遂に60歳になってしまった。

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本日9月9日をもって齢60となってしまったオレである。いやー60っすよ60。還暦っすよ赤いチャンチャンコっすよ。

いやーそれにしても60歳。なんというかもう、途方に暮れている。思えば遠くへ来たもんだ。昔は60歳で定年だった。仕事をリタイアして隠居生活だった。だから世が世ならオレは今頃定年で隠居生活に突入していただろう。だが今は法制度が変わって定年の年数も伸び、オレの会社の場合は現在62歳定年となっている。その後も再雇用があるだろう。

何が言いたいかというと「まーだ働かにゃいかんのか」ということだ。確かにまだまだ働かせてくれるのはある意味ありがたい。それは先立つものを確保せねばならないからだ。老後の資金というヤツである。だから働けるうちは働くのだと思う。ただなあ。なんかもう結構疲れてきたのだ。働くのが。働きたくない、というのではないのだ。実のところ働くのはそれほど嫌いではないのだ。ただなあ、体がね、ついていかないんですよ。

50も半ばを過ぎてから体のあちこちに不調が出てきて、病院のお世話になる事が増えてきた。今や一つの不調を乗り越えたら別の不調がやってくる、といった状態で、様々な不調がローテーション化しているのである。しなくていいのに。今年の場合は頭重に始まり歯痛が来て腰を痛めたって感じか。血圧も上がり気味だ。今のところ重篤な病気というものはないが、あれこれ体にガタが来ているのは確かだ。これが積もり積もってなにがしかの病気へと繋がるのだろう。

なにしろ最近疲れが抜けない事が多く、気分もスカッとしない。こういった状態が長く続くのが実に不快で、QOLを大いに下げている。QOLとはクオリティオブライフの意味らしい。一回使ってみたかったんだ。ちなみにQCLだと量子カスケードレーザーでありOCLは経営コンサルの会社名でありCQCだと近接格闘の意味だ。すまんどうでもいい話で。話が暗くなってきたからちょっとふざけてみたかったんだ。

実際のところ、60になって明るい話なんざないよなあ。60になって思うのは、「で、後何年生きられるの?」ということだ。今現在日本人男性の平均寿命は80歳前後。あくまで平均という事ならあと20年の命という事になる。しかしこれに健康寿命というのがあって、これは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」という事なのだが、これが今現在の日本人男性だと70歳前後なのらしい。つまりヨボヨボで立って歩くことも難儀になるまであと10年ほどということなのだ。

この間も相方とこの健康寿命の事を話していた。相方からは「フモさんももう60かあ、健康寿命が70までなんだから、あと10年人生楽しみましょうよ」と言われた。「いつまでも健康で長生きしてね」などといった気休めめいたことを決して言わないのが相方の性格である。現実主義者なのだ。しかしそれにしてもあと10年。仕事は再雇用で65ぐらいまで続けたとしたら、楽しむ老後なんて5年ほどである。うわあ。きっちー。

とはいえ、「楽しむ老後」なんて考えたことがない。どこかに長期で旅行に行きたいとか、ハーレーを乗り回したいとかガーデニングを始めたいとか蕎麦を打ちたいとか、全然思わない。ただまあ65過ぎるまでにはブログは止めたい……いや意外とキツイんですよこれ……。絵や楽器を始めるかとも思ったが、なんだかピンと来ない。多分相変わらず本読んだり映画観たり美術館に行ったりしているだけなのだと思う。積みゲーをガンガンクリアしてゆくというのも考えたが、一日中部屋にこもってゲームばかりやってるのは多分不健康だ……。

こうして考えると、90過ぎてまだ映画監督なんかやってるクリント・イーストウッドなんかどれだけ超人的なのかと思う。いや、80過ぎて監督やってるリドリー・スコットだって相当なもんだ。オレは映画好きだから映画の例えを出したが、80・90で現役な方は様々な業界に沢山いる。でもなあ、80・90で現役じゃない方はもっともっと多いんだよなあ。そもそも今現在これだけ不調を抱えているオレが80・90で現役とか考えられない。

予想通り一直線に辛気臭い話になってしまった。だいたい毎年の誕生日エントリは辛気臭い話が定番なのだが、60歳という事で輪をかけて辛気臭い。だいたいグダグダと愚痴ばっか言ってないで自分の健康にきちんと取り組みなさい、という事でもある。お、なんか話がポジティヴになってきたぞ。まず酒と煙草止めろって事か。止めるか―うーん止めるのか―。実際、ここなんだよなー。気付いてはいるんだよなー。

酒は以前より意識して減らしており(そのせいで慢性的な胃炎が収まった)、止めるというよりも週末だけ、という形に持っていこうとしている。問題は煙草なー。だいたい煙草のせいで歯槽膿漏が悪化して虫歯もないのに歯の治療に行く羽目になってるんだよなー。血圧も上がるしなー。うん、そうだ、60になったので煙草を止めるというのはどうか。そんなこと全然考えてもいなかったが、この記事を書いてたらどうやらそれが結論なのらしいという気がしてきた。なんだ、前向きじゃんかオレ。

とまあお後がよろしいようなので、ダラダラしたエントリもこの辺りで終わることにする。最後に、こんなオレに10年以上連れ添ってくれた相方に感謝の意を表したい。体の健康も大事だが、相方の存在がずっとオレのメンタルを支えてくれている。相方がいなかったらオレはきっと滅茶苦茶な生活を続けて早死にしていただろうとよく考える。相方よいつもありがとう。これからもよろしくお付き合いください。一緒に楽しく生きよう。