YouTubeを徘徊していたらフランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(FGTH)の2004年ライヴ、という映像を見つけ思わず見入ってしまった。FGTH、「リラックス」のヒットで1980年代にセンセーショナルなデビューを果たしたイギリスのニューウェーヴ・バンドである。
当時ニューウェーヴ・サウンドにどっぷりハマっていたオレもこのFGTHにはすっかりヤラレてしまっていた。とはいえ過激な歌詞で放送禁止にもなった曲「リラックス」はあまり好きなシングルではなかった。リズムが単調に思えてな。ただし大ヒットしたこの曲はその後も映画やCMでも引っ張りだことなり、FGTHを知らなくともこの曲は聴いたことがある方は多いんじゃないかな。
Frankie Goes To Hollywood - Relax (Laser Version)
その後の「トゥー・トライブス」がヤバかった。その頃まだ冷戦状態にあった米ソ対立を茶化した曲なのだが、空襲警報や「原爆投下後のシェルター生活における注意」のアナウンスをサウンドコラージュしたミックスが実に禍々しくて大いに盛り上がったのである。
Frankie Goes To Hollywood - Two Tribes
FGTHはその後2枚組デビュー・アルバム『ウェルカム・トゥ・ザ・プレジャー・ドーム』をリリース、タイトル曲はなかなかイケていて、プログレッシヴ・ロック的なアプローチの面白い曲だった。この曲も好きだったね。↓のミックスなんて24分ヴァージョンだぜ!?この長さがプレグレなんだ(そうなのか?)!?
ただ、アルバム全体としてはあまりにとっちらかった印象で、既にこのアルバムから「やはり一発屋だったか?」という雰囲気が漂ってきていた。案の定その後シングルに恵まれずアルバム2作目『リヴァプール』をリリースした翌年に解散。それからオレも興味を失ったが、シングル曲のリミックスを集めたCDを見つけたら購入したりはしていた。
……とまあこれが前振りである。では本題の「フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド2004年ライヴ」を見てもらいましょう!
FRANKIE GOES TO HOLLYWOOD - Welcome To The Pleasuredome,Two Tribes & Relax (Wembley Arena, 2004 mast
「ウェルカム・トゥ・ザ・プレジャー・ドーム」!「トゥー・トライブス」!「リラックス」!FGTHの大ヒット3曲が19分に渡って演奏される実にエキサイティングなステージじゃないか!演奏もパワフル!奴らちゃんと演奏できたんだ!?おまけにオーケストラや多数の女声コーラスまで入り、ゴージャスこの上ないぞ!
このライブ映像は1987年の解散から17年後の2004年11月、ウェンブリーアリーナで開催されたプリンストラストコンサートを行うために1回限りの再編成が成された時のものだ。「ヴォーカル、なんか見慣れないけど?」と思ったらオリジナル・メンバーであるホリー・ジョンソンは参加しておらず、代わりにオーディションで選ばれたミュージカル・シンガー、ライアン・モロイという人が歌っているのだ。しかしこのライアン・モロイ、全く遜色なくFGTH曲を歌い上げてるじゃないか!イイネ!「リラックス」の曲から乳首を出して歌うのもイイネ!
また、「ウェルカム・トゥ・ザ・プレジャー・ドーム」ではプログレ・バンド、イエスのギタリストとして知られるスティーブ・ハウが客演しているので元プログレ小僧だったオレもびっくりである。FGTHはトレヴァー・ホーンのプロデュースで人気を集めたが、同じトレヴァー・ホーン・プロデュース繋がりであるイエスからの客演ということなんだろう。それと「リラックス」演奏前にステージに招き入れられる男性はトレヴァー・ホーンなんじゃないかな。
というわけで2004年のライヴの話題!しかも数十年前に解散したバンド!という時流を全く無視した、でも「オレが楽しかったからそれでいいんだよ!」という記事なのであった!アディオス!