収監中の殺人犯は更なる殺人を自白するがその供述は常に曖昧で不透明、犯人の目的は何なのか?という韓国映画『暗数殺人』観た!愚直に真実を追い求め続ける主人公刑事と彼を翻弄する狡猾なサイコパス殺人者との息詰まる頭脳戦!先行きの見えない展開に最後までハラハラしながら観たぞ!
■ムルゲ 王朝の怪物 (監督:ホ・ジョンホ 2018年韓国映画)
韓国モンスターパニック時代映画『ムルゲ 王朝の怪物』を観た!物語としては可もなく不可もなしといった所だが、グエムルを始め韓国人にとってモンスターとは何の象徴なんだろうなとちょっと考えてしまった。『ムルゲ』のモンスターは不気味だがどこか哀れな存在でもあった。
■公共の敵(監督:カン・ウソク 2002年韓国映画)
やさぐれ暴力刑事と冷酷尊属殺人犯との丁々発止の死闘!韓国映画『公共の敵』は陰惨な犯罪ドラマの骨子を持ちながら、主人公刑事の後先考えない破茶滅茶さと単細胞過ぎる暴走振りが可笑しさととぼけた雰囲気を醸し出し、韓国犯罪映画は重苦しいノワールばかりじゃないと思わせるテンポのいい快作だ!
■公共の敵2 あらたなる闘い(監督:カン・ウソク 2005年韓国映画)
『公共の敵』続編!今作の主人公は刑事ではなく検察官、とはいえ前作と同じ後先考えない破茶滅茶さと暴走ぶりは相変わらず!基本となるのは正義への熱い思い、その一途さと真っ当さがこのシリーズの基本なのだろう。ただし前作ほど羽目を外せなかったのは検察官という立場があるからかな?
■カン・チョルジュン 公共の敵1-1(監督:カン・ウソク 2008年韓国映画)
シリーズ第3作は主人公が再びやさぐれ刑事として登場!ひたすらだらしないがひたすら正義の気概に満ちた主人公がひたすら暴走しまくる、というパターンは相変わらずで、むしろこんな主人公キャラをひたすら愛でるシリーズなのだ思う。3作目ともなるとそんなキャラも円熟味が増し、乗りに乗った演技は時として大いに笑わせ大いに応援したくなってくるのだ。
■悪いやつら(監督:ユン・ジョンビン 2012年韓国映画)
貧乏くじばかり引かされるしがない小役人がひょんなことからヤクザ社会と繋がりを持ち、次第に大物として君臨してゆく様を描く物語。一般市民が逆切れして闇社会にのめり込む様がどこか『ブレイキング・バッド』を思わせ、縁故を重んじる韓国社会のドロドロの癒着体質もまた浮き彫りにする。そしてヤクザよりもタチの悪い姑息な男として裏社会を渡ってゆく主人公の姿は、なあなあづくしの政治へのアイロニカルな暗喩なのかもしれない。あと、ドンソク兄貴がとても情け無い役で出演しているのも見どころ。
大日本帝国統治下の韓国でスパイとなってしまった男の運命を描く韓国映画。悲壮感と緊張感の漲る物語や鋭利で迫真的なアクションのみならず、重厚なセットや美しい衣装、瑞々しい映像を見せる撮影など実にしっかりと作られた非常にクオリティの高い作品だった!ただ、ちょっと長かったかな。
■名もなき野良犬の輪舞(監督:ピョン・ソンヒョン 2017年韓国映画)
潜入捜査官として地獄の体験を経た刑事が辿りつく虚無を描く物語。しっかり作ってはあるが同じ潜入捜査官を描く韓国映画『新しい世界』と比べると取り立てて秀逸さは感じなかったし、あとこういった何の救いもないノワール作品にウンザリしてきたのも確か。
■#生きている(監督:チョ・イルヒョン 2020年韓国映画)
ゾンビ禍発生の中、団地に閉じ込められた若者のサバイバルを描くNetflixオリジナルドラマ。限定された舞台の中その辺の一般人でしかない主人公がどうやって生き延びるのか?が焦点となるが、それだけで100分程度のTVドラマを作るのは限界があったのか、ご都合主義とどこかで観た展開がシラケさせる残念な完成度となっていた。