■デッドプールv.s.カーネージ / カレン・バン, サルバ・エスピン他
いまやマーベル・ユニバースきっての人気者になった“饒舌な傭兵"デッドプール。今度のお相手はカーネイジ……スパイダーマンから生まれたヴェノムから、さらに生まれた“最悪のスパイダーマン"である。殺戮を繰り返すカーネイジがデッドプールと出会い、血を血で洗う凄惨な戦いが始まった。デッドプールがカーネイジの口に手榴弾を突っ込んだかと思うと、カーネイジはデッドプールをバラバラに引き裂く……。常軌を逸した真紅の2狂の凶演、果たして勝利はどちらの手に……!?
アメコミは詳しくないがデップ―だけはなんだか好きで、翻訳が出たら読んでいる。なにしろ詳しくない人間なんで「デッドプール」じゃなくて「デップ―」などと通っぽく言うのすらドキドキしているが。さて『デッドプールv.s.カーネージ』なんだが、実はこの「カーネージ」、なんとなく姿かたちは見たことがあるのだけれども、「ヴェノム」とどう違うのか、オレは全然知らなかった、分かっていなかったのである。「スパイダーマンの悪い奴バージョン」程度の認識でしかなかったのである。例えば映画『スパイダーマン3』に出てきたのはカーネイジですかヴェノムですか?と尋ねられたら「え?」とか言ってしばらくもにょった挙句『アメージング・スパイダーマン』はそんなに悪い映画じゃ無かったっすよねえ、などと話を逸らそうとするであろう(今調べたらヴェノムだった。いや、そうじゃないかと思ってたんだけどさ!)。そんなアメコミに無学なオレではあるが、この『デッドプールv.s.カーネージ』では別紙でその辺の丁寧な解説が付けられていて大変勉強になった。人間何事も精進である(全然関係ないが今「しょうじん」を変換しようとして「小人」が出てきて「オレに限って言えば人間何事も小人なのか…」と諦め混じりで思ったりした)。でまあ話が逸れまくっているが『デッドプールv.s.カーネージ』である。カーネージの登場するコミック自体初めて読むが、物凄く残虐なヤツである。あっちでもこっちでも殺しまくりで紙面は血の海である。おまけになんだか『寄生獣』みたいな変形をするし、全体的にグロい展開を見せてくれる。これは非常に喜ばしい。しかもこのカーネージ、どうやら不死身なのらしい。対するデップ―も不死身キャラなので、不死身同士の戦いがどこに収め所を見つけるのが興味の湧く話である。デップ―のとったあっと驚く最後の戦略もなかなかいい。ただ、カーネイジのパートナーとして登場する女ヴィランがなんだかパッとしないのがちょっと残念である。デップ―は例によって軽口叩きまくってて頼もしかった。
- 作者: カレン・バン,サルバ・エスピン他,高木亮
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2015/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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■アイデンティティ・ウォー:デッドプール/スパイダーマン/ハルク ジョン・レイマン, リー・ガーベット他, 高木亮
研究所の爆発でパラレルワールドに放り込まれたデッドプール、スパイダーマン、ハルク。3人がそこで出会ったのは……? 億万長者のプレイボーイで、世界最強のスーパーヒーローとなったスパイダーマン、だがその裏には、恐るべき欲望が潜んでいた……! そしてデッドプールはドクター・ドゥームの鉄仮面をかぶり、“デス・マスク”と名乗ることに。さらにブルース・バナーはドクター・ストレンジとして、地獄から来たハルクと戦おうとしていた……。『アイデンティティ・ウォーズ』としてまとめられたマーベルの個性派3ヒーローのアニュアルを収録!
デッドプールとスパイダーマンとハルクがパラレルワールドに飛ばされ、そこで各々のちょっと違った姿の分身と出会いあれこれの事件が巻き起こる、という物語である。他にも「ちょっと違った姿のヴィラン」とかが現れるが、オレはこの辺詳しくないんであんまり言及しない。物語は3部構成で、それぞれにスーパーヒーロー3方が中心となって活躍する物語が描かれる。さてスーパーヒーロー3方登場!というと例の『アベンジャーズ』みたいなお得感があるかもしれないが、個人的にはスパイダーマンもハルクもデップ―ほど興味無いので、「デップ―のコミック」を読みたかったオレとしては少々物足りなく感じてしまった事は告白しておく。あと、たいしてアメコミを読んでいないオレなのにもかかわらず、その少ない作品に妙に「パラレルワールドもの」が多く感じてしまい、なんだか新鮮味が感じなかった。まあこの辺はマーベル・ユニバース(だっけ?)の展開がパラレル・ワールド込みで成立しているらしいので(だよね…?知識が無いので断言できないんっすよ)アメコミ読者にとっては「普通だろ」ということなんだろうなあ。だからコアなアメコミ・ファンのほうがより楽しめる物語ってことかもしれない。ただ、マントした別世界のスパイダーマンや角のの生えた橙色の地獄のハルクとかは面白かったですよ。
アイデンティティ・ウォー:デッドプール/スパイダーマン/ハルク (ShoPro Books)
- 作者: ジョン・レイマン,リー・ガーベット他,高木亮
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2015/08/26
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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