『バトルシップ』はボンクラ海兵隊員が男を見せる洋上バトル映画だった!

バトルシップ (監督:ピーター・バーグ 2011年アメリカ映画)


宇宙からやってきたエイリアンシップが環太平洋合同演習中の連合艦隊と戦っちゃう、という映画『バトルシップ』です。最初予告編を観た時は「はるばる宇宙から来てなんでわざわざ海の上で戦うわけ?」と思えてしまいなんだか食指が動かず、劇場公開中は割と評判がよかったようなんですが「多分自分の好きそうなタイプのVFX映画で観りゃあきっと面白いんだろうけど観なくても多分面白そうなことは分かったからもういいや」とかひねくれた事言って観てなかったんですよね。でまあ今回ソフトが発売されたのでやっぱり観てみよう、と。ソフトは輸入盤Blu-rayを購入したんですよ。輸入盤Blu-ray、日本語吹き替えと字幕付いている上に国内盤より安いから買いたい方はお得ですよ。
でまあ映画のほうなんですが、最初に登場する主人公らしき若造のあまりのボンクラ振りに、「この映画大丈夫なんだろうか」という微妙な不安がふつふつと沸いてきて心許無かったですね。この主人公、あまりにボンクラなので兄貴に「軍隊入って鍛えなおせ!」とか言われて、それであっさり入隊して、それがいつの間にか大尉にまでなっちゃってるんですね。でも大尉になったくせにいまだにボンクラで、なんでこんなヤツが大尉になれるんだ?軍隊ナメとんのか?とそろそろオレの眉間の皺もかなり深くなりつつある頃エイリアンシップのお出ましですよ。結論から先に言っちゃえばエイリアンシップと戦うことで男を上げる主人公なんですが、じゃあいままでのグダグダのボンクラ振りはなんだったのかと、そう思えちゃうんですね。まあきっとやれば出来る子だったけど世の中なんてチョロイと思って本気見せてなかったんでしょうね。オレももうかな〜りいい歳になりますが、今ん所まだまだ本気は見せてないですね。オレの場合世の中チョロイどころか相当キツイんですが、ええ、まだまだ本気見せるわけには行かないんですよ。それは本気見せようとしたら本気どころか既に能力限界でなにひとつ手に負えないということがバレちゃうのが怖いからなんですね。だから周りには今ン所「いやまあオレが本気出したらこんなもんじゃないよ?まだ本気出してないだけだよ?」と言いくるめていますが、そのうちバレるのも時間の問題ですね。
いやそんな個人的なことなんてどうでもいいんですよ『バトルシップ』ですよ『バトルシップ』。なんだか最初は海の上で戦うだけ?行動範囲の狭い宇宙人?と思って観てたんですがスケバン刑事("刑事"と書いて"デカ"と読んでください)のヨーヨーの巨大化したようなヤツで街を襲ったり山の上に通信用の前哨基地設けたりして意外と宇宙人、マメにあちこちで侵略しているのが好印象でしたね。いや侵略宇宙人に好印象というのもナニですが。それとCGI大盤振る舞いした大味な戦闘がダダ漏れするだけなんだろ、とタカを括って観ていたら地球人連合艦隊は想像したよりずっと戦略的に戦闘を進めていたのが映画を面白くしていましたね。もともとはボードゲームが原作ということなんですが、単に海上バトルという設定だけをもってきたのではなくゲームのキモであった相手の行動を察知し予測するゲーム的な要素をきちんと映画の中に生かしているところが上手いなあ、と感心しました。ただやっぱり主人公のボンクラ振りがどうにも気に障るのでちょっと大っぴらに褒めたくない映画でもありましたけどね!