虐殺パパがやってくる!?ヤア!ヤア!ヤア!〜映画『ステップファーザー 殺人鬼の棲む家』

■ステップファーザー 殺人鬼の棲む家 (監督:ネルソン・マコーミック 2009年アメリカ映画)


やあみんな!ボクの名は虐殺パパ!虐殺の大好きなパパなんだよ!旦那がいなくて困っている母子家庭に近づいて、言葉巧みにたらしこんではその家の旦那に収まり、その後奥さんも子供も皆殺しにしちゃう、というとっても猟奇なパパなのさ!そして皆殺しにしたあとは姿を消し、また別の母子家庭を物色するんだ!さあ今日はどの母子家庭を血祭りにあげようかな?そう、ボクの名は虐殺パパ、今日もいい虐殺しまくりまっせ!…という映画である。

しかしこの虐殺パパ、いったい何がしたいんですかね。母子家庭の主人に収まったあとその家族の財産とか全部吸いとって、財産がなくなったらみんな殺しておさらばする、とかそういう結婚詐欺みたいなヤツかと思ったけどそうでもないみたいですしね。ただ殺すのが好きなんじゃなくて、母子家庭を虐殺することにこそ快楽を覚える基地外だとかね。昔なんかあったんでしょうかね。あとまあ、ホントに素敵なパパになりたいんだけど、新しい家庭の連中が自分になびかないから、ブチ切れて殺す癖のついたヤツとかね。まあどっちにしろ基地外ですがね。

で、虐殺パパは物語の中心となる家族に近づくわけなんですが、これがわざとらしい出会いのきっかけ作って半年で相手の女性と結婚しちゃうんですね。なんだい、意外とヤリ手じゃんかよ虐殺パパ!?案外モテモテなんじゃん虐殺パパ!?虐殺パパも隅に置けないね!そしてその家庭にはいわゆる”問題児”な青年がいるんですが、虐殺パパはこの子のために骨折って彼の夢を叶えてあげようとするんですよ!最初スカしたこと言っていたこの青年も次第に虐殺パパの心を開いてゆく!おいおいイイ人じゃんかよ虐殺パパ!?虐殺だけが能じゃなかったんだね虐殺パパ!?

しかしここで一家皆殺し指名手配犯の似顔絵持って「あの人かしら」とかやってるバーサンとか虐殺パパの経歴を疑って嗅ぎ回る元旦那などが現れ、ここで虐殺パパは本領発揮するわけですな!要するにウザイやつはサクッとブチ殺すわけです!やったね虐殺パパ!しかしこんなふうに簡単にボロが出ちゃう所に虐殺パパのツメの甘さが露呈しており、そういった部分でのサスペンスがあんまり盛り上がらないんです。やっぱねー、何も知らない家庭に潜入し恐怖でもってすべてを支配した、あの『エスター』姐さんを見習うべきなんだとちょっと思いましたね。