ジェフ・マコーマックによるボウイ写真集『David Bowie: Rock 'N' Roll With Me』

David Bowie: Rock 'N' Roll With Me / Geoff MacCormack

David Bowie: Rock 'N' Roll With Me

David Bowie: Rock 'N' Roll With Me』はデヴィッド・ボウイと終生に渡って親交を続けたジェフ・マコーマックによる写真回顧録だ。それはボウイとマコーマックとの友情の記録と言っていい。二人の男が出会った瞬間から別れの時まで、音楽への愛を分かち合った者同士の、親密で、気の置けない時間がこの本の中に流れている。1950年代半ばのバーントアッシュ小学校で出会った二人の日々から始まり、彼とボウイが住んでいた場所、彼らが出会った人々、彼らが共有した様々な冒険が、マコーマックによって撮影され、それはこの回顧録に150枚余りの写真として収録されている。

その中にはボウイ8歳の時の写真、『ジギースターダスト』、『ピンナップス』、『ダイヤモンドの犬』、『ヤング・アメリカンズ』におけるツアー模様、日本ツアーへ向かう船旅の様子、シベリア鉄道に乗って移動したソヴィエトでのワールドツアー、映画『地球に落ちてきた男』の撮影風景、『ステイション・トゥ・ステイション』の録音風景などが、プロモーションではなくあくまで私的なオフショット写真として撮影されている。そこでのボウイは盟友マコーマックを前にどこまでもリラックスした表情を浮かべ、和やかで、率直で、一人の個人的存在として佇んでいるのだ。

書籍はあくまで写真回顧録で、写真集というほど写真の掲載は多くなく、また「ボウイとマコーマックの友人写真」なんてのも結構収録されているから、純粋なボウイ写真集を期待してはいけない。それと実の所文字が多くて、英語のダメなオレには全てを読むことはできない。それでも、今まで手にしたどのボウイ写真集でも見たことのない、貴重過ぎる写真の数々で占められていて、ファンならどの写真にも驚愕させられるはずだ。そもそも、「ソヴィエトツアーにおけるボウイ」なんて写真、こんなものが存在していたのかとすら思わせられた。そんな部分で、コアなファンにこそお勧めしたいボウイ本だと言えるだろう。

《目次》

初期(1957-1965)

10代と20代(1967-1969)

ハドン・ホール:成功の始まり(1969-1972)

アメリカツアー(1973年)

オールドランシッド号で日本への船旅(1973)

ソビエト連邦のエイリアン(1973) 

イギリスツアーとピンナップス(1973)

ダイヤモンドドッグス(1973-1974)

ドッグ・トゥ・ソウル・ツアー(1974) 

地球に落ちてきた男(1974-1975) 

ニューヨーク - ロサンゼルス (1975) 

バックホーム (1976-1991) 

後年 (1997-2016)

※ジェフ・マコーマックによる写真展「Rock ‘n’ Roll with Me – Bowie/MacCormack 1973-76」のプロモーション動画。『David Bowie: Rock 'N' Roll With Me』に収録されている写真の幾つかを見ることができる。