2022-01-01から1年間の記事一覧

ローランド・エメリッヒの新作ディザスター映画『ムーンフォール』は当然のごとくトンデモだったッ!?

ムーンフォール (監督:ローランド・エメリッヒ 2022年アメリカ映画) 「月が地球に衝突しちゃうよ!?えらいこっちゃえらいこっちゃ!」という映画『ムーンフォール』である。いつも忘れた頃にいつのまにか製作される「ディザスター・ムービー」ってヤツで…

東京都美術館『ボストン美術館展 芸術x力』を観に行った

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毎日暑い日が続いていますね。とはいえ8月は始まったばかり、これからが夏本番です。そんな暑い中、またもや美術館に行ってきました。なんだか最近美術館に行くのが楽しくてしょうがないんですよ。随分長い間美術館には行っていなかったので、その反動でしょ…

フランス文学探訪:その15/サルトル『嘔吐』

嘔吐 / J‐P・サルトル (著)、鈴木 道彦 (訳) 嘔吐 新訳 作者:J‐P・サルトル 人文書院 Amazon 港町ブーヴィル。ロカンタンを突然襲う吐き気の意味とは…。一冊の日記に綴られた孤独な男のモノローグ。60年ぶり待望の新訳。存在の真実を探る冒険譚。 『嘔吐…

最近聴いたエレクトロニック・ダンス・ミュージックなどなど

Kraftwerk Remixes / Kraftwerk REMIXES アーティスト:KRAFTWERK PARLOPHONE Amazon 2003年のアルバム『ツール・ド・フランス』以降新作は全然発表していないクラフトワークだが、その後はライヴアルバムやらリマスターアルバムなどいわゆる「集大成」として…

最近読んだコミックなどなど

ゴールデンカムイ(31)/野田サトル ゴールデンカムイ 31 (ヤングジャンプコミックス) 作者:野田 サトル 集英社 Amazon 明治末期の北海道と樺太を舞台に、「アイヌ民族の隠した大量の黄金の謎」を巡って巻き起こる血で血を洗う抗争の行方を描く”闇鍋ウェスタ…

アンソニー&ジョー・ルッソ兄弟監督によるNetflix映画『グレイマン』が面白過ぎた!

グレイマン (監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ 2022年アメリカ映画) 『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー&エンドゲーム』を撮ったアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟がネトフリ映画を手掛ける!というアクションスリラー『グレイマン』です。…

町田市立国際版画美術館『長谷川潔 1891-1980展 ー日常にひそむ神秘ー』を観に行った

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先日は町田市立国際版画美術館に『長谷川潔 1891-1980展 ー日常にひそむ神秘ー 展』を観に行きました。長谷川潔、実は全然知らないアーチストだったんですが、Webで見た版画があまりにオレ好みだったので「これは是非見に行かねば」ととても楽しみにしていた…

『三体』三部作スピンオフ作品『三体X』が『三体』並みに凄すぎた!

三体X 観想之宙 / 宝樹 (著)、大森 望 (訳)、光吉 さくら (訳)、ワン チャイ (訳) アジアに初めてヒューゴー賞をもたらし、世界で2900万部、日本でも63万部を売り上げた『三体』三部作を、劉慈欣を敬愛する中国新世代のSF作家・宝樹が受け継いだ。謎のすべ…

フランス文学探訪:その14/『フランス名詩選』

フランス名詩選/安藤 元雄(編)、渋沢 孝輔(編)、入沢 康夫(編) フランス名詩選 (岩波文庫) 岩波書店 Amazon 15世紀のヴィヨンから,19世紀のボードレール,マラルメ,ヴェルレーヌ,ランボー,さらにジャム,ヴァレリー,アポリネール,そして現代に続くブ…

籠城アクション『炎のデス・ポリス』はなんだか食い足りない作品だったなあ。

炎のデス・ポリス (監督:ジョー・カーナハン 2021年アメリカ映画) 「今宵小さなポリス・ステーションに悪党たちが大集合!」という謳い文句のサバイバル・アクション映画『炎のデス・ポリス』です。いやーなかなかにアホアホなタイトルですね。アホアホな…

クーデターの中で巻き起こる南北朝鮮大使館員たちのドラマ/映画『モガディシュ 脱出までの14日間』

モガディシュ 脱出までの14日間(監督:リュ・スンワン 2021年韓国映画) 映画『モガディシュ 脱出までの14日間』は1990年にソマリアで勃発したクーデターを描く実話作品なんですね。かの国に駐留していた韓国大使館員にも命の危険が迫りますが、本国との連…

国立新美術館『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』を観に行った

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この間は六本木にある国立新美術館へ『ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション』を観に行きました。 《展覧会概要》ドイツ第4の都市、ケルン市が運営するルートヴィヒ美術館は、20世紀から現代までに特化した世界有数の美術…

ニール・ブロムカンプ監督によるサイバーホラー映画『デモニック』

デモニック (監督:ニール・ブロムカンプ 2021年カナダ映画) ニール・ブロムカンプといえば『第9地区』『エリジウム』『チャッピー』といった独特の世界観を持つSF作品を世に送り出し、一世を風靡した監督である。しかし最近ではYouTubeあたりで実験的な短編S…

ワイン作りにこだわり続ける農業生産者の矜持/バンドデシネ『ワイン知らず、マンガ知らず』

ワイン知らず、マンガ知らず/エティエンヌ・ダヴォドー (著)、大西愛子 (訳)、京藤好男 (監修) フランス北西部のロワール地方。ワイン造りに興味を持った漫画家のエティエンヌ・ダヴォドーは、ワイン生産者のリシャール・ルロワに、一年間の密着取材を依頼…

フランス文学探訪:その13/ラシーヌ 『フェードル、アンドロマック』

フェードル、アンドロマック / ジャン・ラシーヌ (著)、 渡辺 守章(訳) フェードル アンドロマック (岩波文庫) 作者:ジャン ラシーヌ 岩波書店 Amazon 恋の女神ヴェニュスの呪いを受け,義理の息子イポリットに禁断の恋を抱くアテネの女王が,自らの恋を悪…

愛と稲妻!/映画『ソー:ラブ&サンダー』

ソー:ラブ&サンダー (監督:タイカ・ワイティティ 2022年アメリカ映画) オレとマイティ・ソー オレはMCU映画の中でもマイティ・ソーのキャラ、さらにその映画シリーズが一番好きですね。マッチョで単細胞で時にコミカルなキャラ、それとは裏腹にMCUの中…

暗い現実世界と熾烈な幻想世界を交互に行き来するダークファンタジー映画『ゴッドスレイヤー 神殺しの剣』

ゴッドスレイヤー 神殺しの剣 (監督:ルー・ヤン 2021年中国映画) 誘拐された幼い娘を何年も探し続けている男がいた。彼の名はグアン・ニン。そんな彼にある巨大企業CEOが近付き、娘を見つける代わりにある男を殺してくれと依頼する。標的となるのは無名の…

フランス文学探訪:その12/ ルソー『孤独な散歩者の夢想』

孤独な散歩者の夢想 / ルソー(著)、永田 千奈(訳) 孤独な散歩者の夢想 (光文社古典新訳文庫) 作者:ルソー 光文社 Amazon 晩年、孤独を強いられたルソーが、日々の散歩のなかで浮かび上がる想念や印象をもとに、自らの生涯を省みながら自己との対話を綴った…

著名グラフィック・ノベル作家のイケテナイ日々/『長距離漫画家の孤独』

長距離漫画家の孤独 / エイドリアン・トミネ(作)、長澤あかね(訳) 洗練されたグラフィック・ノヴェルと「ニューヨーカー」誌のカバーで知られ、代表作『サマーブロンド』『キリング・アンド・ダイング』が映画化(ジャック・オディアール監督『パリ13区』4…

キング・オブ・ロックンロール、エルヴィス・プレスリーの半生を鮮烈に描く音楽映画『エルヴィス』

エルヴィス (監督:バズ・ラーマン 2022年アメリカ映画) 【目次】 オレとバズ・ラーマン、そしてエルヴィス・プレスリー 不世出の大スター、エルヴィス・プレスリーの光と影 キング・オブ・ロックンロール ”トム・パーカー大佐” アンチェインド・メロディ …

ロックよもやま話:オレと初期ブライアン・イーノ

初期のブライアン・イーノ 『ヒア・カム・ザ・ウォーム・ジェッツ』(1974年) 『テイキング・タイガー・マウンテン』(1974年) 『アナザー・グリーン・ワールド』(1975年) 『ディスクリート・ミュージック』(1975年) 『ビフォア・アンド・アフター・サイエンス…

フランス文学探訪:その11/『ラ・ロシュフコー箴言集』

ラ・ロシュフコー箴言集 / 二宮フサ(訳) ラ・ロシュフコー箴言集 (岩波文庫 赤510-1) 岩波書店 Amazon 「われわれの美徳は、ほとんどの場合、偽装した悪徳に過ぎない」―よく知られたこの一句が示すように、ラ・ロシュフコー(1613‐80)の箴言は、愛・友情・勇…

娘の嫌疑を晴らすため異国の地を彷徨う父の姿を描いた映画『スティルウォーター』

スティルウォーター (監督:トム・マッカーシー 2021年アメリカ映画) マット・デイモンって結構好きな俳優なんですよ。決してビジュアル的にイイ男というわけでもなく、実のところ少々イナタい匂いがしているんですが、その部分に「アメリカの男」のひとつ…

サンドラ・ブロック主演の映画『ザ・ロストシティ』は実に充実したアクション・コメディだったぞ

ザ・ロストシティ (監督:アダム・ニー/アーロン・ニー 2022年アメリカ映画) ロマンチック・アドベンチャーを得意とする女性作家ロレッタが突如サイコなお金持ちに拉致された!?「君の小説に古代財宝の鍵が記されてるんだよゲヒヒ」とばかりにサイコな金持…

東京国立近代美術館『ゲルハルト・リヒター展』を観に行った

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『ゲルハルト・リヒター展』に行ってきた 先日は会社にお休みを貰って東京国立近代美術館に『ゲルハルト・リヒター展』を観に行きました。それにしても東京国立近代美術館、調べてみたら10年前に『ジャクソン・ポロック展』を観に行ったっきり、まだ2度目だ…

最近買ったあれこれ

最近、というかここ半年ぐらいに購入したあれこれです。 スント(SUUNTO) コア オールブラック 〔ブラック メンズ〕 スント(SUUNTO) コア オールブラック 〔ブラック メンズ〕 SS014279010 [並行輸入品] スント(SUUNTO) Amazon 実はオレ、フィンランドのアウ…

最近読んだコミックあれこれ

ゴールデンカムイ(30)/野田サトル ゴールデンカムイ 30 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:野田サトル 集英社 Amazon 『ゴールデンカムイ』もいよいよラストスパート、艦砲射撃が杉元らを襲い、鶴見将校率いる第七師団は死の咢となって迫りくる。全て…

フランス文学探訪:その10/モンテーニュ『エセー 抄』

エセー 抄 / ミシェル・E・ド・モンテーニュ(著)、宮下志朗(編、訳) モンテーニュ エセー抄 新装版 作者:ミシェル・E・ド・モンテーニュ みすず書房 Amazon 「読者よ、これは誠実な書物なのだ……わたし自身が、わたしの本の題材なのだ」(モンテーニュ) モン…

国立西洋美術館『自然と人のダイアローグ展』を観てきた

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上野にある国立西洋美術館に『自然と人のダイアローグ展』を観に行きました。これは国立西洋美術館のリニューアルオープン記念として、ドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館との提携により近代絵画を一堂に展示したものなんですね。しばらく国立西洋美…

フランス文学探訪:その9/スタンダール『赤と黒』

赤と黒 / スタンダール (著)、野崎 歓 (訳) 赤と黒(上) (光文社古典新訳文庫) 作者:スタンダール 光文社 Amazon 赤と黒(下) (光文社古典新訳文庫) 作者:スタンダール 光文社 Amazon ナポレオン失脚後のフランス、貧しい家に育った青年ジュリヤン・ソレ…