■バットマン:ロング・ハロウィーン(Vol.1)(Vol.2) / ジェフ・ローブ(ライター)、ティム・セル(アーティスト)

- 作者: ジェフ・ローブ,ティム・セイル,ヤスダシゲル
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ゴッサムシティを闇で牛耳り人々を震え上がらせるマフィア組織、ローマン一家。彼らを壊滅せんと戦い続けるバットマン、ゴードン警部、デント検事。そしてハロウィーンの夜、第1の殺人が起こる。殺されたのは暗黒街の帝王ローマンの甥、ジョニー・ヴィティ。その日以来、祝日が来るたびに殺人は行われ、ローマン一家を追い詰めてゆく。その殺人鬼はこう呼ばれた、"ホリディ"と。ホリディとは何者なのか?その真の目的は何なのか?バットマンの活躍も虚しく犯行は繰り返され、次第に捜査班は焦燥と疑心暗鬼に取り付かれていった…。夜の闇には仮面を被った狂気の怪人たちが蠢き、バットマンの陰ではキャットウーマンが謎めいた行動を繰り返す。そしてホリディが検挙されぬままゴッサム・シティは再び血塗られたハロウィーンを迎えようとしていた。それは長い長い、"ロング・ハロウィーン"だったのだ…。これがノアール・コミック巨編、「バットマン:ロング・ハロウィーン」の物語である。
この「ロング・ハロウィーン」はホリディの正体を巡るミステリーとして展開する。ホリディは対立マフィアの人間なのか。ローマン一家の内部犯行なのか。ローマン一家と過去に深い関係があったブルース・ウェインなのか。それとも凶悪犯罪を憎む熱き司法検事ハービー・デントの仕業なのか。そして次々に登場するジョーカー、スケアクロウ、ポイズン・アイビー、リドラーをはじめとするバットマンお馴染みの悪役たち。この悪夢の饗宴といった悪役=ヴィランの総登場もこの物語をさらに暗く異様なものへと染め抜いてゆく。そして彼らフリークスどもはクライマックス、地獄の釜の蓋を開けたかのようにゴッサム・シティを百鬼夜行し、バットマンと対峙するのだ。
謎が謎を呼ぶ展開はそのラストに驚くべき真実を顕わにする。オレはミステリー小説などは苦手なほうなのだが、この「ロング・ハロウィーン」での犯人探しミステリーは楽しめたし、見事に騙された。まさかそんなことだったとは…。そして誰もが予想しなかったであろうその結末に、読むものはどこまでも深い遣り切れなさと強い哀切を心に残すだろう。かく言うこのオレも、まさかアメコミで、バットマンで涙するとは思わなかった。その救いの無さにではない。救いを信じ続けることしかできない人の心の哀れさにだ。「バットマン:ロング・ハロウィーン」は噂に違わない傑作であると言えるだろう。
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