それは気が休まらなかったッ?!

先月10月から私事であれやこれやと忙しくなり、そこはかとなくグロッキー気味である。そもその発端は定年である。いや、定年したことそれ自体は肉体的精神的な影響など何もない。ただ、今回のよしなしごとのプロローグとしては象徴的な出来事であったように思う。結膜嚢胞なる軽い眼病を患って眼科に行ったのもこの時期だった。

実は12月初旬に引っ越しを予定しており、それの準備をしているのだ。ほぼ50日前ぐらいから準備は始めているのである意味早すぎるぐらいだし、本やCDやDVDなどの細かいものは暇を見つけては箱詰めしておりこれはほとんど完了、残る一か月で残りを順繰り片づけていけばいいだけなのでそれほど心配はないはずなのだが、引っ越しにまつわるあんなことやこんなことが常に頭の中にあって、まるで気が休まらないのである。

住所変更に関わる役所他電気水道ガス郵便ネット回線などの諸手続きは、今やほとんどネットで完了するので簡単なはずなのだが、これらの幾つかは引っ越し2週間ほど前にならねばできないのでまだ完了していない、この「完了していない」ということそれ自体が気にかかってしまうのである。ほかに、家財道具その他をかなりな量粗大ごみとして廃棄することになるのだが、それの手順や段取り荷物移動が疎ましいのである。ああ気が休まらない。

そんな合間にクレジットカードの有効期限が10月で切れるとかいうので、あれこれの支払い登録の変更が必要になった。これも実際ネット上でチャチャッと数字をいじるだけなのだが 、あれもしなきゃいけないこれもしなきゃいけないの中の「しなきゃいけないこと」がまたもや増えてしまったことそれ自体にうんざりしてしまうのである。ああ気が休まらない。

こうして気ばかり急いている時期に今度はパソコンの故障である。これも後回しにはできないのでネットで早急に新しいパソコンを探して注文し、届いたら届いたで今度はセットアップである。おまけに慌てて注文したばかりにパソコンケースの大きさを間違えてしまう。そのあらましは以前ブログで書いた。面白おかしく書いてはいたが結構うんざりしていた。ああ気が休まらない。

それと併せてこの忙しい時期にわざわざ人間ドック的な健康診断を病院に申請してしまう。別に今やらなければいけないものでもなかったのに、毎年10月前後にはやっているので、なんだかやらないと拙いような気がしてしまい、ついつい申請し、この11月1日に会社から休みをもらって行ってきた。忙しいときに自分からわざわざさらに忙しくしてしまう、というこの業の深さ。ああ気が休まらない。

そしてこの11月2日と3日には、相方の御母堂の3回忌となる法事につきそい仙台に出向いてきた。これはやっとかなきゃならないことなのできちんと義務を果たしたが、体調をすっかり崩してしまっており、ちょっときつかった。実は10月の最終週のあたりから体調が悪かった。最初は風邪かとも思ったが、熱もなく喉の痛みもなく、ただ頭が重く体がだるい状態がずっと続いていた。端的に言って過労である。肉体的なものというよりもここ暫くの心配事でメンタルがやられてしまったようなのだ。それに引き摺られる形で体調に表れたのだろう。だから仙台に行った時には必要最低限のこと以外は切り上げてずっと眠っていた。なぜなら気が休まらないからである。

仙台に行った時には無理やり動物園にも行ったのだが、お目当てのたぬきはお昼だったせいかみんな寝ており、ちょっとしょんぼりだった。動物園のレストランでは窯焼きピザを食べたがこれは美味しかった。仙台の八木山動物公園に行ったらぜひピザを食べてほしい。そういやその前の日も仙台でピザ食ってたな。身も心も疲れた時にはピザに限る。

睡眠といえば眠りもずっと浅かった。夜中に何度も目が覚めてそして眠れなくなっていた。当然睡眠不足となりそれも体調に影響していたのだろう。

ところでオレはここで愚痴を書きたいのではない。そうではなく、ごく一般的な社会人であれば誰もが造作もなく常識的に行うようなことにあれやこれやと気をまわし気を遣い気をやりすぎメンタルを擦り減らしてゆく自分の性格それ自体に呆れ返っているという次第なのである。

今回に限らずオレという人間はどんなことでもちまちまといらない気を使って疲弊してゆくことが多々あるのだ。正直言ってオレの気の遣い方は海よりも深く山よりも高いからな。気遣い選手権なるものがあったらチャンピオンとまではいかないだろうけれども審査員特別賞(平たく言うとお情け賞)ぐらいはもらえるのではないかとすら思う。

ただオレは遣り過ぎると突然プチッと切れてしまう人間でもあり、突然なにもかも適当で投げっぱなしになってしまうことがある。揺れ幅が極端なのだ。つまりは人間それ自体が極端なのである。それでバランスをとっているともいえる。ただし今回はいつもの投げっぱなしが許されない。それゆえの過労なのだろう。

とはいえ、ここまで言っておいてなんだが、合間合間に今まで通り映画館に出向いて映画も見ているし、ブログも書いているし、買い物もしているし、楽しく酒も飲んでいるし料理も作っている。相方とだってちゃんと会ってるぞ。つまり割と日常生活は行えているのだ。これは早めに引っ越し準備を始めたので若干の余裕があるということでもある。そういった面では良し悪し、というか悪いことばかりでもないとも言える。まあなんにせよ決戦は12月初旬である。それまでなんとか遣り過ごし事の成就を虎視眈々と見据えなければならないのだ。ああ気が休まらない。

ちなみにトップの画像は生成AIに「過労」と入力して制作された画像である。これのどこがどう過労なのかよくわからないが(そもそもなんでこんな抽象画みたいのが出てきたのかもわからないが)、「過労」と言われれば「過労」の画像のような気がしてくるから不思議である。

追記:あれから何日か経ったが体力はほとんど回復し、体調も良く夜もちゃんと眠れるようになった。今のところどうやら心配はなさそうだ。やはり映画をガンガン観てメシをガンガン食って酒をほどほどに嗜んだおかげだろう。なのでこのブログの善良かつ聡明な読者の皆さまにあらせられましてはご心配なきよう。とはいえ、そうこう言っているうちに今度は年末調整の時期がやってきてだな……チッ。