邪神ポニョの啼く館

■ポニョの唄に隠された秘密

ポーニョポーニョポニョ♪魚の子!…という唄が頭から離れない。日中などはもはやヘビロテ、エンドレス状態である。そしてこの唄が頭で鳴っている時、心配もイライラも無くなってしまうんである。
ヤヴァイ。これはどう考えても洗脳ソングである。みんなでジブリのアニメを観て幸せになりましょう、というポニョ教のテーマソングなのである。そして今日もポーニョポーニョポニョ♪でオレはシアワセ〜になってしまってるわけである。さあこの夏、皆さんも「崖の上のポニョ」を観て・聴いて、シアワセになってしまおう!
…などと強要したくなるほどこの唄の磁力は強烈だ。これはひょっとして何かあるのか?と調べてみたところ、驚くべき秘密が隠されていたことが分かったのである。いやー、これは洗脳されるわけだ…。という訳で、ここにその秘密の全貌を明らかにしてみようと思う。

■《海神ポニョ祈祷祭文》

実は「ポニョの唄」には原典が存在していた。それは400年以上前に書かれたとされる、大英博物館所蔵の奇書《水神クタアトの書》の一節、《海神ポニョ祈祷祭文》である。
この中で、ポニョとは暗黒世界ン・カイに住むツァトゥグァ神の眷属だということが記されているのだ。また、「ポニョの唄」と全く同じ一文が記載されており、そしてそれについての注釈が述べられているのである。
ここでその《海神ポニョ祈祷祭文》、そしてその注釈文の内容を紹介してみよう。

・ポーニョポーニョポニョ さかなのこ
邪神ポニョに呼びかけている。合いの手として「イア!イア!」と入れるのが正しいらしい。「さかなのこ」とは魚人、海棲人という意味である。
・青い海から やってきた
遙か太古の地球、ヴーアミタドレスと呼ばれた山の地底にある暗黒世界ン・カイの、暗き入り江からやってきた、それがポニョなのである。
・ポーニョポーニョポニョ ふくらんだ まんまる おなかの女の子
女神であるポニョは、その体腔の中に数千とも言われる卵を常に宿しており、その為腹部はまるまると膨らんでいるのだ。そして宿主を見つけると尾部にある針を突き刺し、宿主の体の中に沢山の卵を産み付けるのである。
・ペータペタ ピョーンピョン
”深きものども”であるポニョの全身は粘膜に覆われており、その水かきと鉤爪のある足で歩くたびに、ペータペタと嫌らしい湿った音をたてるのだ。そして時に蛙のようにピョーンピョンと跳躍するのである。
・足っていいな かけちゃお!
邪神ポニョは自在にその足の長さを調節することが出来、獲物を見つけたときは鳥よりも早く襲い掛かり、その肉と血を貪りつくすのである。
・ニーギニギ ブーンブン
ナコト写本》によると、この言葉は人類誕生以前の非人類種族の言葉であり、「ニーギニギ」とは「我等が忌まわしき水神」の意であり、「ブーンブン」は「我等が贄を屠り給え」という意味であるという。
・おててはいいな つないじゃお!
邪神ポニョは腕部にある無数の触手を相手の肉体に突き刺し、繋がれた状態のまま相手の思考や生命力を奪う能力を持っているのである。
・あの子とはねると 心もおどるよ
邪神ポニョを召還した忌むべき民達が、水棲人類のおぞましい動きを真似ながら飛び跳ね、その背徳的で淫靡な喜びに痴呆の如く饗宴を繰り広げるさまを表している。
・パークパクチュギュッ! パークパクチュギュッ!
これも非人類の言語であり、「栄光ある旧神よ、再び地を支配せよ!」という意味である。
・あの子が大好き まっかっかのポーニョポーニョポニョ さかなのこ
邪神ポニョはテレパシーにより人間を精神汚染させ、魅入られた人間はポニョを敬愛し崇拝するしか成す術がなくなるのである。精神汚染された人間は眼球の毛細血管が破裂することから全てのものが「まっかっか」にしか見えなくなってしまうのである。

如何であろうか。「ポニョの唄」にどれほど恐ろしい意味が込められているのかお分かり戴けたであろうか。

■邪神ポニョの啼く館

クトゥルフ作家オーガスト・ダーレスの遠い親類に当たるソースルト・ダーレダが、謎の死を遂げた際、その手に残されていた紙片に記されていた文章である。
紙片は殆どが焼け焦げており、読み取ることの出来る文章は極僅かであったが、解読できた文章から、ソースルト・ダーレダが生前ポニョと出会っていたことが明らかになった。
そしてこの文章を元に、アニメーション「崖の上のポニョ」が製作されたと思われる節があるのである。ここでその一部を紹介しよう。

・嵐の海に目を凝らすと、巨魚のようにのたうつ波の上に小さな人影のようなものが見えた。それは私を目指して駆けていた。闇の中でも、その人影が身にまとう赤い衣の色が分かった。

・ポニョという名のその少女が抱きついてきた時、私は少女のじっとりと濡れた冷たい肌の感触を感じた。さらに少女からは魚のような生臭い体臭が漂っていた。何か異様なものを感じて私はポニョからすぐさま身を離した。気まずげに少女に触れた掌に目を落とすと、なにか光るものがあった。それは鱗だった。

・ポニョは「シ、シ、シ」と歯の間から空気を吐き出すような音を立てた。歪められた口元を見て、私はポニョが今笑ったのだということが分かった。その口元から覗く歯は、血吸い蛭の歯のように小ぶりで、そして尖っていた。

・突然ポニョは風船が萎むかのように縮んでいった。子犬ほどまで小さくなった”それ”は、鶏の足の生えた蝦蟇のように見えた。さらに”それ”は奇形胎児のような大きさまで縮んだ。水の入ったバケツに入れると、”それ”はグネグネといやらしく泳ぎ始めた。

・私の父も母も、既に波に呑まれてしまった。暗い嵐の海の下には、無数の”深きものども”が踊る姿があった。そしてその中に、私を手招きするポニョの姿もあった。しかし私は少しの恐怖も感じなかった。なぜなら今私は、栄光に包まれた旧神たちの眷族へと向かい入れられるからだ。フングルイ・ムグルウナフ・イタクァ・ヤァ・ウェンディゴ・イグカ・ズゥ・フグルムゥ… イア・イタクァ!

■ポニョ、現る

そしてなんとも怖いポニョのぬいぐるみが発売されている!これ見たらポニョがクトゥルフだって誰も疑わないだろ!?

みぐぞうの後ろ向き日記 「崖の上のポニョ」のぬいぐるみの出来が物凄い件について

崖の上のポニョ

崖の上のポニョ