最近ダラ観した韓国映画などなど

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■EXIT イグジット (監督:イ・サングン 2019年韓国映画

EXIT [Blu-ray]

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  • 発売日: 2020/05/02
  • メディア: Blu-ray
 

韓国パニックアクション映画『EXIT イグジット』がとてつもなく面白かったッ!!毒ガステロに遭った韓国都市、拡散上昇するガスから逃れる為とにかく上へ!上へ!と逃れる男女がビルからビルへとエクストリーム・アクションを繰り広げる緊迫のサバイバル、何しろ凄いからソフト探し出して観れ!作品の着目点はゲーム作品の効果的な引用、アンチャーテッドやSTALKERのモチーフはすぐ分かったけど他にもいろいろあるかもね。ハリウッド映画でも今まで思いつかなかったようなシナリオが何しろいいし、同時に韓国の家族主義的なイナタさが時々ホッとさせてくれる、なにしろ凄いから是非観て!やっぱこれから映画語りたい人はゴダールがーとか黒澤がーとか古臭い権威主義振りかざすの止めてゲームの100本ぐらいはやっとくべきだと思ったね。

■The Witch/魔女 (監督:パク・フンジョン 2018年韓国映画

The Witch/魔女 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: Blu-ray
 

韓国アクションスリラー『魔女』は平凡な女子高生は実は強化人間だった!?という作品。彼女を亡き者にせんと迫る強化人間軍団VS.強化女子高生の血みどろの戦い!なにしろ血の量が半端ない!主人公少女が突如殺意の波動を身にまとう所が見所。主演女優キム・ダミの地味っぽい顔がいい。ただダークなアクションに終始するのではなく、友情や親子の愛が盛り込まれる部分で共感できる物語となっている。それにしても女子高生同士が「美味しいもの食べよ!」とか言って大量の茹で卵をガツガツ食らう所に韓国映画の真のパワフルさを感じた!?

■LUCK-KEY ラッキー (監督:イ・ゲビョク 2016年韓国映画

LUCK-KEY/ラッキー [DVD]

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  • 発売日: 2017/10/04
  • メディア: DVD
 

記憶喪失の殺し屋と貧乏役者の生活が入れ替わっちゃう!?というコメディ作品なんだが、最初のこの設定から物語はさらに思いもよらない方向に進んでゆき、恋あり笑いありアクションアリで、このシナリオの妙がとにかく優れた作品だった。なにしろ主演ユ・ヘジンのオッサン度100%の顔がいい!彼扮する記憶喪失の殺し屋が「刃物使いが巧い」という記憶から、なぜか総菜屋で料理人顔負けの飾り包丁を披露し大ウケしたり、コワモテな顔と体技を生かしアクション映画脇役として大注目!とか、いったいなんだこの展開は!?なお作品は内田けんじ監督映画『鍵泥棒のメソッド』を原案としている。

■悪女/AKUJO (監督:チョン・ビョンギル 2017年韓国映画

悪女/AKUJO [Blu-ray]

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  • 発売日: 2018/06/22
  • メディア: Blu-ray
 

犯罪組織の殺し屋から国家秘密組織の殺し屋へ、数奇な運命に翻弄される女スクヒの姿を描く韓国アクション・ノワール。まずこの作品、アクションが凄いんだ!一人称視点による怒涛の乱闘シーン、バイク同士が追いつ追われつしながら日本刀で格闘するチェイスシーン、そしてラストの室内からカーチェイスへ、さらにバスに飛び乗ってからの殺戮へと、とことん長回ししながらの殺戮シーンなど、「いったいどうやって撮ったんだ!?」と唖然呆然する一大アクションシーンに狂喜乱舞すること請け合いだ!ただしかしお話がうんざりするほど暗くてさあ……どんよりウェットな人間ドラマの中で主人公スクヒがこれでもかこれでもかと不幸の大波にさらわらてゆくんだが、なんかこう暗くて不幸ならそれでいいのかよ!?と思えてしまったよ!でもアクションは格別なんだけどね!

■泣く男 (監督:イ・ジョンボム 2014年韓国映画

泣く男 [DVD]

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  • 発売日: 2015/04/02
  • メディア: DVD
 

任務中に誤って幼い少女を殺してしまった殺し屋の次の標的はその母親だった。韓国ノワールアクション『泣く男』は悔恨の果てに組織を裏切った男が壮絶な殺戮に身を投じる物語だ。ソウルの街が戦場と化す凄まじい銃撃戦、そこで流れる夥しい血の量、主人公の暗く虚ろな目つき、全編惚れ惚れするほどニヒリズムに満ちた傑作だ!監督・脚本が『アジョシ』のイ・ジョンボムだったんだね。そして主演はチャン・ドンゴン

哭声/コクソン (監督:ナ・ホンジン 2016年韓国映画

哭声/コクソン [Blu-ray]

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  • 発売日: 2017/07/21
  • メディア: Blu-ray
 

この『哭声/コクソン』、ポスター見ても粗筋読んでも「これ相当コワイやつだろ、そしてメッチャ暗いんだろ」と思いあまり観たくなかったんだけど、観始めてみると主人公のオッサンが結構とぼけた奴で、「コワイ雰囲気はあるけど実は割と普通のサスペンスなんじゃ」と思い安心しかけてたらやっぱりバリバリにホラーだし当然のようにコワイしメチャクチャ暗いしおまけになんの救いも無かったよー!怖いよー怖いよー!

■タクシー運転手 約束は海を越えて (監督:チャン・フン 2017年韓国映画

タクシー運転手 約束は海を越えて [Blu-ray]
 

2017年に公開され大ヒットを飛ばし、様々な賞に輝いた話題作『タクシー運転手 約束は海を越えて』をやっと観たが、これがもう噂に違わぬ名作だった。主人公はタクシー運転手キム(ソン・ガンホ)、彼は報酬目当てにドイツ人記者を釜山から遠く光州まで運ぶことになるが、そこで軍による残虐な市民弾圧を目の当たりにする。物語の背景にあるのは1980年韓国で起こった軍と民衆との大規模な武装衝突「光州事件」だ。オレは事件の名前だけは知っていたがこれほど恐るべきものだとは思わなかった。そういえば当時韓国が軍事独裁政権だったということはどうも忘れがちだ。この「光州事件」の一端を垣間見せるだけでも重要な作品だが、あくまで凡俗極まりない男キムを主人公とし、その彼が人々の願いに気付き(ちょっと気付くの遅すぎだろ!とは思ったが)行動を起こすまでを描くことで格別な人間ドラマとなっている。これにより映画は冷徹なる史実を追うのではなく、人同士の心の繋がり、その思いと温かさとをメインとした作品として完成してるのだ。

1987、ある闘いの真実 (監督:チャン・ジュナン 2017年韓国映画)

1987、ある闘いの真実 [Blu-ray]

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  • 発売日: 2019/02/06
  • メディア: Blu-ray
 

『タクシー運転手 約束は海を越えて』を観た勢いで近代韓国史に関わる映画『1987、ある闘いの真実』観たのだが……スゲエ、これは叩きのめされた。1987年、軍事独裁政権と民衆とが武力衝突する韓国民主化闘争を描いた作品なんだが、近代韓国のこんな歴史的暗部、オレは知らなかった。軍事政権が支配するこの社会ってリアル『1984年』じゃないか。こんな歴史の後に今の韓国の経済発展とか文化とかがあると思うと物凄く感慨深いよ。日本語タイトルには「闘い」とか「真実」とかあって言葉が大きく四角張った感じがしてしまうけど、そうじゃなくて人々が「このクソみたいな巨悪は何がなんでも叩き潰すんだ」と決死の思いで声を上げる、そのそれぞれの行動が心にジンジン響きまくる映画なんだ。もう大傑作だし韓国映画スゲエし韓国近代史いろいろスゲエ。