映画『WAR バトル・オブ・フェイト』:熱いブロマンスの滾るインドアクションの極致

WAR バトル・オブ・フェイト (監督:アヤーン・ムカルジー 2025年インド映画)

『WAR ウォー!!』に登場した伝説のエージェント、カビールが帰ってきた。本作で彼が挑むのは、世界転覆を狙う秘密結社〈シバ〉への極秘潜入任務。しかし、カビールを離反者と見なしたインド政府は、精鋭コマンドーのヴィクラムを刺客として送り込む。実は、この二人には過去に秘められた深い因縁があった――。

2019年の大ヒット作『WAR ウォー!!』の続編となる本作は、主演のリティク・ローシャンに加え、『RRR』のビーム役で世界を熱狂させたN・T・ラーマ・ラオ・Jr.が参戦。監督には『ブラフマーストラ』のアヤーン・ムカルジーを迎え、『PATHAAN/パターン』や『タイガー』シリーズとも世界観を共有する「YRFスパイ・ユニバース」の最新作として産声を上げた。

特筆すべきは、オープニングからクライマックスが連続するような怒濤の構成だ。鎌倉でのヤクザ組織壊滅を皮切りに、スペインでの熾烈なカーチェイス、さらにはステルス爆撃機を使った旅客機ハイジャックへと過激にエスカレート。ここではクリストファー・ノーラン監督の『ダークナイト ライジング』におけるハイジャックシーンがおままごとのようにすら感じさせる。そして物語はスイスでのインド首相暗殺計画を巡り、予測不能な展開へと発展。スピード、テンション、ギミック、そのすべてが「キレッキレ」のアクションは、『007』や『ミッション・インポッシブル』シリーズをも凌駕する凄まじさだ。

そのアクションの合間に描かれるのが、敵味方に分かれたカビールとヴィクラムの、熱くたぎる情念のぶつかり合いである。睨み合い、結託、友情、そして対立。顔を合わせるたびに強烈な視線を絡ませ合う二人の、噎せ返らんばかりのブロマンスには、観客も否応なく胸をときめかされるだろう。北インド映画界屈指の色男リティクと、南インド映画界で飛ぶ鳥を落とす勢いのN・T・ラーマ・ラオ・Jr.。この二人が火花を散らすダンスバトルのセクシーさは、もはや至宝の領域といえる。

とはいえ、徹底した扇情性に力点を置くプロットゆえに、物語の整合感や主人公たちの主体性に疑問符が付くことは否めない。しかし、細かな瑕疵を数え上げるのは野暮というものだろう。本作は、どこまでも「見栄え」と「ド派手さ」に舵を振り切った祝祭的エンターテインメントなのだ。次々と投下される熱狂と興奮に酔いしれ、その中心にそそり立つ二人の男の色香にひれ伏す。映画『WAR バトル・オブ・フェイト』は、そんな抗いがたい快楽に満ちた、インドアクションの極致である。

globalhead.hatenadiary.com


www.youtube.com


www.youtube.com

WAR ウォー!! [Blu-ray]

WAR ウォー!! [Blu-ray]

  • リティク・ローシャン
Amazon
PATHAAN/パターン [Blu-ray]

PATHAAN/パターン [Blu-ray]

  • シャー・ルク・カーン
Amazon