REBEL MOON – パート2 傷跡を刻む者(Netflix映画) (監督:ザック・スナイダー 2024年アメリカ映画)
ザック・スナイダー監督によるNetflix配信のSF映画『REBEL MOON』、去年12月に配信された「パート1 炎の子」に続く「パート2 傷跡を刻む者」が最近公開されたので観てみることにした。期待せず。なんで期待してないかというと「パート1」があまりにつまらなかったからである。これについてはブログで書いたのでご参照されたい。
で、この「パート2」はどうだったかというと、「パート1」の感想と寸分違わない。要するにやっぱりつまらかなった。退屈だった。ザックは『スターウォーズ』を『7人の侍』のフォーマットでやりたかったらしいが、物語も映像面もこの2作と比べ物にならないお粗末さで、単なるSF映画として観ても楽しめる要素がまるでなかった。
銀河を支配する帝国軍が田舎惑星の住人たちに年貢の小麦を収めさせるため軍事力で圧力を掛けてくるというのが物語の発端だが、そもそもその小麦というのが50人程度の村人が宇宙航海時代にも関わらず人力で作っていて、そんな小麦の量などたかが知れているではないか。そんな小麦を巨大宇宙戦艦ではるばる宇宙空間を渡って収奪するのか?おまけにこの宇宙戦艦、乗組員が石炭のようなものを炉にくべて駆動させている描写があるんだがいったいどうなってんだ?
要するにザックはSFが全然分かってなくて、スぺオペ自体も分かってなくて、SFっぽいだけの絵を並べているだけなんだよな。そもそもザック、テクノロジー描写に興味がないみたいで、だからSFに見えないんだよ。
ザックの『エンジェル・ウォーズ』は荒唐無稽なSFイメージを並べながらも「妄想の世界」という但し書きがあったからこそビジュアル的な奇抜さを楽しめたが、この『REBEL MOON』は「SFという”物語”」を紡ぐべきだったのに結局ザックの御家芸である「イメージビデオ」レベルのものにすらなっていないんだよな。ザックいったいどうしたんだ。ザックは現在「TV放送できないハードなシーンを盛り込んだ『REBEL MOON』完全版」の製作に取り組んでいるらしいのだが、物語がこんだけお粗末だと全く期待できないんだが。