2023年:オレ的映画ベストテン!

【目次】

音楽、本とコミックと続けてきた「今年面白かったもの総まとめ」、今日はその最後として毎年恒例の「オレ的映画ベストテン!」をお送りします。

まあ今年も何だか知りませんが沢山映画を観ましたね。数えるのも骨なので何本観たのかは分かりません。実の所オレのブログは映画ブログのつもりはまるでないんですが、なんだか沢山観た分感想文も沢山書いてしまってるんですね。映画って2,3時間観て感想1本書けるからブログのコスパがいいってだけのつもりなんですが。まあその程度の人間が選んだベストテンだと思ってください。そのため、自分で言うのもなんですがしみじみと意識の高くないベストです。

今回はまず「今年日本公開作品のベストテン」、そして「選外だけど印象に残っている映画」、最後に「(今年公開ではないが)今年観て面白かったドラマ・配信映画・その他の映画」という形でまとめてみました。では能書きはこのぐらいにしてサクッと行ってみましょう!今年のベストワンはなんとあの映画!

今年日本公開作品のベストテン

1位:ザ・フラッシュ (監督:アンディ・ムスキエティ 2023年アメリカ映画)

最速のスーパーヒーローを描く最高の映画!その目くるめくようなスピード感に脳汁出まくったッ!映画は冒頭から小気味いい程かっ飛ばしまくり、スローモーションで描かれるアクションはトリップ感に溢れ、特殊効果はサイケデリックかつドラッギー、あたかもそれは『2001年宇宙の旅』のスターゲイト・シーンのよう!とはいえ素のバリー・アレンは軽薄でお喋りで鈍臭くてグズ、このコメディタッチな対比が観ていて楽しくてしょうがない。物語は時空を飛び越え母の死を防ごうとするものだが、決して変えられない時間軸は主人公に悲痛な選択を迫り、抗えない運命は次第に悲劇の様相を呈してゆく。別の時間軸のもう一人のザ・フラッシュ、バットマン、そしてスーパーガールといった面々の登場は驚きに満ち、彼らの死闘がまたしても胸を熱くさせる。いやー感服させられました!文句なしに今年のナンバーワン映画です!

 

2位:ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE (監督:クリストファー・マッカリー 2023年アメリカ映画)

トムが空を飛んでる!そして物語的になんの必然性もない!でも!でも!トムが空を飛んでる!!この単なる無茶振りに全振りしているのが『デッドレコニング』の魅力です。トムクルの『MI』シリーズというのは必然性とか整合感とか物語性とかそういうものを全く無視してとにかくアクション!アクション!アクション!とつるべ打ちにやりまくる、とことん見世物としての映画を突き詰めている作品群で、今作でもそれを踏襲しながら見事にやり切りなおかつお腹一杯になるほど面白い、なんのお話なのかさっぱり分からなかったが、という作品に仕上がっていましたね!

 

3位:インディ・ジョーンズと運命のダイヤル (監督:ジェームズ・マンゴールド 2023年アメリカ映画)

インディが、ハリソン・フォードが登場して世界を股に掛けながら遺跡を飛び回っていればそれで満足なんだよ!監督が変わったとかあのキャラが登場しないのは納得いかないとかハリソン・フォードがさすがに年食ってるとかそういうのはどうでもいいことなんだ!鞭が唸りタイヤが軋み馬がいななきテーマソングが高らかに鳴り響けばそこは驚天動地の胸躍る世界!これで最後なんだろうけどいいもん観させていただきました!インディ・ジョーンズよ永遠に!

 

4位:ジョン・ウィック:コンセクエンス (監督:チャド・スタエルスキ 2023年アメリカ映画)

今回も殺して殺して殺しまくりです!いやーそれにしてもジョン・ウィック・シリーズもここまで巨大なサーガになるとは思ってもみませんでした。はぐれ殺し屋と冷徹な殺し屋社会とが睨み合い、殺戮の荒野がどこまでも広がってゆくという相変わらずの展開ながら、そのスタイルがどんどん先鋭化し一人の男の孤独の遍歴の物語として描かれる様は、どこか神話的な世界にまで足を踏み入れている気さえした。そしてやっぱりドニーさんの登場だよな!

 

5位:アラビアンナイト 三千年の願い (監督:ジョージ・ミラー 2022年オーストラリア・アメリカ映画)

寓意と暗喩が横溢し、何重もの入れ子構造と幾重もの意味が隠され、芳醇な映画体験をもたらしてくれた作品です。『マッドマックス』シリーズのジョージ・ミラーが「アラビアンナイト」に登場する”ランプの精”をモチーフに、「物語る」という事はいったいどういうことなのか、そもそも「物語」とは一体何であるのかに肉薄してゆきます。それは同時に、ストーリーテラーとしてのジョージ・ミラーの本質に肉薄してゆく物語でもありました。主演のティルダ様がまた最高なんだこれが!

 

6位:K.G.F Chapter 1,2 (監督:プラシャーント・ニール 2018、2022年インド映画)

延々5時間半に渡る煽情と暴力!!けたたましく鳴り響く音楽、目ん玉ひん剥いて大見得を切る役者陣!インド映画『K.G.F』はChapter1,2の前後編2作を同時公開し、その止まるところを知らない圧倒的なパワーを見せつけてくれた作品です。一人のワルの激動の生涯をどこまでもひたすらド派手に仰々しく「これでもか!これでもか!」とばかりに描き切り、観る者はただただ「凄いです凄いですもんの凄いです!」と平伏すという、もはや「映画のパワー」どころか「パワーこそが映画だ」と言わんばかりの作品でした!

 

7位:ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り (監督:ジョナサン・ゴールドスタイン/ジョン・フランシス・デイリー 2023年アメリカ映画)

ファンタジーアクション映画の新たなマイルストーンとも言うべき傑作です。TRPGが原作だとかそういうのを全く知らなくても全然OK、目の前に展開する目くるめくようなファンタジー世界とその練り込まれた設定をとことん味わい、主人公たちのコミカルなキャラを愉しみ、強大な敵との熾烈な戦闘を手に汗握りながら堪能できる、もはやいいとこずくめの良作『ダンジョンズ&ドラゴンズ』、まだ観ていないあなたは幸せです、なぜならこれから徹底的にこの映画を楽しんで観ることができるのだから!

 

8位:別れる決心 (監督:パク・チャヌク 2023年韓国映画

ラストを観て思いました、「ああ、このドンヨリ感、サイコー……」。パク・チャヌク監督作『別れる決心』は刑事と容疑者との禁じられた愛をテーマに、どこかもどかしくもまたじれったく、なにかもやもやふわふわとして決して形にならない微妙な心情を、素晴らしい映像とストーリーテリングできめ細やかに描き切った作品です。物語それ自体もサスペンスなのかロマンス作なのか微妙にもやもやとはっきりせず、観ていて心の持って行き方をどうしていいのか分からない、あまり映画では感じたことの無いような不安定さが延々と続く部分で異様とも言え絶妙とも言える不思議な作品でした。そしてそこがいい。

 

9位:君たちはどう生きるか  (監督:宮崎駿 2023年日本映画)

引退するする詐欺の駿のジブリの新作だよ。前作『風立ちぬ』からなんと10年ぶりの作品だ。その10年寝かせに寝かせまったりじっくり熟成させて完成した作品が面白くないわけないじゃないか。駿のルーツを探求した作品だとかどうとか解題めいたことは実はどうでもいいことだ。次から次に現れては消えてゆくイメージに身を任せ、アニメーションの動きの豊かさを堪能し、その時々に湧き上がる驚きの感情を愉しむ、その美しさや恐ろしさ、悲しさや喜びを味わい尽くす、そういったアニメ本来の持つパワーを感じることができる映画、それがこの映画なんじゃないかな。

 

10位:ウォンカとチョコレート工場のはじまり (監督:ポール・キング 2023年アメリカ映画)

楽しくて楽しくてひたすら楽しかった。そしてなにより美しい映画だった。オレが映画に求めているものは、まあいろいろあるのだが、楽しくて美しい、というのもまた重要なのだ。陰惨で醜悪なものが真のリアルだなんて決して思わない。むしろ陰惨で醜悪な現実を捻じ伏せ、そうじゃない世界を堂々と描き切り眼前に表出させること、それが映画であったり物語であったりするものの重要な役割の一つであるとオレは固く信じているんだ。この映画はそのひとつの回答だったし、だからオレはこの映画を愛しそして称賛するんだよ。

 

2023年:オレ的映画ベストテン!のまとめ

1位:ザ・フラッシュ (監督:アンディ・ムスキエティ 2023年アメリカ映画)

2位:ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE (監督:クリストファー・マッカリー 2023年アメリカ映画)

3位:インディ・ジョーンズと運命のダイヤル (監督:ジェームズ・マンゴールド 2023年アメリカ映画)

4位:ジョン・ウィック:コンセクエンス (監督:チャド・スタエルスキ 2023年アメリカ映画)

5位:アラビアンナイト 三千年の願い (監督:ジョージ・ミラー 2022年オーストラリア・アメリカ映画)

6位:K.G.F Chapter 1,2 (監督:プラシャーント・ニール 2018、2022年インド映画)

7位:ダンジョンズ&ドラゴンズ アウトローたちの誇り (監督:ジョナサン・ゴールドスタイン/ジョン・フランシス・デイリー 2023年アメリカ映画)

8位:別れる決心 (監督:パク・チャヌク 2023年韓国映画

9位:君たちはどう生きるか  (監督:宮崎駿 2023年日本映画)

10位:ウォンカとチョコレート工場のはじまり (監督:ポール・キング 2023年アメリカ映画)

 

選外だけど印象に残っている映画

デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム (監督 ブレット・モーゲン 2022年ドイツ・アメリカ映画)

TAR/ター (監督:トッド・フィールド 2022年アメリカ映画)

ノースマン 導かれし復讐者 (監督:ロバート・エガース 2022年アメリカ映画)

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス (監督:ダニエル・クワンダニエル・シャイナート 2022年アメリカ映画)

The Witch 魔女-増殖- (監督:パク・フンジョン 2022年韓国映画

3GAN/ミーガン (監督:ジェラルド・ジョンストン 2023年アメリカ映画)

ベネデッタ (監督:ポール・バーホーベン 2021年フランス映画)

ステロイド・シティ (監督:ウェス・アンダーソン 2023年アメリカ映画)

 

今年観て面白かったドラマ・配信映画・その他の映画

コペンハーゲン・カウボーイ(ドラマ)(監督:ニコラス・ウィンディング・レフン 2023年デンマーク製作)

ピースメイカー〈シーズン1〉(ドラマ)(監督:ジェームズ・ガン 2021年アメリカ製作)

ウェンズデー(ドラマ)(製作総指揮:ティム・バートン 2022年アメリカ製作)

ハウス・オブ・ザ・ドラゴン〈シーズン1〉(ドラマ)

ヘルドッグス (監督:原田眞人 2022年日本映画)

ドライブ・マイ・カー (監督:濱口竜介 2021年日本映画)

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん (監督:レミ・シャイエ 2015年フランス・デンマーク映画)

マッドゴッド (監督:フィル・ティペット 2021年アメリカ映画)

弁護人 (監督:ヤン・ウソク 2013年韓国映画)