最近読んだコミックあれこれ

プリニウス(10) / ヤマザキマリとりみき

プリニウス』第10巻、遂にあの皇帝ネロが!?というちょっとしたクライマックスを迎える巻である。とはいえプリニウスの旅はまだ終わりが見えず、いよいよ中東にまで足を延ばし、様々な文化が交流する様相からは新たな展開さえ垣間見せる。これからどこまで見せてくれるんだろうなあ、と楽しみの広がる巻であった。

ゴールデンカムイ(23) / 野田サトル 

最新刊では「あっちこっちの派閥があれやこれややってます」というお話になっており、またいつものように一部登場人物の過去に遡る描写もあってそれほど進展はないのだが、またもや新登場人物が現れ、これがなんとなく大波乱を呼びような人物なのでとりあえず次巻に期待といった感じかな。

■カムヤライド(4) / 久正人

カムヤライド (4) (SPコミックス)

カムヤライド (4) (SPコミックス)

  

 これまで「古代日本スーパーヒーローが古代怪獣を倒す古代特撮ドラマ」っぽい展開で、久正人が好きそうだなあとは思いつつ少々小振りな物語の様に感じていたが、ここに来て謎の古代神集団が登場し強力な力を見せつけだし、おお!これこそが久正人作品の醍醐味だろ!と大いに盛り上がり始めて来たじゃないか!

■アンダーニンジャ(4) / 花沢健吾 

面白くなるんだかならないんだかよくわからない花沢健吾の現代忍者ドラマ、なんだか熱量の低いダルそうな登場人物ばかりながらいよいよ忍者同士の怪し気な抗争がブチ上り、そうかこういうことをやりたかったのかなるほどとうなずきつつ段々次が楽しみになって来た。

■RaW HERO(ロウヒーロー)(6) / 平本アキラ

変身特撮怪人秘密結社への潜入捜査を描く(その実エロだらけ)!というお話でここまで結構面白く進んできたのに、この巻でまさかの終了!?打ち切りらしいがなんとも勿体ないことこの上ない終わり方だったなあ。 

■全時空選抜最弱最底辺決定戦(1)(2) / KRSG(画)、久正人(原作) 

「全時空の最弱な生物を決定する!?」という選抜戦を描いたSFコミックで、久正人が原作という事で読んでみたのだが、そもそも「最弱決定戦」というのが矛盾を孕んだ設定なばかりに、なんだか「???」 と思いながら読み終わったなあ。

水木しげる日本霊異記水木しげる

水木しげるの日本霊異記 (怪BOOKS)

水木しげるの日本霊異記 (怪BOOKS)

 

日本霊異記」とは南部薬妙寺の僧、景戒を著者とする日本最初の仏教説話集であり、その成立は弘仁13年(822)頃、上中下3巻で116話から成っている。『水木しげる日本霊異記』はその中から水木サンが気に入った7話を漫画化したものであり、いずれも妖怪やら物の怪の闊歩する奇譚・怪異譚であり、ねずみ男や死神などお馴染み水木キャラも狂言廻しとして登場している。そしてなにしろ、中世日本の侘び寂びしまくったシチュエーションと書き込みまくられた水木サン一流の背景画が味わい深い。クオリティは当然申し分ないし題材もいい。水木サンならではの幽玄な世界を堪能したいなら読んで間違いのない作品である。