クリスマスはトナカイ……ではなくエゾシカだったッ!?

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unsplash-logo Tj Holowaychuk

そういやクリスマスだったな、と思ったのである。なんだか「あんまり興味は無いが世の中の趨勢らしいのでなんとなく思い出した」みたいな余裕ぶっこきまくってますアピールたっぷりのスカしたモノの書き方だが、オレは別にスカしたかったわけではなく、「クリスマスについてのエントリは書いてなかったな」と思っただけなのである。

最後にこのブログでクリスマスのエントリ書いたのは2012年じゃないか。今年は2018年だから6年も書いてなかったじゃないか。いや別に書きたくなかったら書かなきゃいい話なのだが、ただ「今年のクリスマスは相方さんから珍しい料理作ってもらいましたよ」という話がしたかっただけなんだ。

そもそも前回書いた2012年のクリスマス記事では相方さんが「パテ・ド・カンパーニュ」を作ってくれたので、それがとっても珍しかったから記事にしたんだ。

でさ、今年はさ、なんと「エゾシカのロースト」を作るって言うじゃないか。ジビエに挑戦したいって言ってるじゃないか。これも珍しいから、やっぱり記事にしたいじゃないか。そういや以前相方さんの誕生日の時にジビエ料理喰いに行った事があるなあ、あん時ゃ面白かったなあ、といろいろ記憶が甦ったりした。

で、なにしろエゾシカだ。エゾシカって言うぐらいだからエゾの鹿だ。エゾってなんじゃろっ、て方もいるかもしれないので説明するが、エゾっちゅうのは蝦夷って書いて北海道の古称のことでもある。要するに北海道に野生する鹿なんだ。これは奈良の鹿なんかと違って大いに野生的だぞ。見てくれやこの写真。

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この写真はネットで拾ってきたとかそういうんじゃなくて、オレが撮ったものだ。オレは北海道生まれなんだが、以前実家に帰った時に、公園に行ったらたまたまおったのを撮ったものなんだ。これ、現地では別に珍しい生き物でもなんでもなく、山のほうに行くと普通におる。普通におるだけではなくて、たまに市街地に降りてきてはゴミ集積所を漁ったりしておる。まあオレの実家がどんだけ田舎なのかということを実感してもらいたい。

ゴミ漁りだけでなく農作物も荒らしたりしているので、割と害獣でもある。だから駆除もされていて、今ザックリ調べたら年間10万頭もやっつけられているらしい。それでだ。その10万頭、どうしてるのかってことなんだがな。やっぱさ。食おうよ。殺ったらきっちり食おうよ。以前椎名誠のエッセイを読んだときに椎名さん、「オレが今まで食った肉の中で最高に美味かったのは鹿肉だしこれなんで流通に乗せないの」とかなんとか書いてたけどオレもそう思うよ。

なんか説明が長くなったけどそんな訳でなにしろ今年のクリスマス料理はエゾシカということになったんだよ。ネットで普通に通販されていて、それを見つけた相方さんが「シカ!今年はエゾシカ!」と大きな眼をクリクリさせながらオレに言ったんだよ。「いいねえ」とオレは答えたね。クリスマスに鹿肉食うなんてなんだかヨーロッパぽいじゃないか。七面鳥なんて大雑把なメリケンに食わせときゃいいんだ。

そして注文して届いたのがコレ。

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おお!「北海道産エゾ鹿肉ヒレ」!いいっすねえ!なんかもう血の色が赤々としてますねえ!400グラムあるから二人で分けて丁度いいぐらいじゃないか!?

とはいえさあ、この3連休、相方さんは仕事忙しくて全部出勤だったんだよ。オレは休みだったけど。そんな中できっちり下ごしらえしてくれた相方さんありがとう。相方さんも頑張ってくれたんで、オレはビールを揃えたんだよ。クリスマスはワインでもシャンペンでもないんだよ、ビールだよビール!

まずは創業明治5年の日本酒蔵元、愛媛県にある梅錦山川の作るクラフトビール、「梅錦ビール」のセットだ。オレは今まで日本のいろんな地方のクラフトビールを飲んできたが、この「梅錦ビール」がその中でも最高に美味いクラフトビールだと思っている。

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そしてドイツビールだ。ビールといえばやっぱりドイツだからな。そしてそのドイツのビールの中で個人的に最も美味いビールだと思うのがこの「ヴェルテンブルガー」だ。なんでも「7世紀頃にドナウ河畔ケールハイムの地に創建されたバイエルン地方最古の修道院、ヴェルテンブルク修道院において西暦1050年からビール醸造が成されている世界最古の修道院醸造所のビール」ということなんだ。要するに1000年の歴史を持つドイツビールなんだよ!美味くない訳がなかろうが!f:id:globalhead:20181225211233j:plain

こうして酒が揃いあとはお肉が焼けるのを待つばかりだ。前日からレーズン&ワインで下ごしらえをした鹿肉を低温調理する。 要するにローストビーフの要領だ。鹿肉はステーキにしても薄切りにして焼肉にしても他にも鍋でも美味いらしいが、今回はロースト鹿肉と言う訳なんだ。

そうして出来上がったのがこれ。

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血合いが多いので出来上がりは黒っぽく見えるが、立派なロースト鹿肉の出来上がりだ。これにレーズンソースをかけて食すのだ。

一口食べてみるとこれがまた柔らかい。ヒレということもあって脂肪が全くなく、一晩レーズン&ワイン汁に漬けたので臭みも殆ど無い。殆ど無いのだが、噛めば噛むほどに野趣溢れる味が沁み出してくる。ステーキではないので塩胡椒で食うのよりもやはり甘いソースが合う。なにしろもう、下手な家畜肉を食うのよりも数倍美味い、牛肉なんかより臭みがなくその分牛肉よりも美味くすら感じた。いやこれ、クリスマスといわずにたまに食べたいよね?

そんなわけでドイツビール飲みィの、鹿肉食いィの、合間にベークトポテト頬張りィの、と、得も言われぬ非常に楽しい食事であった!相方さんありがとう!そしてメリークリスマス!

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