映画『ブラッディ・ローラ 殺戮の催眠美少女』はそんなに美少女じゃなかった!?

■ブラッディ・ローラ 殺戮の催眠美少女 (監督:ウィリアム・マローン 2008年アメリカ映画)

ブラッディ・ローラ 殺戮の催眠美少女 [DVD]

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お話のほうはといいますと、嗜眠症で病院のベッドで眠り続ける少女に一目惚れした青年が病院から彼女を連れ出しますが、その病院には少女の夢を支配していた連続殺人鬼も入れられていて、少女を取り戻すために病院から脱出、次々と殺人を繰り返しながら少女と青年を追いかけまわす、というスプラッター・ホラーであります。それにしてもいくら鎖で繋がれているとはいえ凶悪犯罪者と一般患者が病院の隣同士の部屋にいるという設定がまずアリエネーと思いましたし、いくら惚れたからってナニモンかもわからん少女を病院から誘拐する青年ってぇのも、それって普通に立派な犯罪じゃねーか!?と初っ端から突っ込みどころありまくりです。童話『眠れる森の美女』を下敷きに下という話ですが、「惚れた彼女をさらって二人で幸せになるんだ!」なんていうなんだか中2病的なかな〜りイタいメルヘンに溢れた作品、ということが出来るかもしれません。だいたい『戦慄の美少女』とかいう日本での副題がつけられてるけど、ヒロインがあんまり美少女じゃないところも少々心を折れさせる要因になっております。ただ"邪眼の持ち主"という殺人鬼の設定は面白いと思いますし、クライマックスの凝りまくった美術の"殺人鬼の館"はなかなかに観るべきものがあって、この辺のセンスは妙にいいんですな。『TATARI タタリ』のウィリアム・マローン監督による作品らしいですが、もうちょっと脚本どうにかすれば見られる作品になったかもなあ。