誕生日会は刺し盛りなのだ

こないだの9月9日は誕生日だったんだが、風邪でちょっと調子が悪かったんで、毎年恒例の「誕生日なんだからなんか美味いメシ食わせろ会」、略して「誕生日会」は別の日という事になったのである。

それが決行されたのは15日のことであった。そして今回のお題は「刺し盛りと日本酒」であった。

これまで誕生日会というと日常生活ではあんまり食べたことの無いお高いモノ珍しいモノを主催者である相方さんに指定してきたオレだが、もうこの年になってみるとお高いモノも珍しいモノも興味が無くなってきた。身の丈に合った、馴染のある食べ物で十分じゃないか、と思えてきたのである。オレも年を取ったのである。とか言いつつ来年は高級レストラン行かせろとか身の程知らずの事をほざいているかもしれないが。

「刺し盛りと日本酒」と言っても、これも高級店や専門店ではなく、電車でちょっとのよく通りかかる繁華街の、よくある居酒屋を選んだ。お店の名は野毛にある居酒屋「叶家」である。よくある居酒屋とはいっても結構内装が綺麗で落ち着いていて、以前行った時にも料理が美味しかったので、「お誕生日会」向けかな、と思ったのだ。

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ちなみにこの「叶家」、俳優の樹木希林さんの実家なのだという。きしくもオレが誕生日会をしてもらった9月15日は、樹木希林さんがご病気で亡くなられたその日である事を後で知り、ちょっとびっくりした。逝く者もあれば誕生日会をしている者もいる。それが人生だ。樹木希林さんのご冥福をお祈りします。

という訳でお店に着き相方さんと二人「とりあえずビールビール!」と逆上気味に注文し、出てきたビールをゴキュゴキュブッハーッ!とやったあとビールの飲みっぷりに気圧され気味の店員さんに「刺し盛りのおっきいのプリーズ!あとお酒!」と注文したオレであった。

そしてこの日の一杯目のお酒は「幻の日本酒」とも謳われる「一四代」であった。お値段は時価(こっそり書くとこの日は一合1600円であった)。誕生日会なんだからこのぐらい飲ませてくれ!

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そして一口……ぶっはーうめいうめい!!

盛り上がったところで懸案の刺し盛り様のご到着である。はいドン。

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うっひゃー豪華豪華!既にオープニングからクライマックス状態!!

その後も白レバやらフグの空揚げやら茄子の煮びたしやらお新香やらシブくかつ美味いもんを着実に注文し、さらに次から次へ日本酒徳利を空けてゆくオレと相方さんだ!

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あれこれつまみつつ刺し盛りの皿も空になったので次の燃料を投入するオレである。

「すんませんトロの握り寿司に握ってください!あとマグロ巻きプリーズ!」そう、このお店は居酒屋とはいえ握り寿司もメニューにあるのだ。さらにトロ握りは無いのだが、トロ刺身は置いてあり、それを握りにしてもらうという荒業を使ったのである。

というわけでトロ!

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そしてマグロ巻き!

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刺し盛りに握り、そして日本酒。どれもこれもうめいうめい。いやあ、日本人に生まれてきてよかった、としみじみ実感できるひと時である。そして〆の日本酒はひれ酒。魚と日本酒の荒っぽい合体技ににんまりしつつ味わったオレだ。

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というわけで日本の味と心をたっぷりと堪能し、スポンサーである相方さんに感謝しつつ今年の誕生日会を終えたオレなのであった。それにしても叶家はイイ店なので、また魚と日本酒を摂取したくなったら来るべえなあ、と語り合ったオレと相方さんであった。

(おしまい)