大病院でシコタマ検査を受けておった。

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体調不良が数ヶ月続いてなんかちょっとヤヴァいんじゃないかオレ!?と戦々恐々となり大病院でゴッツイ検査してもらったのだが結局なんでもなかったという話である。

以前から何度かブログで書いていたのだが、今年は6月辺りからなにしろすこぶる調子が悪かった。不眠症から始まり夏恒例の胃痛が長引き、そのうち37度前後の微熱が一ヶ月以上続き、さらには食欲が落ちてきて数週間メシがあまり食えなかったのだ。小さい病院に行っても胃の薬を渡されるだけだし、やはり大きな病院に行ってもっと精密な検査を受けた方がいいのではないかと思ったのだ。

なにしろ微熱というのが厄介だ。通常37度前後の熱は「発熱」とは呼ばないのらしいのだが、いつもより体温が高めだから頭が若干ボーッとするし、いつも常に居心地が悪い。新型コロナも最初疑ったが、まず呼吸器に疾患症状がなかったのと新コロの諸症状と呼ばれるダルさ息苦しさ味覚障害のようなものはなかったのと、実はパルスオキシメーターを持っているのだが血中酸素数値が正常値だったのと、そもそもいくら新コロでも一ヶ月微熱は続きはしまいと思えて、別の病気を心配したのである。

で、「一ヶ月 微熱」で検索すると百鬼夜行の如く出るわ出るわ恐ろし気な病名の数々が。 ありとあらゆる悪性腫瘍から始まり白血病脳腫瘍肝炎肺結核慢性副鼻腔炎虫垂炎慢性扁桃腺炎胆嚢炎慢性膀胱炎慢性腎盂腎炎さらには日本紅斑熱ライム病回帰熱つつが虫病などなどおぞましい名前の伝染病まで「ちーっす」などと顔を覗かしているではないか。こうしてオレは「ひいいい」と泣き叫びながら頭から布団を被り眠れない夜を過ごしていたのである。しかし泣き叫んでばかりいてもしょうがない。「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」からだ。

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そんなわけでオレは区内にある大病院に行くことを心に決めた。紹介状がないと初診料の高いあの大病院である。しかし「大病院は待たされる」とは聞いていたが、行った当日は土曜日だったのもあってかなんと診察まで5時間待たされた。まあしかしオレは基本ポジティヴシンキングな糞野郎なので「たっぷり伸び伸び読書できたー」と喜んでいたが。

それにしてもだな。「食欲不振」と「長期微熱」で診察を受けに行ったのに、当日はあんまり待たされるもんだから腹が減ってきた。この段階で診察の意味が無くなっているのである。「微熱」も待合室でボケッとしてたら落ち着いたのか、検温しても平熱でしかなかった。看護婦さんが体温計見ながら「えっと、熱で外来来られた方ですよね?」と首をひねっていたぐらいである。すなわち、病院に入った段階で既に症状が軽くなっていたのである。うーむ、やはり心因性だったのか……?

とりあえず血液検査と尿検査もしたのだが、お医者さんは検査数値眺めながら「綺麗なもんですねー」とのたまうばかりではないか。所見がなにも認められないのだ。まあちょっと血糖値は高かったらしいが、それは検査前にこっそり抜け出してコンビニで買い食いしたパンのせいだろう。なにしろよくわからないので、次にCT検査をすることになる。あの、映画『スターゲイト』みたいな輪っかをくぐらされて人体輪切り映像を撮るヤツだ。

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CTの結果は後日として、さらに胃部内視鏡検査、いわゆる胃カメラの予約もして翌週に持ち越すことにした。胃カメラ検査前日は9時までに晩飯食っとけと言われてたのだが、いろいろ忙しくてなかなか晩飯にありつけず、それでもなんとか急いでかっこみ9時ジャストに食い終えたオレってエライ。

というわけで当日、胃カメラ検査が行われ、CTと併せて所見を聞くことになったのだが、これがまたなんにも疾病症状が見られなかったらしく、「はーいこれが患者さんの胃の中ですよー」と結構綺麗な胃壁写真を見せられ、「この辺り、逆流性食道炎のケがありますが、これでお腹の調子が悪かったんじゃないでしょうかね、まあでも心配する様なものではないです」と言われた。さらにCT画像ではホントに見るべきものがないらしく、「ほーらこれが患者さんの体の中ですよーほーらほーら」と呑気に輪切り画像をスクロールされただけで終わってしまった。

まあ要するに、なんにもなかったのである。なんにもなかったとはいえ、不調はあったのだが、ここまで検査されてなんにもなかったのなら、あとはどうしようもない。どうしようもないというか、どうもこうもないのである。じゃあなんだったんだ?となると、これはもう「トシだから」「夏が暑かったから」などとカミュの『異邦人』みたいな結論に達するしかないのである。

異邦人 (新潮文庫)

しかしまあ考えようによっちゃ、この検査結果と言うのは、齢58歳という年齢にしては「結構健康な身体」だという事なのではないかとも思う。オレは腰痛や四十肩はやってないし、持病も特にないので、初老の割に今の所割とまともなコンディションを保っているのではないか。そう考えるとちょっとは安心を得られたが。あ、精神は病んでるかも……(それか)。とはいえ、不調は不調で確かにあったので、ここのところ暫く、酒を減らし消化のいいものを食べ早く寝てはいた。何度も書くがやっぱりトシだしな。もう無理の効かない身体になってるってことなんだよな。それと、新コロ流行りのご時世でもあるし、ちょっと病気ノイローゼになってたのかもしれん。

さて余談となるが、実はこの日、もうひとつ病院を予約していた。歯医者である。一日に病院二つハシゴするなんてオレとして前代未聞なんだが、ここがやはり年寄の面目躍如たる所存である。歯科医院は大病院のすぐ近くではあったが、なにしろギリで予約時間に滑り込んだ。この日の歯医者は、実は新しく作った部分入れ歯の装着なのであった。いつだか抜歯したのだが、その部分に入れ歯を作ったのだ。このオレももう入れ歯である。なんせジジイだし。思い起こせば幾年月、とうとうこんな日が来てしまったのだな……。こうして人工パーツを装着したサイボーグ兵士となったオレは、今日もまた仁義なき戦場へと送り出されるのである。オレの明日はどっちだッ!?

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