続テルマエ・ロマエ (2) / ヤマザキ マリ
あのルシウスが年寄りになって帰ってきた!?という『続テルマエ・ロマエ』の第2巻。第1巻の時も思ったが、人気作の安易な続編では決してないパワーアップした内容で大変に楽しい。まずなによりギャグ展開が相当に強化されており、スラップスティックの領域に達しているシーンもちらほらみられる。これ、作者のギャグスキルの上達もあるのだろうが、前作以上に楽しく描いているってこともあるんじゃないかな。それぞれの回において日本の様々な秘湯と時空が繋がりそれを紹介するというのも目新しく、さらに1話ごとに書かれた作者の秘湯紹介文が実に読ませてくれる。そもそもエッセイストとしてもレベルが高い人だから、コミックとエッセイの両方が楽しめるというわけだ。そして時空を超えちゃうのがルシウスだけに止まらないという新展開も、約束事に囚われない自由さを感じさせてくれた。こういった、前作を踏襲しながら新機軸も盛り込まれるという部分が非常に好印象で、これからの展開がさらに楽しみになってきた。
スーパーボールガールズ (5) / 金城宗幸(原作), 平本アキラ(画)
謎のスーパーボールから生まれた美少女型生命体が、人類を守る者と破滅に導く者に分かれて抗争を繰り広げるSFストーリー。今作ではさらに、スーパーボールを合体させて生まれた巨大モンスターが登場し、さらなる破壊と熾烈な戦闘が描かれることになる。平本アキラは『監獄学園』において卓越した美少女描写とギャグ展開を見せてくれたが、金城宗幸という原作者を得ることで今度は最高にスピーディーなアクション描写が描ける漫画家であることを証明した。お話のほうは奇想天外すぎるきらいもあるのだが、この吹っ切れ方があるからこそ十分に読ませるコミックとなっている。あと例によって十分にエロいのだが、彼女らってみんな人間じゃないのでいやらしくはない、というのも面白い。
戦車椅子‐TANK CHAIR‐(8)/ やしろ学
半身不随となった最強の殺し屋少年が、兵器化した車椅子を操って襲い来る敵をなぎ倒してゆく、というSFバイオレンスストーリー。というよりこの設定から世界観がどんどんと広がってゆき、殺伐としたサイバーパンク世界と次々と登場するユニークなキャラが魅力的な作品だ。なにより研ぎ澄まされたグラフィックが素晴らしく、このグラフィックを眺めているだけで楽しめるのだ。そういった部分で凡百のバトル系コミックより一歩抜きんでた作品だと思う。
タワーダンジョン(4)/ 弐瓶勉
弐瓶勉によるゴシックダークファンタジーコミック第4巻。”迷宮に囚われた姫を妖術師から救出する騎士”というある意味ありふれたファンタジーストーリーの骨子を持ちながら、そこからどれだけ逸脱し尚且つ魅力ある物語に仕立てるのかがこの作品の目的となるところだろう。それは暗く異様なダンジョンや、おぞましい姿をもつ敵モンスターとの熾烈な戦闘描写、それぞれに背景を持つキャラクター造形に負うところが大きいけれども、それだけならどんなファンタジーストーリーでもやっていることだ。それらと差別化しているのはなによりその独特のグラフィックにあるだろう。描き過ぎず単純化し過ぎてもいない味わい深い描線が素晴らしいのだ。全篇通してスクリーントーンも1種類しか使わない徹底ぶり。最高に魅力的なグラフィックで読ませるコミックだ。



