愛がなくても喰ってゆけます。/ よしながふみ

愛がなくても喰ってゆけます。

愛がなくても喰ってゆけます。

作者自身がモデルあろうと思われる主人公が、恋人なのかそうでないのかよく分からないパートナーや知人友人たちと都内の実在のレストランを食べ歩きながら、ちょっぴり切なかったり寂しかったりする心情吐露をしてみたりする物語である。食べることが大好きなのはよく分かったけれども、レストランや料理紹介の漫画のように見えて、実は主題はそこではなかったりする漫画である。「愛がなくても喰ってゆけます。」というタイトルには、漫画家と成功して、グルメ雑誌に載るような店ばかり食べ歩くことが出来るようになっても、でも男女の愛には乏しい生活をしている、という自嘲がこめられているような気がする。それにしても主人公を巡る男性関係はぼかしてあるのかなんなのかイマイチよく分からない。よく分からないから主人公も悩んでいるのかもしれない。