最近観た配信映画やドラマあれこれ

『Mr.ノボカイン』

Mr.ノボカイン (監督:ダン・バーク&ロバート・オルセン 2025年アメリカ映画)

「生まれつき痛みを感じない」という特異体質を持つ主人公が、強盗犯に連れ去られた恋人を救うため、文字通りボロボロになりながらの追跡劇を展開する!?というアクションコメディ。なにしろ徹底的に「痛い」シーンを盛り込んで、いかに主人公が平気でいられるかをコメディタッチで描いていくんだが、そこをクローズアップしたいがために全体のテンポがぎくしゃくしてしまっているのがちと残念。そして「痛い」シーンがあまりにグロいものだから、コメディというにはあまりにキツ過ぎて、笑えない点は好みの別れる部分かと。観ているこっちまで痛くなってくることは保証できます!シナリオもよく出来ている部分と雑な部分が混合していて、なんだか惜しい気がする作品だった。あと強盗犯、人殺し過ぎ。無痛症の主人公が登場する作品としてはインドのカンフーコメディ映画『燃えよ!スーリヤ!』という傑作があるんだけど、見比べてみると面白いかも。

ウェンズデー シーズン2(Netflix) (監督:ティム・バートン他 2025年アメリカ製作)

ドラマ『ウェンズデー シーズン2』を観終わった。ここでも書いたのだが、観始めたときは「悪くないけどまた学園ドラマなのかあ?」と思っていたところ、ラストはいい具合に着地していて安心したし、全体的にもよくできた面白いドラマだった。「いい具合の着地点」というのは、まず「家族の物語」として綺麗にまとまっていた部分。そもそも出典が「アダムス・ファミリー」なので、ファミリー=家族の物語としてまとまるのは当然なのだが、このシーズン2では家族同士の危機的な諍いやすれ違いが存在し、それを乗り越えて大団円を迎えた点がとてもよかった。もう一つは「友情の物語」だった点。ウェンズデーはそもそもシニカルな物語なのだけれど、そこで終わらせず、あえて級友たちとの共闘と和解を描いた部分は、一つのドラマとして安心できる部分だった。

ヴェノム:ザ・ラストダンス (監督:ケリー・マーセル 2024年アメリカ映画)

「ヴェノム」シリーズは1,2作とも可もなく不可もない出来で、所々面白い部分もあるのだが、諸手を挙げて肯定するほどの愛着もわかない微妙なシリーズではあった。ところが最終作を謳ったこの3作目、これが結構面白くできている。まず話の流れがロードムービー的なことや、変なニューエイジ家族と知り合う点、最終的な舞台がエリア51という部分がユニークだった。なんといっても今回の敵役となる「ゼノファージ」と呼ばれる怪物たちがなかなかに凶悪かつ神出鬼没で、その生みの親となる「ヌル」なる存在も十分に不気味だ。さらにシンビオートの元となるドロドロが多数登場し、沢山のヴェノムが出現して戦うという展開が胸を熱くさせる。これが最終作なのは致し方ないが、せめてスパイダーマンにはちょい出ししてもいいんじゃないかな。

アイス・ロード:リベンジ (監督:ジョナサン・ヘンズリー 2025年アメリカ・オーストラリア映画

アイス・ロード:リベンジ

アイス・ロード:リベンジ

  • リーアム・ニーソン
Amazon

リーアム・ニーソンの『アイス・ロード』にまさかの続編が登場、そして今回の「氷の道」はなんとヒマラヤへと続くネパールの山奥の道!?なんでも死んだ弟の遺言で遺灰をヒマラヤに撒きたいんだそうだが、ちょっとそれどんな罰ゲーム?で、行ったら行ったで土地権利絡みの抗争に巻き込まれて銃撃戦と逃走劇をおっぱじめてしまうといった展開だ。全体的に相当雑で乱暴な出来なんだが、随分前からリーアムおじさんはニコラス・ケイジ並みに仕事選ばない人になってしまったので、「いつものリーアムおじさん映画」だと納得して観るべきなんだ。それはそれとしてネパールの厳しい山岳地帯を活かした独特のアクションやギミックは面白かったし、所々CGだったり別の土地でのロケだったりするんだろうが、舞台がネパール!といった部分それ自体が興味深くはあった。