人類の命運を賭けて行われる魔人と人間との究極格闘大会/映画『モータルコンバット ネクストラウンド』

モータルコンバット ネクストラウンド (監督:サイモン・マッコイド 2026年アメリカ映画)

究極格闘大会モータルコンバット

人類の運命を賭けて行われる魔人と人間との究極格闘大会、モータルコンバットを描くアクション映画『モータルコンバット ネクストラウンド』。同タイトルの世界的人気格闘ゲームを原作として1995年の実写作品『モータルコンバット』と1997年の続編『モータルコンバット2 アナイアレイション』が製作され、さらに2021年にリブート版が製作、そして今作はその続編となるタイトルです。

【STORY】人間界は太古より続く究極格闘大会モータルコンバットにおいて魔界に9連敗を喫し、あと1敗で滅亡の危機に瀕していた。落ち目のハリウッドアクションスター、ジョニー・ケイジを新戦士に迎えた人間界の精鋭たちは、魔界皇帝シャオ・カーン率いる最強軍団との最終決戦に挑む。

主人公ジョニー・ケイジ役に『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ、『スター・トレック』シリーズのカール・アーバン。スコーピオン役に『ラストサムライ』や『ジョン・ウィック:チャプター4』にも出演した日本を代表する俳優・真田広之。さらに『座頭市』や『ソー』シリーズの浅野忠信がライデン役を務めます。監督は前作から引き続きサイモン・マッコイドが続投。

トーンの刷新——コミカルな主人公がもたらすもの

1995年版と続編の1997年版は癖の強いB級ど真ん中のアクション作でしたが、2021年のリブート版『モータルコンバット』は驚異的なCGIを多用し、物語の骨子もしっかりとした実に楽しめる作品でした。続編である今作も期待に応えてくれました。

リブート版『モータルコンバット』が戦士集めと世界観の導入に重点を置いたのに対し、本作『モータルコンバット ネクストラウンド』では本格的な「大会開催」と大規模バトルにシフトしています。最大の違いは映画全体のトーンでしょう。前作が比較的シリアスで地に足のついたアクションだったのに対し、本作では主人公ジョニー・ケイジのコミカルなキャラクターが映画のトーンを刷新しています。

このジョニー・ケイジ、落ち目のアクション俳優として登場し、最初は大会出場などしたくないとゴネるし、そもそも本物の格闘家でもありません。こんな人物に人類の命運を委ねていいのかという不安が、物語の推進力となっています。

そのうち己の使命を認識し、真摯に戦いに挑みながらどんどん強さを発揮してゆくジョニー・ケイジではありますが、なぜ急に強くなったのかはきちんとは描かれません。この辺はもう少し丁寧に掘り下げてほしかったところです。とはいえ、他の格闘家たちが究極格闘大会に抜擢されるほどの強者であるのに対し、ジョニー・ケイジだけは「未知数」のまま戦いに臨む——その緊張感が観客をスクリーンに引き付けます。

大会の裏側で動く陰謀、そしてフェイタリティ

バトルの見せ方にしても、単に試合を羅列していくのではなく、魔界陣営が試合の裏で画策する陰謀を叩き潰すため、試合外のバトルがどんどんとエスカレートしてゆきます。併せて、寝返りや伏兵の投入により人間界・魔界の勢力図が刻々と変わってゆき、決して飽きさせない工夫がなされています。かつて魔界に敗北を喫し滅亡した王国の王女を巡るバックストーリーも重厚で、王女キタナを演じるアデライン・ルドルフの妖艶な魅力との壮絶なバトルは今作の大きな見どころのひとつです。

そして「モータルコンバット」といえば残虐極まりない「フェイタリティ」シーン。対戦で勝利した直後に敗者へとどめを刺す「残虐な処刑フィニッシュ技」のことで、ゲームではその凄まじさが語り草になっています(実はあまりに過激なのでゲーム自体が日本では正規販売されていません!)。今作でもこの「フェイタリティ」シーンはしっかりと持ち込まれており、次はどんな技が炸裂するかという期待感で大いに盛り上がります!

総評

異世界を舞台に異能の人間格闘家と不気味な魔族とが血塗れの戦いを展開する本作、ゲームらしい過激さとユーモアを大胆に取り入れ、目を奪うCGIとフェイタリティの残虐さ、スケールアップしたバトルシーンと見どころはたっぷり。真田広之・浅野忠信ら日本俳優の活躍も嬉しい、満足度の高い続編となっていました。ジョニー・ケイジというB級くずれの男がヒーローへと変貌する過程を軸に据えることで、本作は一味違う「異世界格闘アクション映画」に完成しています。

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