こんなブログも16年も続けていると、オレの如きコミュ障の引き籠り野郎であっても幾人もの方と知り合うものだ。実際にお会いしたり、その後も懇意に付き合ってくださる方も何人かいる。実はオレの相方ともブログで知り合ったのだ。
しかしこうして長くブログを続け、知り合う方が多くなると、その中には、亡くなってしまわれる方もいる。
先日10日、ネットにおけるオレの古くからの知り合いであったレイジーさんという方が亡くなった。ここ数年、癌で闘病生活を続けていたので、そういった理由によるものなのだろう。
レイジーさんはオレより10コぐらい上の女性で、オレの初期のブログにいつも楽しいコメントを載せてくれていた。ブログで様々な方との交流が多くなってきたので、じゃあオレの主催でオフ会を開こうか、という時に真っ先にいらしてくれた方の中の一人だった。あれは13年前の、丁度4月の今頃だった。
レイジーさんはもともとは美術畑の方だったのらしいが、お会いした時は専業主婦として生活しており、旦那さんや娘さん、家の家事の話をよく聞かせてくれた。なかなかに浮世離れした感性と体験談を持っており、そのあまりに破天荒な内容に、いつも場を大いに沸かせてくれた方だった。彼女のその素っ頓狂な話に、何度腹を抱えて笑い転げたことだろう。いつも若々しく、お洒落で可愛らしいおばさまで、誰からも好かれていた。そんなレイジーさんに会いたくて、皆で何度もオフ会を開いた。ブリティッシュ・ロックが好きで、お酒が好きで、人生を愛する方だった。
そんなレイジーさんが癌に罹ったと知らされたのは何年か前だった。その後治療の経過が良かった時に1，2度お会いしたが、その時はとても元気そうで、このまま病気を撥ね退けてしまうんじゃないかと思っていた。とはいえ病気は進行していたらしく、お会いすることも難しくなり、そして先日の訃報を聞いたという訳である。そろそろ会いたいよね、と相方とよく話していたけれど、結局果たすことができなかったのが残念でならない。
訃報は、彼女が残したブログに、娘さんが書き込むという形で知った。インターネットが一般的になった今ではよくある事なのだろうと思う。ネットで知り合った方の死をネットで知る、という時代なのだろう。そもそも、それなりのお歳であったのにもかかわらず、果敢にネットに挑戦し、コミュニケーションの場を拡げていったという方でもあった。オレ自身が結構なイイ歳なので、オレより上の方の、オレの知らない豊かな知見や経験を知るのは、とても素晴らしい体験だった。
人はこうしていつか亡くなってゆくものなのだろうけれど、共に過ごした時間や楽しかった思い出は決して消え去りはしない。オレはいつまでもレイジーさんのことを愛し続けるだろう。さようならレイジーさん。安らかに。
