祝・緊急事態宣言解除

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Photo by pan xiaozhen on Unsplash

関東の緊急事態宣言がようやく解除されたというので土曜日の夜は相方と焼肉屋に行こうじゃないかという事になった。焼肉は好きだがビール無しの焼肉はなんだか様にならない。だからもう半年以上焼肉屋に行ってなかったのだ。

相方はこの日も出勤で6時頃帰ってきたのだが、宣言解除の現在も飲食店営業は時短、酒類提供は8時までだから急いで出かけなければならない。

そしてようやく念願の焼肉屋に辿り着きあらん限りの焼肉と、当然ビールも生で注文、早速届いたジョッキを手に取り乾杯した後ゴキュゴキュと喉に流し込む。

「ぶっはー!うっめー!」そうそうこれだ、生ビールはこれなのだ、家でいくらビールを飲めても外で飲む生ビールとはまた別なのだ、久しぶりのビールにオレも相方も陶然とする。

続いて焼肉が次々と届きそれらをジュウジュウと焼きハフハフ言いながら頬張る。ああ焼肉うめい、久しぶりの焼肉が本当にうめい。

注文した肉があらかたはけたので次はどうしようかとホルモン4品セットを注文した。しかし最初は皿一つに4種のホルモンがちんまりと乗って出てくるのかと思ったら、なんと4皿別々にこんもり盛られたホルモンが出てきたのだ。

いやあこれはしくじった。相方はもうお腹一杯だというし、オレはそこからホルモン4皿とさらに同時に注文したカルビをあたかもベルトコンベヤー作業のように焼いては喰い焼いては喰いと機械的に口に入れる羽目となってしまった。まあしかし全部平らげたから無問題だ。食い過ぎていささか気持ち悪いが。

さて勘定を済ませ外に出るとなんと土砂降りの大雨、先日の台風一過の後にまた雨が降るとはよもや思わず、こりゃどうしたもんだべと店先で二人で途方に暮れていた。スマホで調べるとあと30分は降り続いているらしい。

雨宿りして30分待つか―と思っていたら焼肉屋の店員さんが扉から顔を覗かせよかったら使ってくださいと傘を差し出すではないか。おおありがとうありがとう、世の中捨てたものではないね、と相方と相合傘で土砂降りの歩道に足を踏み出す。

まあしかしなにしろこれでもかとばかりに降りしきる雨に傘はそれほど役に立たず、ズボンも靴もすっかりずぶ濡れだ。にもかかわらずなぜかそんなに悪い気分でもない。相方と二人「すっごい雨だね!すっごい雨だね!」とギャアギャア笑いながら雨の中を歩いてゆく。

外を歩く人はほとんどおらず、ただ車だけが車道を大急ぎで走ってゆく。車のヘッドライトに照らされた雨の雫は白くとても透明で、水煙に濁った外の光景は擦りガラス越しに覗いたかのようなもやっとした光の反射を見せていた。

10分ほどでようやくバス停に辿り着くとタイミングよくバスが来た。相方とバスに乗りやっと人心地着く。バスはやはり雨を避けようとして乗り込んだのであろう乗客で一杯になっていた。

見ると相方はオレの傘の差し方が悪かったらしく結構雨に濡れていた。「相合傘って難しいんだよ」と相方が言う。「スマンスマン」とオレは謝る。

こうしてなんとか家に辿り着き、すっかり雨水を吸ってしまった運動靴に新聞紙を詰め、酔っぱらっていたこともあり体を拭いてさっさと寝についた。翌朝は半乾きのまま寝てしまった頭髪が大爆発していてそれを見た相方がポカーンとしていた。ちなみに焼肉屋で借りた傘はお昼に返しに行った。