ヤマザキマリがまた
古代ローマに帰ってきた!しかも
とり・みきとの合作で!という新作。今回のテーマは
古代ローマの
博物学者
プリニウス。といってもこのコミックで初めて名前知りました。無学でスマン。物語はこの
プリニウスの書記の目を通して描かれます。この書記、常に
プリニウスについて語っていることを全部記録しているんです。そして物語冒頭はヴェス
ヴィオ火山の大噴火!
地震津波!と日本人なら身につまされるエピソードからはじまりますが、こういった
地震の多いローマと日本の近似性を作者も感じてテーマに選んだのだそうです。さらに
プリニウス入浴シーン!ときて『テルマエ』ファンをくすぐります。ホントにローマ人はお風呂が好きだったんですね。あと面白いのが、なにしろ古代なんでここで
プリニウスが述べる科学的考察が、実の所現代の科学知識に照らし合わせるなら正しいわけではないのを、あえて「当時はこんな具合に考察してたんですよ」とそのまま記載しているところですね。それは正しいとか間違っているというよりも、当時人は自然をどう捉えていたのか、ということを知る部分で面白いんですよね。作品自体は『
新潮45』の連載ということで、ちょっと大人しめというか固いんですが、古代に生きた稀代の
博物学者、というのは興味をそそられますね。中盤からは皇帝ネロも登場して物語に絡んできます。
ZQN亜種に咥えられたまま比呂美・小田さんと逃亡する英雄だがさて…という展開のその後。巨大化した合体ZQNが登場し思わせぶりなままスルーされますが、物語自体は主人公3人に焦点を当てたまま進んでゆきます。これって「
アイアムアヒーロー」のタイトル通り主人公英雄がどう変わってゆくのか、という物語だと思うのでゾンビものの群像劇なんかよりもこの構成のほうがいいな。ただ、この3人は帯に書かれているみたいな「三角関係」というのとはちょっと違うと思うんだけど。だから「三角関係」にポイント絞りそうな映画化は全然期待してません…。
激情と勘違いで突っ走る、いつものホノオくんです。若さとは熱さでありそして勘違いであるといういい見本だなあ、と思いつつ、昨今の若い方はホントはもうちょっとクールで賢かったりするんだろうなあ。それにしてもホノオくん女子に興味無さすぎ。トンコさんには彼氏がいるから!とまるでその気にならないし、美人ちゃんな女子キャラ現れても全然絡む気ないしなあ。激情はあっても劣情は無いんだろうか。そこんとこどうなんだろうかホノオくん。