今度のトニー・ジャーは強さ無限大だぜ!?〜映画『マッハ!無限大』

■マッハ!無限大 (監督:プラッチャヤー・ピンゲーオ 2013年映画)


地上最強格闘技ムエタイの戦士が鬼神の如く戦いまくるあの『マッハ!』が帰ってきた!?トニー・ジャー主演の最新作『マッハ!無限大』であります。
ここで『マッハ!』シリーズを振り返ってみますと、まずトニー・ジャームエタイの凄まじさを世に知らしめた1作目『マッハ!!!!!!!!(英題: Ong Bak: Muay Thai Warrior)』(2003年)《レヴュー》

そしてアユタヤ王朝時代のタイを舞台にした『マッハ!弐(英題: Ong Bak 2)』《レヴュー》
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さらに『弐』の物語の続きとなる『マッハ!参(英題:Ong Bak 3)』《レヴュー》というのがあったわけですな。
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しかしここで注意が必要なのは、この『マッハ!無限大』、英語タイトルが『Tom Yum Goong 2』となっておりまして、実はトニー・ジャーが2005年に主演した『トム・ヤン・クン!(英題:Tom-Yum-Goong)』《レヴュー》のほうの続編なわけなのですよ。日本じゃどっちかっていうと『マッハ!』のほうが知られているからという理由の日本タイトルなんでしょうが、ちょっとややこしいですな。
では仕切り直して、本当の前作である『トム・ヤン・クン!』を振り返ってみましょう。

『トム・ヤン・クン!』ストーリー
象を愛するタイ人青年カームが、盗まれた象を奪い返す為、悪の秘密結社と熾烈な戦いを繰り広げる!!

ではこの『マッハ!無限大』はといいますと、

『マッハ!無限大』ストーリー
象を愛するタイ人青年カームが、盗まれた象を奪い返す為、悪の秘密結社と熾烈な戦いを繰り広げる!!

というものなんですな。
おいおい、話一緒じゃねーか。

…まあ要するに象大好き青年が象の命を救う為に悪者100人ぐらいムエタイの餌食にしちゃう、というたいへん動物愛護の精神に満ちた物語という訳なんですな。
もうWWF推奨映画と言うことで世界に認められてもいいんじゃないでしょうか。
まあこれだけでは不親切なので公式HPの粗筋を載っけときましょう。

タイの村で、象と共に生活を送る古式ムエタイ兵士の末裔カーム(トニー・ジャー)。ある日、突如現れた動物密輸組織のボス、スチャートにより象のコーンがさらわれてしまう。すぐさまコーンを取り戻す為にスチャートのもとへ向かうが、スチャートは何者かによって殺されていた。警察、スチャートの姪ピンピン(ジージャー・ヤーニン)は、現場に居合わせたカームを犯人と断定し追跡を開始する。複数の追っ手が迫る中コーンの居場所を見つけ出すが、そこは国際的な犯罪王LC(RZA)が運営する世界中の一流格闘家【ナンバーズ】を集めた地下格闘リングだった。果たして、カームは世界最強の格闘家軍団を倒しコーンを取り戻すことが出来るのか?そしてLCが構想する世界掌握ミッションとは?
http://mach-infinite.com/

今回もアクションのほうは抜群です。冒頭では【トニー・ジャーvsバイク300台(概算)】のとんでもない死闘を拝むことができます。これはバイクを駆るエクストリーム軍団と建物の屋上で超絶バトルを繰り広げ、その後も市街地で大クラッシュ大会のチェイスを見せるというもので、多分スタントマン10人ぐらい病院送りになってます。ただしこのバイク対決、バイクの音が相当喧しいです!
さらに【トニー・ジャーvs格闘姉妹】の戦いも描かれます。そしてこの格闘姉妹の一人が、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督による少女格闘映画 『チョコレート・ファイター《レヴュー》の主演、ジージャー・ヤーニンなんですね!

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そう!なんとこの『マッハ!無限大』、トニー・ジャー&ジージャーのダブル・ジャーの競演によるアクション映画という所も見所なんですよ!一挙両得とはこのこと、もうこれだけで劇場に足を運ぶのは必須でしょう!今回のジージャーさん、ガタイのデカイ山のような敵を相手にするため、【針】の遣い手として登場し敵の経絡秘孔を突いたりします!でも『北斗の拳』みたいに「ひでぶ!」「あべし!」な人体破壊はありませんが!
そして最も燃えるのは地下秘密格闘結社【ナンバーズ】メンバーとの鬼気迫る対決でしょう。強敵"No.2"(マレセ・クランプ)の熾烈な技の応酬はトニー・ジャームエタイとほぼ互角、遂にはジャーが完膚無きまで叩きのめされるという場面も。そしてなにしろトニー・ジャー映画の基本は観ているだけで「痛い痛い痛い!これ絶対技はいってんだろ!?」とのけぞってしまうような本気としか思えない技のキマリ方です。もう格闘というより殺し合い、捨て身で戦っているとしか思えません。
ところでトニー・ジャー映画といえば「CG、ワイヤー、スタントマン、早回し無し!」をこれまで謳ってましたが、今回は堂々「全部使ってます」と宣言。しかし面白ければそんなもの全然構わない訳だし、やはり格闘シーンでは最高のスキルを持った者同士の戦いを見せるわけです。そんな訳で今回の『マッハ!無限大』も大変面白く観ることができました。
http://www.youtube.com/watch?v=GCtL4k-6rnM:movie:W620