映画『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』はボンクラ過ぎるボン作だったッ!?

ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え! (監督:ディーン・パリソット 2020年アメリカ映画)

f:id:globalhead:20201219123632j:plain

マトリックス』、『ジョン・ウィック』 シリーズのキアヌ・リーブスが主演していたもう一つの代表作(?)、『ビルとテッド』が帰って来た!?という映画『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』を観てまいりました。監督はあのカルトSF映画ギャラクシー・クエスト』のディーン・パリソット。

この『ビルとテッド』シリーズ、1989年に『ビルとテッドの大冒険』、1991年に『ビルとテッドの地獄旅行』が公開され、一部になんとなくカルトな人気があるシリーズなんですよ。物語はロック大好きのボンクラ高校生、ビルとテッドが時空を超えて冒険の旅に出て、しまいには世界まで救っちゃうというお話なんですな。オレも大昔観ましたが、相当下らないなりになんとなーく面白かった記憶があります。

さて29年振りに製作されたこの第3弾、主人公ビルとテッドは世界を救ったはずなのに今やすっかり落ちぶれ、単なるニートのおっさんとなり果てていたんですよ。世知辛いですな。そこに未来から使者が現れ、「時空がアレしたのであんたらが世界を救う音楽を作らないと77分後に世界は滅亡する!」とかのたまうんですよ。「77分ってそんなの無理ゲーだろ!」と困惑する二人でしたがそこで一策を講じ、タイムマシンで未来に飛び二人が完成させた音楽をかっぱらってこよう!と画策する訳です。

とまあそんなお話なんですが、いやー、正直ビミョーでしたねえ。何度も未来に行って自分たちに会う、そして失敗する、という事が延々繰り返されるだけで、段々飽きてきちゃうんです。演出が一本調子過ぎて、あっと言わせるような出来事が起きない。それと映画の中の二人、コントみたいに掛け合いを演じてるだけで、動きやアクションが無い。二人がボンクラなのは分かるんですが、それにしたって単なるデクノボウにしか見えないんですよ。

それよりもよかったのはビルとテッドの娘二人の活躍でしたね。二人はお父さんを助けようと過去にタイムトラベルし、伝説のミュージシャンをかき集めてくるんですが、このシークエンスがとてもよかった。このテッドの娘役をブリジット・ランディ=ペイン、ビルの娘役をサマラ・ウィービングが演じているんですが、こちらも演出に一本調子を感じるとはいえ、女子2人にフレッシュな魅力があって、なかなか見せるんです。ある意味、ビルとテッドは脇役にうっちゃって、この二人を主役に持ってきた方がまだ楽しめる映画になったんじゃないかと思いました。(↓サマラ・ウィービングとブリジット・ランディ=ペイン)

f:id:globalhead:20201219132018j:plain

それにしても、第2作目だった1991年から29年も経ったのに音楽的ヒストリーの更新が全く無く、相変わらずエレキギターをキュイーン!とやることがロックだったりとか、その辺もどうなんだろうなーとは思えましたね。まあしかし、もともとがボンクラ・ロック・ムービーだった作品ですから、この程度が妥当であると言えばいえるんですけどねー。そんなに期待しちゃいけないシリーズなんですよ!それにしてもキアヌ、大作にも主演してますけど、こういうしょーもない映画にもコンスタントに出演していて、時々どこを目指しているんだ……と思わないことも無いんですが、この清濁併せ呑む度量の広さがキアヌなんだって思うことにしておきましょう! 


12.18公開!『ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!』本予告