『ワンダーウーマン1984』を観たんだが、なんだかなーって感じだったなあ

ワンダーウーマン 1984 (監督:パティ・ジェンキンス 2020年アメリカ映画)

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ガル・ガドット様主演のDCコミック・ヒーロー映画『ワンダーウーマン』の続編が製作される!と知り、オレは一日千秋の思いで待ち焦がれていたのである。いやー『ワンダーウーマン』、好きなんだよなあ、カッコよかったよなあ、なんてったって主演のガル・ガドット様、素敵だったよなあ、見目麗しかったよなあ!という訳で新作『ワンダーウーマン 1984』を観て来たのだが、ええと、アレ?アレ?なんなんですかコレは?なーんでこーなっちゃったんですか?ありゃりゃー……とガックリ肩を落として帰って来たオレなのであった。いやーこれはいくら前作もガル・ガドット様も支持していたオレだとて、ちょっと評価できないぞ。この映画観て思い出したのは栄えあるラジー賞に輝くハル・ベリー主演の『キャットウーマン』だったな。

ええとお話の舞台はタイトル通り1984年のアメリカ、ワンダーウーマンは人間の姿に身を隠し考古学者ダイアナとしてスミソニアン博物館働いていたんだな。そこで鑑定を依頼された奇妙な石を巡り、実業家のマックスが秘密の陰謀を企んでいたことを知る訳だ。実はその石は人間の欲望を叶える魔力を秘めていて、実業家マックスはその石を使い世界を混乱に陥れてしまうんだよ。これにダイアナの同僚であるバーバラ、何故か甦ったスティーブがからみ、ワンダーウーマンは危険な戦いに挑むことになるんだ。

何がよくなかったかというと、「人間の欲望を叶える魔力を持つ石」とか、ワンダーウーマンのスーパーパワーとか、なんだか設定がはっきりしなくて、唐突に後付けされたような設定やら理由が追加される事なんだよな。欲望を叶えた人間は同時に何かを失うことになるとか言うんだが、それは中盤まで説明されなくて、しかも要するにこの設定って有名な怪談『猿の手』で、さらに登場人物の一人に「これは『猿の手』だな!」と言わせちゃうのはどうなんだ、と。スーパーヒーロー映画観に来たのに物語が『猿の手』の長尺解釈版とかって、どうなんだよ。

猿の手 (恐怖と怪奇名作集4)

猿の手 (恐怖と怪奇名作集4)

 

それと悪役である実業家マックスが、実のところ何がやりたいんだかよく分かんない所なんだよ。「欲望を叶える石」を持ってるならさっさと欲望叶えてあとは楽しく暮らしてくれればいいじゃない。それをグダグダと周りくどい事をして世界を混乱に堕とすわけよ。話を大きくする為にその話に無理を生じさせちゃってるんだよ。さらにワンダーウーマンも途中で聞いた事のないスーパーパワーを使うんだけど、いやそれズルしてないかと。それ以外にもあの飛行機のくだりは多方面においてツッコミ所満載なんじゃないかと思ったな。

アクションにおいても、見所ってのが全部予告編で観ることの出来る部分でお終いなんだよ。予告編以上の映像が本編にないって、それって駄作凡作のセオリーなんだよなー。最大の刺客であるはずのチーターなんて単なる映画『キャッツ』だし、ボスキャラはダサいおっさんだし、ポスターなんかで見せてるキンキラキンの甲冑はキンキラキンにしてみたかっただけで本編でまるで役に立ってなかったし、そもそも殆ど人を殺さずキッツいシーンもない根本に「優しい世界」を標榜しようとした物語展開なもんだから、なんだか全編に手ぬるく生ぬるい空気感を感じるんだよな。まあ冒頭のアマゾン族大運動会シーンとかロマンス展開とか悪くない部分も多かったけど、残念な部分のほうが目立っちゃった映画だったなあ。


映画『ワンダーウーマン 1984』US予告1 2020年12月18日(金) 全国ロードショー