最近ダラ観したDVDとかブルーレイとかサブスクとか

47RONIN ザ・ブレイド (監督:ロン・ユアン 2022年アメリカ映画)

なんとキアヌ・リーヴス主演のSFファンタジー映画『47RONIN』の続編が登場である。タイトルは『47RONIN ザ・ブレイド』、現代のブタペストが舞台となり、四十七士の血筋を引く者と現代のサムライたちが邪悪な魔術師と熾烈な戦いを繰り広げるという物語。1作目は相当にトンチキなお話だったが、この2作目はそれに輪をかけてトンチキの限りを尽くした内容となっており、ある意味1作目を超えているとさえいえる。ちなみにキアヌは出ていません。

まずなにより目を引くのは果てしなく勘違いされたジャポネスクでありなんだかよく分かんない服装と武器のサムライでありニンジャでありクノイチである。もうこのビジュアルだけでどんぶり飯3杯はいける。逆にこういったビジュアルに引っ掛かっちゃう人にはサイテー映画扱いとなるだろう。オレはどちら側かと言うとどんぶり飯3杯食っちゃう方の人なのである程度楽しめた!

勘違いとはいえ衣装もセットもとりあえずきちんと作られていてデザインも面白いし、殺陣もまあまあ見られるものになっているし、物語のテンポも悪くないし、真田広之の超劣化版みたいなサムライやスティーヴン・セガールのバッタモンみたいな敵ボスは笑えるし、主人公キャラたちのメイクとルックスが濃すぎなのがちょっと胸焼けするが、全体的にはオレは好きだな。本国でも割と好評だったらしくなんと3作目の企画が進行中とか!?え、いいんっすか!?

スペシャルID 特殊身分 (監督:クラレンス・フォク 2013年中国・香港映画)

この間『ディパーテッド』を始めとする潜入捜査モノ映画をあれこれ観たことをツイートしたらオススメされた作品。というかそれ以前にドニー・イェンが主演してるっていうんだからこりゃ観なきゃダメだろ!物語はなにしろ潜入捜査モノではあるが、正体が発覚するかしないかなんて緊張感は皆無で、その代わりドニーさんのノホホンとした鷹揚さと、熱血かつ破天荒なキャラがとことん楽しい作品だ。アクションの良さは言うまでもないが、カーチェイスがまた技ありで、観ている間中「スゲー!スゲー!」と喚きまくっていたオレだ!これはガチでカタいアクション映画秀作だな。

PIG/ピッグ (監督:マイケル・サルノスキ 2021年アメリカ映画)

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かつては名シェフだった男が山にこもりトリュフ採りの豚と暮らしていたが、その豚が奪われてしまい男は探索を始める、というお話。ニコラス・ケイジ主演でさらにニコケイ映画出演100本目作という事で観てみた。「豚を奪った奴は容赦しない!」という血腥いアクション物かと思ってたらさにあらず、主人公の過去と現在の心の旅路を描いたようなお話だったな。ニコケイ映画だから観たけどそうじゃなきゃなんだか地味目な映画で終わってたかも。

ザ・コンストラクター (監督:タリク・サレ 2022年アメリカ映画)

国家に捨てられた特殊部隊員が傭兵として汚い仕事に手を染めるがさらに裏切りに遭い…...という映画『ザ・コントラクター』を観た!何もかも信じる事のできない非情の世界、紙よりも薄い命の価値、うおおこれは裏ブラックオプス案件じゃないか。こんな冷え冷えとしたエスピオナージュ作品大好きなんだよな。

リコリス・ピザ (監督:ポール・トーマス・アンダーソン 2021年アメリカ映画)

70年代腐れ縁少年少女のグダグダな恋愛模様を描いてるんだが、なぜかこれが面白い。主人公少年少女の見るからに素人配役な初々しさと、適当でインチキな性格が醸し出す人間臭さ、全体的にふわっとした深刻ぶらない感じ、それと併せて最大の魅力は70年代アメリカ風俗のドリーミーな空気感か。

シーフォーミー (監督:ランドール・オキタ 2021年カナダ映画

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全盲の女性がバイト先の無人の豪邸で強盗団に襲われるというスリラーだが、主人公がスマホの支援サービスを使いながら危機を乗り越えてゆく部分が新しいか。とはいえ主人公が人の話は聞かない上に倫理観に乏しく、そもそも彼女が余計な事をしたばかりに事態が悪化したとしか思えなくて観ていて白けたな。

シチリアを征服したクマ王国の物語 (監督:ロレンツォ・マトッティ 2019年フランス・イタリア映画)

イタリア作家ディーノ・ブッツァーティの同名児童文学のアニメ化作品。息子クマを人間に奪われたクマの王が戦いを繰り広げる物語だが、魔法使いやお化けや化け猫が登場し、子供も喜べるファンタスティックなテイストが満載。コロコロしたクマたちがワチャワチャ動いているのを眺めているだけでも楽しいが、なによりも絵本を眺めているようなアートした背景美術が非常に美しく、変幻自在に躍動するアニメーションもまた素晴らしい作品だった。

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん (監督:レミ・シャイエ 2015年フランス・デンマーク映画

19世紀ロシアを発端とし、北極点を目指したまま行方不明となった祖父の船を探すため冒険の旅に出た少女を描くアニメ作品。美しいグラフィックと力強い物語性、恐怖さえ感じさせる過酷な自然環境の迫真的な描写にただただ見入ってしまう。そんな困難の中、祖父への思いを胸に果敢に旅を続ける少女の、凛とした姿が胸を打つ作品だ。これは大人でも子供でも楽しめる良作だろう。

カラミティ(監督:レミ・シャイエ 2020年フランス・デンマーク映画

アメリカ西部開拓時代に実在した女性ガンマン、カラミティ・ジェーンの子ども時代を描いたアニメ。『ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん』のレミ・シャイエによる監督作という事で観てみた。まずなにしろ『ロング・ウェイ・ノース』同様にグラフィックが美しく、開拓民の生活を生き生きと描いている部分が素晴らしかった。だが主人公少女カラミティのキャラがガサツ過ぎてその辺どうも乗り切れなかったな。