今年はたくさん本を読んだのだ
今年はなにしろたくさん本を読んだ。実のところ数で言うと50冊ぐらいで、一日一冊は読んでいる読書家の方から見れば「それで沢山?」と思われるかもしれないが、これまで月2,3冊程度しか読んでいなかったオレにしては相当な数なのだ。週に一冊読んでいた計算かな。これは58年のオレの人生で最多の数かもしれない。
なんでこんなに読めたかというとKindle導入のお陰だろう。Kindle読み上げ機能で、あたかもラジオ番組を聴いているように本を読んでいた(聴いていた)のだ。
とはいえ「これからもこの調子でいっぱい本を読もう!」という気もあんまりなくて、それは紙の本とは別に「Kindle用の本」を毎回別途用意することが目的化してしまって、それがちょっと鬱陶しく感じて来たからなんだよな。なんだか「情報消化」のためにムキになって本読んでいたようなもんだったんだよ。来年はこの辺りをちょっと改めて、もっとのんびり本を読みたいと思ってる。
という訳で今年読んで面白かった本とコミックをざっくりと紹介。新刊ではない作品も結構あります。
SF部門
今年も『三体』を始めとして中国SFが快進撃でしたね。そんな中珍しいイスラエルSFの傑作選『シオンズ・フィクション』が異彩を放っていました。それと、小松左京の『日本沈没』を今頃やっと読んで非常に衝撃を受けました。
三体Ⅱ 黒暗森林 (上)(下) / 劉 慈欣
時のきざはし 現代中華SF傑作選 / 立原透耶・編
荒潮/陳 楸帆(チェン・チウファン)
月の光 現代中国SFアンソロジー
シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選
ホラー/ファンタジィ部門
キング親子の新作長編はガチでしたね。キング短編集も充実していました。ニール・ゲイマンの過去作にも大いに感銘を受けました。ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィストの短編集の寒々とした感触も忘れ難い。そしてなんといってもエリック・マコーマックの『雲』!これは今年読んだ本の中でも抜群の面白さでした。
眠れる美女たち(上)(下) / スティーヴン&オーウェン・キング
マイル81 (わるい夢たちのバザールI) 、夏の雷鳴 (わるい夢たちのバザールII) / スティーヴン・キング
壊れやすいもの/ニール・ゲイマン
ボーダー 二つの世界/ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
ミステリ部門
今年はオレにしては割とミステリを読んだほうですね。それにしてもジョン・ル・カレの訃報はとても残念でした。
スパイはいまも謀略の地に / ジョン・ル・カレ
影の子 / デイヴィッド・ヤング
拳銃使いの娘/ジョーダン・ハーパー
1793 / ニクラス ナット・オ・ダーグ
ブルーバード、ブルーバード / アッティカ・ロック
文学部門
文学小説ってあんまり読まない人間なんですが、この2作はオールタイムベストに入れてもいいほどに素晴らしい作品でした。いやあ文学って凄い。
ロリータ / ウラジミール・ナボコフ
コミック部門
コミック作品、こうして並べてみると結構「ガロ系」であったりオルタナ系な漫画家さんの作品であったりして、オレの好みが如実に分かりますね。
風水ペット (2)/花輪 和一
狂気の山脈にて(1)~(4)/田辺剛
死都調布南米紀行/斉藤潤一郎
そせじ (4) /山野一
西遊妖猿伝 西域篇 火焔山の章(1)/諸星 大二郎
水木先生とぼく/水木プロダクション
小犬のこいぬ/うかうか