カレー風味のカンフー映画はお惚けインド人が主役だった!?

■チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ (監督:ニキル・アドヴァーニー 2009年インド・アメリカ映画)


ボリウッド・カンフー・ムービーである。インド4000年の神秘の格闘映画なんである。インド、デリーの繁華街チャンドニー・チョークでしがないカレー屋のコックをしていた男シドゥ(アクシャイ・クマール)が、伝説の勇者の生まれ変わりと勘違いされ、中国のド田舎までギャングを倒しに行くというお話である。

なにしろ主人公シドゥのヌボーッとしたボンクラ男ぶりがいい。ルックス的にはアダム・サンドラーに似てないことも無い。しかしこれがカンフーをマスターした後屈強そうに見えるから不思議だ。映画はインド・タイ・中国をロケしているが万里の長城なんかも舞台になっている。アクションはどこまでもコミカルで、ワイヤーとCGのてんこ盛りのヴィジュアルはマンガみたいだし、敵役は日本人ヤクザだし、生き別れた姉妹と父の奇跡の対面とかその姉妹が敵対してるとかベタ過ぎる物語展開があったりするけど、この判り易さが逆にボリウッドぽくていいんじゃないかな。

コスチュームをとっかえひっかえしながらのミュージカル・シーンは随所に盛り込まれ、これも素直に楽しかった。あと敵から逃れるためにビルの屋上から秘密兵器の傘で飛び降りたシドゥとヒロイン・サキ(ディーピカー・パードゥコーン)が、なぜかそのあと月夜の空をロマンティックにふわふわと滑空して愛を語り始めるという場面ではあまりの展開に場内大爆笑!そして鋼鉄の体に生まれ変わったシドゥがにっくき敵のボスキャラとマサラ風味のカンフーで対決するラストまで、頭からっぽにして観られる娯楽映画に仕上がっている。上映時間は155分、ボリウッド・ムービーとしては短いぐらいなんだろうが、こんなふうに歌あり踊りあり、笑いあり涙あり、出会いあり別れあり、さらに敵味方分かれたド派手なカンフーのアクションが盛り込まれ、2時間半の中にこれでもかと物語の要素を詰め込んだ、「取り合えずお代の分だけお腹一杯になって帰ってください!」と言わんばかりのなんでもありの作品であった。

ただしそこはマサラ・ムービー、脚本の妙や緊張感溢れる急転直下のドラマ展開などを期待してはいけない。亜熱帯気候のインドでそんなチマチマしたことを言っていてはノーミソがすぐさま沸騰してしまうこと必至だ。即ち、この映画「チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ」は大らかでユルユルで脳天気に仕上がっているのだ。基本は「細かいことはいいから楽しくやろうよ」なんである。だからヒロインがなんでシドゥと一緒に村に行っちゃうの?とか、ちょっとばかりカンフーを修行したシドゥがなんであんなに強くなれんの?とか疑問を持ってはいけないのである。なんとなれば全てはガネーシャ神のお導きと言うことで説明が付くからいいんである。それなので観るほうもガンジス川の流れのように大らかに観る事が大事だ!するとほ〜ら、あなたも愉快で心躍るインド4000年の神秘の至福映画体験を得られるであろう!

そしてこの映画でなによりも重要なのはヒロインを演じるディーピカー・パードゥコーンたんの美人ちゃんぶりだ!オレはもうディーピカーたんが出るたびに画面に目が釘付け状態!見よこのインド4000年の神秘の美貌を!





ディーピカー・パードゥコーンたんは美人TVタレントのサキとその双子の妹で悪の手下となってしまったミャオミャオの一人二役を演じているが、明るく清楚なサキと妖艶で陰のあるミャオミャオ、一つの映画でディーピカーたん演じる二つのキャラを同時に楽しめるという1粒で2度美味しい状態なのだ!いや〜これはお得だね!みんなも映画館に行ってディーピカーたんのインド4000年の神秘の美貌を拝んでくるがいいさ!

それにしてもボリウッド・ムービーって楽しいなあ。また何かどこかでやらないかしらん。

■チャンドニー・チョーク・トゥ・チャイナ 予告編

http://www.youtube.com/watch?v=w7hj0C-YDfE:MOVIE