ステイサムⅹガイ・リッチーがまたもやタッグを組んだ非情なるクライム・アクション『キャッシュトラック』!

キャッシュトラック (監督:ガイ・リッチー 2021年アメリカ・イギリス映画)

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オレはジェイソン・ステイサムが好きである。『ワイルド・スピード』シリーズや『エクスペンダブルズ』シリーズのステイサムも悪くないが、やはりピンのステイサムのほうがいい。初期のゲキ渋な犯罪モノもいいし『デスレース』や『アドレナリン』シリーズの馬鹿馬鹿しさもいい(だが『MEG ザ・モンスター』だけは悪いんだが許せない)。ステイサムはその陰気な軍曹顔がいい。無情な世界を生き抜くために自らも無情になった男のようなツラ構えがいい。

そして監督ガイ・リッチー。オレは最初『シャーロック・ホームズ』シリーズや『コードネームU.N.C.L.E.』あたりのメジャー作品(あと『アラジン』ね!)は楽しんでいたが、初期の小規模なクライム・ムービーはなんとなく食わず嫌いしていた。しかしステイサムのデビュー作に関わっていると知り観てみるとこれがまたすこぶる面白い。メジャー作とはまた違う流儀で作られた作風が至極渋くていい。今年公開された『ジェントルメン』もイイ味を出していた。

そのジェイソン・ステイサムガイ・リッチー監督とタッグを組んだ映画が公開されると聞いたらもう観に行かざるを得ない。ステイサムⅹガイ・リッチーのタッグ作はというとこれまで『ロック・ストック&スモーキング・バレルズ』『スナッチ』『リボルバー(リッチーは製作総指揮)』と続いていたが最近は暫くご無沙汰で、この『キャッシュトラック』はなんと16年ぶりとなるのだとか(しかし!来年2022年公開予定の『Five Eyes』でまたもやタッグだとか!やんややんや!)。

《物語》ロスにある現金輸送専門の警備会社フォルティコ・セキュリティ社では、特殊な訓練を受け、厳しい試験をくぐり抜けた警備員たちが現金輸送車=キャッシュトラックを運転していた。そこに新人のパトリック・ヒル、通称“H”が警備員として採用された。採用試験の成績はギリギリ合格というレべルだったHだが、ある時、トラックを襲った強盗を驚くほど高い戦闘スキルで阻止し、周囲を驚かせる。

キャッシュトラック : 作品情報 - 映画.com

物語は陰気な軍曹顔をした謎めいた男(ステイサム)が警備会社に採用されるが、陰気な軍曹顔以外は地味目だったこの男がいざ現金輸送車襲撃となったとき、驚くべきスキルで強盗団を皆殺しにしてまう、というのが発端となる。いったいこの男の正体は誰なのか?そしてその目的は?果たして彼は善なのか悪なのか?謎が謎を呼びながら、またもや次の襲撃事件が起きてしまうのだ。

なにしろこの「謎めいた男の正体と目的」が物語のキモとなるために、この後の展開は一切書けないし、書かない。書かないがしかし、ただ一つ言えることがある。

いやあメチャクチャ面白かったですわ!

凶暴過ぎるステイサムの血と硝煙に満ちた地獄巡りの物語!暴虐!暗黒!冷酷!これだ!これがオレの観たかったステイサム映画だッ!!ミステリアスな序盤でドキドキワクワクし、男の正体が分かる中盤でぐおおっ!と固唾を飲み、そして後半のアクションに次ぐアクションの応酬は脳ミゾがとろけそうになるほどに超最高だったッ!!ステイサムはどこまでも非情な男を貫き通し、そしてその物語もどこまで重々しく、さらに暗く熱く盛り上がる!ガイ・リッチーはお得意の時系列を弄りまくった構成で観る者の感覚を揺さぶり、虫けらのように次々と登場人物をぶっ殺してゆく!

『ワイスピ』や『エクスペンダブルズ』のフットワークの軽いステイサムも悪くない、でもこんな陰気な軍曹顔にぴったりなニヒルでダークなステイサムがやっぱりオレは好きだ!そんなわけでステイサムⅹガイ・リッチー映画『キャッシュトラック』、滅茶苦茶面白いのでみんなも観に行こう!

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