お誕生日ニヨニヨ日記

誕生日プレゼントということで相方さんからお手製の銀細工を貰った。銀粘土で作った蜂の形のストラップだ。製作工程は相方さんの日記に記してあって、オレも横から眺めていたから誕生日前から分かっていたけれど、さすがに完成品は良く出来ていた。これ、紐の部分も相方さんが編んだのである。相方さんありがとう。


ところがである。「もう出来ちゃったから貰っておいてよ」と誕生日の前の日に渡され、携帯電話につけて歩いていたのだけれど、実はなんと、相方さんが精魂込めて作ったこのストラップを、誕生日のその日に落として失くしてしまったオレである。
これはもう死んで詫びるしかないのではないか、誕生日のその日がオレの命日になるとは、オレも本当に因業な人生を歩んだものよのう…としばし走馬灯のように脳裏に流れる我が半生の情景に眩暈を覚えながら独りごちたオレである。
そしてその日地下鉄の駅前で待ち合わせた相方さんに衆目の中涙を流しながら土下座して謝り、己が心臓を差し出さんとばかりに自らの過ちを悔いたところ、「しゃーねーなあ。また作っからあんまり気を落とすなよ」と赦免してもらい、オレの命は首の皮一枚でなんとか繋ぎとめられたのである。ああなんと心の広い相方さんであろう…一生付いて行きます…。
そしてその日はバースデーケーキまで買ってもらい、賑々しく誕生会を開いてもらったのだ。この日のメインは相方さんが焼いてくれた丸鶏、ローストチキンである。それもよくあるブロイラーではなく、なんとかいう珍しい鶏を仕入れて焼いてくれたらしい。そしてこれが塩胡椒のみで味付けしたのに滅法美味いのだ。安物だったがシャンパンも買って来て、気分はなんだかクリスマスみたいである。もうキリストの人かオレかっていうぐらい目出度いという事なのである(あああすいませんキリストの人すいません)。
そんな訳で一波乱はあったのだけれども、楽しいオレの誕生日であった。ああけまらしいさ!ニヨニヨさ!でもいいんだもんね!相方さんありがとう!また鶏焼いてくれ!