ワクチン予約した。

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Photo by Daniel Schludi on Unsplash

先日、区で行う新型コロナウィルスワクチン接種を予約することができた。昨年から始まった新型コロナウィルス大流行から約1年半、ようやくここまで漕ぎつけたか、と思うと何とも言えない感慨が湧いてくる。ワクチン接種は10日ほど後で、まだ打ったわけではないのだが、とりあえずひと段落着いた気持ちだ。

オレは東京23区在住だが、オレの住む区では65歳以上が5月から接種が始まっており、まあ順当に行くなら今年58歳のオレに回ってくるのは早くて7月過ぎかな、とは思っていた。6月には区の公報から月の終りには接種券を配送する予定であると知らされたが、半信半疑ではあった。

その間にも、日本のあちこちで高齢者・医療関係者・基礎疾患患者以外のワクチン接種が始まったニュースを聞き、さらにオレの同僚の東京在住者もボチボチ打ち始め、さらにはオレの相方の職場接種の日程が決まったことも聞かされた。なんとなく置いてけぼりな気持ちではあったが、まあ急がなくともそのうち打てるだろう、ぐらいの気持ちではいた。しかしそのうち打てるだろうとは思いつつ、やはり早くさっさと打ってしまいたかった。

オレは現場仕事を担う肉体労働者で、こんな仕事なもんだからリモートワークなんぞあるわけもなく、コロナだろうがなんだろうが去年からずっと会社に出勤していた。今日の東京は感染者1000人?2000人?知った事か。出勤しなけりゃ給料貰えねえ。まあ職場が辺鄙な場所にあるうえに職員の数も少なく、不特定多数の人間と接することもあまりない仕事なため、それほど神経質にならずに仕事を続けていられた。とはいえコロナ流行りはやはり鬱陶しいものだし、これから夏にかけてのマスク着用もやはり鬱陶しいし、こういうのからさっさと解放されたいなということは当然ながら思っていた。

もうひとつ、外食したり酒を飲みにいけないのがとても窮屈だった。オレの楽しみは外で美味いもんを食い美味い酒を飲むことだからである。とりあえず週末になるとウーバーを利用してあちこちの料理店から美味い料理を取り寄せ、自宅でレストラン気分を味わってはいたが、やっぱりさあ、外で飲食することの楽しさとはまた別なんだよなあ。ビールにしても家で飲むのとビール専門店で飲むのじゃ全く違うよ。だからね、早くワクチン打ちたかったのは外食したかったこともあるんだよな。

(そうは言いつつ、この間高血圧患者認定されたので、もはや好きなものを好きなだけ飲食するってわけにもいかなくなっちゃったんだが)

そんなことを思っていたある日、遂にワクチン接種予約票が来た。オレの住む区では60~64歳、50~59歳、以下10歳区切りで1週間ずつづらしながら予約を受け付けるのらしい。ただ、接種場所に指定されていた幾つかの病院のHPを調べたらワクチン供給量が追い付いていないために現在予約を受け付けていないという。集団接種場所は大丈夫なのではないかとは思っていたが、区のHPを見たら区の人口に占める64歳以下のワクチン確保量はまだ17%程度だというではないか。ううむ、これは電話や予約サイトに繋がるかどうかという以前に、予約できるのかどうか限りなく不透明ではないか。

そんなこんなで予約開始日当日、予約は10時から始まるのだが、オレは区の運営するネットの予約システムを使うことにしていた。オレは職場の連中に「ワクチン予約だから!」と断って事務所のパソコンに張り付き、10時丁度にログイン、その時点で125人待ちで予約サイトに繋がるのは4分後という状態、しかし4分なら大したことないなーでもその間にワクチン確保量終了とかヤダよなーとかやきもきしつつそのうちサイトに繋がり、エイヤ!とばかりに予定していた接種場所に10日後ということで予約を入れられた。予約終了である。ちなみにオレの区はファイザーのワクチンである。

予約ができた時の晴れ晴れとした気持ちと言ったらなかった。最初でも書いたが、とりあえずひと段落着いたなーと思ったのだ。なんと言ってもあとはワクチンを打つだけなのである。それと同時に、大仕事やり終えたあとのとてつもない疲労感がオレを襲った。事務所にいた職場の連中に「ワクチン予約取れた!予約で疲れたからもう帰ってもいい?」と聞いたら真顔で「それはダメ」と言われた。

ワクチン接種が10日後、それから3週間後に2回目のワクチン接種、抗体ができるのがさらに2週間後、つまり本当に安心できるのは4、50日ほど後のことになる。暦ではもう9月になる頃だろうか。まあいい、1年半待ったんだ、そのぐらい今まで通り注意して過ごせる。実のところ変異種がどうとか全く安心できるわけではないのだが、それはまたこれからの研究に任せるしかないし、とりあえずワンステップ踏み出せたじゃないか。

相方とも「お酒も飲みに行けるね、非常事態宣言が長引かなかったら」「二人ともワクチン打ったらちょっと旅行したいね」などと話した。それは1年半前は当たり前だった「日常」ということだ。オレは早くあの「日常」を取り戻したい。毎日の、靴の中に入った小石のようなちくちくしたストレスから早く解放されたい。そういや、外食や旅行だけじゃなく、もうひとつやりたいことがあった。オレはクラブで踊りたい。大音量の音楽に包まれて、頭を空っぽにして踊り惚けたい。歳も歳なので実際はやらないとは思うのだけれども、でも実は、ずっと思ってたんだ、新型コロナ騒ぎが終わったら、最高の音楽の流れる最高のクラブで、夜通し踊り続けたいって。