるからこそ可能なことなのだろう。ただそれらには、後から付け加えられた、という感がどうしてもしてしまう。また、大筋のサーガが子細に渡り描かれているがゆえに、それの枝葉を別に描くのは蛇足のように見えてしまうこともある。

だが、このコミック版『MMFR』に関しては、ただ映画で語られていなかっただけで、実際に『MMFR』という"事件"の前後には、こういった出来事が"実際に"あった、と納得させられてしまう説得力が溢れているのだ。むしろ、映画『MMFR』は長大なマッドマックス世界史の中のいわゆる「イモータン・ジョー事件」と呼ぶべき事柄をそこだけ切り取って描いたものであり、このコミック版はその「イモータン・ジョー事件」に連なる歴史のターニングポイントを示唆した作品群であるともいえるのだ。例えば第2次世界大戦の激戦の舞台を一つの物語として描く作品があって、しかしその世界大戦自体もまた様々な要素が絡みあった巨大な歴史的潮流であるように。これはもう原作者であるジョージ・ミラーの頭脳の中で「マッドマックス世界」自体が手に取ることができるほどに子細に渡って構築されていることの表れだろう。

内容についてはネット上にある作品データをコピペしておくのでそちらを参照されたい。そこには「ウォー・ボーイズ」のひとりニュークスの生い立ちと、イモータン・ジョーの「ウォー・ボーイズ」結成までのあらまし、フィリオサが5人の妻を逃がす決意をした理由、マックスを悩ます謎の少女の真相、そして怪物マシン「ウォー・タンク」がどのような経緯を経て現在の形になったのかまでが語られている。また、コミックは書籍の半分程度のみの収録で、残りの半分は65人に上る"マッドマックス・アーチスト"によるマッドマックス・グラフィックが狂い咲いている様を観ることができる。

【収録内容】
『Nux & Immortan Joe』イモータン・ジョーの武装集団「ウォー・ボーイズ」のひとり、ニュークスの生い立ちと、石油戦争と水戦争の英雄だったジョー・ムーア大佐が、「シタデル」を自らの砦として発展させ、イモータン・ジョーという暴君的な司令官となっていく物語。
『Furiosa』イモータン・ジョーの砦には、外界の有害な環境から隔絶・保護されたきれいな空気と水がある特別な区画があり、そこにはジョーの5人の妻たちが監禁されていた。
大隊長のフュリオサは5人の妻を連れて砦から逃げ、故郷である「緑の地」を目指し逃亡しようとする。
『Max Part 1&2』破壊された愛車インターセプターを再び作り直すため、危険な荒地をさまようマックスは、やがて燃料と自動車の部品が、人の命より価値がある町「ガス・タウン」へ辿り着く。
マックスはガス・タウンにある闘技場で殺し合いの試合に挑み、戦利品である伝説のV8エンジンを手に入れる。
車を修理するため隠れ家に戻るが、襲撃され車もエンジンも奪われてしまう。
重傷を負ったマックスを助けた謎の女はバザードという盗賊一味に娘を奪われたことを話し協力を求める。
『The War Rig』映画本編で最も重要なマシン「ウォー・タンク」誕生の物語。
『Mad Max Fury Road Inspired Artists』豪州の巨匠ジョージ・ミラー監督が生み出した映画『マッドマックス』の黙示録的世界――この現代の神話ともいえる美しくも狂った圧倒的な世界観に、65人のコミックアーティストが挑む! 個性的なスタイルで表現された“怒り"のアート集に狂喜乱舞しろ

メイキング・オブ・マッドマックス 怒りのデス・ロ-ド

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「マッドマックス 怒りのデス・ロード」オリジナル・サウンドトラック

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マッドマックス

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