■ヘルボーイ・イン・ヘル:死出三途 / マイク・ミニョーラ
血の女王との死闘の果てに命を落としたヘルボーイは、故郷である地獄へと堕ちた。地の底で彼を待つものとは何か、そして、ついに明らかになる彼の誕生の真相とは…。1994年にスタートしたヘルボーイの物語を締めくくる最後のシリーズ「ヘルボーイ・イン・ヘル」第一巻。原作者マイク・ミニョーラが作画に完全復帰した、最新にして最後のシリーズがここに始まる。
ヘルボーイは死んだ。血の女王に心臓を引き抜かれて。こうして"地獄の子"ヘルボーイの物語は単行本『疾風怒濤』をもって幕を閉じたが、死して自らの故郷・地獄でのヘルボーイの道行きを描いた新シリーズ『ヘルボーイ・イン・ヘル』が始まることになる。そこで繰り広げられるのはヘルボーイが出生の秘密を知るドラマであり、自らの父である地獄の王との再会であり、地獄の覇権を争い兄弟たちと望まぬ闘争を繰り広げることになるヘルボーイの姿である。鬼哭啾啾たる地獄の寒々しい光景とそこに蠢く魑魅魍魎たちの姿もまたこの作品の魅力だ。マイク・ミニョーラが全編に渡り作画を担当したこの作品はヘルボーイ・ワールドの有終の美を飾ることになる優れた作品として完成している。そしてこの『ヘルボーイ・イン・ヘル』シリーズは次巻『ヘルボーイ:誰が為に鐘は鳴る』で大団円を迎える事が予告されている。括目して待て。
ヘルボーイ・イン・ヘル:死出三途 (DARK HORSE BOOKS)
- 作者: マイク・ミニョーラ,石川裕人,楢谷誠
- 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
- 発売日: 2018/01/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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■ウィッチャー 2:FOX CHILDREN / ポール・トビン (著)、ジョー・ケリオ (イラスト)
ノヴィグラドへと向かう道中で船に乗ることになったゲラルトだったが、その船旅は一筋縄ではいかなかった。無知な輩が乗っているかと思えば、ならず者や無法者までいる始末。ひときわ危なっかしい連中もいて、一人の同乗者の蛮行によって、ゲラルトたちは絶体絶命の窮地に立たされてしまう。彼らには、復讐心に燃える母狐の魔の手が迫っていた!
全世界累計販売本数2500本突破という傑作RPG『ウィッチャー』シリーズのコミック邦訳版第2巻。実はゲームはまるでプレイしていないにも関わらず前巻を購入、その堅牢に作り上げられた世界観と主人公の魅力に結局ゲーム・ソフトを購入することになってしまったオレである(全然やる暇ないけど)。 そんなわけでこの2巻も非常に楽しみにしていたが、今作でも人智を超えたあやかしの存在に翻弄される人間たちと、孤高の道を行く主人公ゲラルドの妖魔退散の戦いとが描かれてゆく。怪物退治の専門家とはいえゲラルドは決してヒーローではなく、むしろ野生の獣を狩るマタギのように、淡々と自らの生業をこなしてゆく存在である、という部分が面白い。その為に卓越した剣術と魔術を駆使するけれども、これもまた決してオールマイティーではなく、むしろ妖魔への畏怖すら持っているという部分にもユニークさを感じる。
ウィッチャー 2:FOX CHILDREN (G-NOVELS)
- 作者: ポール・トビン
- 出版社/メーカー: 誠文堂新光社
- 発売日: 2018/02/09
- メディア: Kindle版
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