ハァハァってなんなんだよハァハァってオレ!?

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暑い。全宇宙的に暑い。ここまで暑いとむしろ「熱い」と言いたくなる。まあしかし夏は暑いものである。暑ければ外になんか出ずにエアコン全開にした部屋でビール片手にマイルドに頭の悪い映画でも観ながらエシャシャ!エシャシャ!などと笑いつつ口の端から泡など垂らしながら果てしなく弛緩しきっていればいいのである。

ただどうしても表に出なければならない用事などがあると困る。特に仕事だ。オレの仕事は3Kのゲンバ業務なので夏であろうと表で汗ダンラダラに垂らして業務に勤しまねばならない。おまけに危険防止用にヘルメット着用、長袖着用だ。靴は先っちょに金属板の入った安全靴だ。なんというかこんな暑い格好のほうが夏場は危険なような気がするが、規則なので守らねばならんのだ。

とはいえ、こんな格好で汗みどろになりながら仕事をしていると、ある瞬間から新たな世界の扉が開いてくるのである。耐えて耐えて耐え忍んだ末に見えて来る真理である。つらい苦行の果てに待つ涅槃の境地である。そこではお花畑が広がり何百頭もの蝶が舞いエル・ファニングそっくりの天女様が優しくオレに微笑みかけているのだ。「ああエルたん……オレのエルたん……来たよ……オレは来たんだよ……」朦朧とした頭でエルたんに手を差し伸べようとしたその時オレの意識は途絶え、気が付くと週刊大衆や週刊実話やアサヒ芸能が山と積まれた饐えた臭いのする職場の更衣室で目を覚ます、という塩梅である。ああ現実なんて大嫌いだ。

実は前回のオレのブログ記事のことを考えていたのである。「ハァハァ!エル・ファニングたんハァハァ! / 映画『パーティーで女の子に話しかけるには』」という記事だ。内容についてはどうでもいい。自分でも「書いても読んでも時間の無駄だな」としみじみと呆れ返ることのできる果てしなくどうでもいい内容だからである。どのぐらい果てしないかというと先日南極の観測施設で発見されたニュートリノが地球から40億光年離れた巨大ブラックホールから来たことが判明したぐらい果てしないのである。

オレが懸念したのはそのタイトルである。なにしろ「ハァハァ!」である。50過ぎたオッサンがブログのタイトルで使う言葉なのか、とは思う。しかし、なにしろこのオレがやってることである。オレの事を知ってる方なら「ああ、いつものことだな」と思ってるだろう。「相変わらずしょうもないな」と思われているだろう。オレの事を知らない人は単に関わらないようにしようとするだけだろう。まあ特に重大な問題を孕んでいるわけではないのだ。

しかしだ。毎日のこの暑さの中ゲンバ仕事を続けているオレが何かの間違いで体調を悪化させまかり間違って死んだりしたらどうしようか、と思ったのだ。その時、オレの最後のブログ記事のタイトルが「ハァハァ!エル・ファニングたんハァハァ!」なのである。情けない。涙が出るほど情けない。

しかもだ。オレの死を知った何人かのネットの知り合いが、オレの「ハァハァ!エル・ファニングたんハァハァ!」という記事のコメント欄に追悼コメントなんか書いた日にゃあ目も当てられない。なにしろ「ハァハァ!」とか言ってる呆け切った記事の下に「惜しい人を亡くし」だの「悲しくてやりきれない」だの「合掌」などと悲痛極まりない文章が続くのである。もう考えるだけで具合が悪くなる。これでは死んでも死にきれない。

とはいえ誰も惜しがっても悲しんでも手を合わせもしないというのもまたがっかりさせられるのも確かである。一番いいのは死なない事なので、とりあえず毎回恥ずかしいタイトルのブログ記事を書いて「これを最後に死ぬわけにはいかない」と意地汚くしょうもない人生にしがみつき続けることがこれからのオレの課題である。

とまあそんなどうでもいいような自意識過剰の文章でした。なお冒頭の何かの映画の写真は本文とは何一つ関係ありません。 

私たちのハァハァ [DVD]

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