明るく爽やかに描かれるインドの若者たちの恋と友情〜映画『Yeh Jawaani Hai Deewani』

■Yeh Jawaani Hai Deewani (監督:アヤーン・ムカルジー 2013年インド映画)


ディーピカー・パードゥコーンとランビール・カプール主演、インドの若者たちの青春群像を描く明るく爽やかなドラマです。
主人公ナイナ(ディーピカー・パードゥコーン様)は勉学に励む真面目な大学生だったが、そんな毎日が退屈に感じていた。ある日ナイナは高校時代の同級生女子アディティ(カルキ・コチェリン)と再会し、同じく同級生男子アヴィ(アディティヤー・ローイ・カプール)、そして世界を旅することを夢見る男子バニー(ランビール・カプール)と一緒にインドの山登りの旅に出ることになる。旅先での様々な体験やハプニングを通して、次第にバニーに惹かれてゆくナイナ。しかしバニーはシカゴに留学する予定であることを告げ、そして彼らはそれぞれの道を歩むことになる。そして8年後、アディティの結婚をきっかけに、4人は再び再開することになるが…というのがお話。
もうねー、バブル期の日本の青春映画でも観せられているみたいに《キラッキラ》でしたね。雪山ではしゃぐ4人の若者、医学生で後にお医者さんになるナイナ、カメラマンとして世界を股にかけるバニー、ゴージャスな結婚式を挙げるアディティ、アヴィだけは借金抱えたバーテンダーなんですが、しかし水も滴るいい男なんだからいいじゃないですか!そしてこの4人の熱い友情、素敵な恋!いやーリア充って呼んじゃうぞコノヤロ!…というのは冗談ですが、この映画、きっと高度経済成長甚だしいインドの若者たちの、憧れや夢が込められた物語ということなのでしょうね。
そんな物語ですが変な上昇志向みたいな嫌味も無く、主演4人がとても屈託が無く真っ直ぐな若者たちとして描かれている部分がとても爽やかなんですね。ドラマそれ自体も狙ったような悲劇や鬱陶しい恋愛の駆け引きが描かれることがなく、とても優しく穏やかな調子で展開してゆくんですよ。
中でも新鮮だったのは、この映画で描かれるナイナとバニーの恋の行方の描き方なんですね。これまで自分が自分が観た範囲のインド映画の恋愛描写って、「押して押して押しまくる男」と「根負けして受け入れる女」ばっかりだったんですが、この作品では、淡い想いが少しづつ高まり、この人好きかも?と思ったところですれ違い、そして何年も経ってから、あの時のお互いの気持ちは今はどうなんだろう?と手探りするという、まだるっこしくはありますがリアルな愛の育み方をするんですよ。しかもインド映画ですからやたら放埓だったり奔放過ぎたりしないところが微笑ましくっていいんですよねえ。
今作でもディーピカー・パードゥコーン様は格段の美貌を誇っていましたが、生真面目な学生を演じるために「メガネっ子」な格好をしており、それがまた可愛かったりするんですよ!一方相手役のランビール・カプールさん、以前観た『Besharam』のC調の軽いイメージが自分に刷り込まれてしまって、「なーんかこいつ信用できねーな」などと思ってしまいました、ランビールさん、あしからず。
http://www.youtube.com/watch?v=Rbp2XUSeUNE:movie:W620